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パッケージ・販促制作をポジティブに動かすチームコミュニケーション

ネーミングから始まり、パッケージ制作と販促まで携わった案件。
ラフを切りながらも、常に誰かとコミュケーションをとっていた。
私が行ったこと、クライアントを支える技術チームの動きを書いていく。


ネーミング会議とオリエン

このフェーズで私が行ったことは以下

◻︎オリエン中のファシリ
 →議論がスムーズに行われるよう、論点の交通整理
◻︎資料作成
 →視覚的にもわかりやすく、社内に持ち帰っても参加者以外の方々とも議論ができるよう環境整備

オリエンの中での主な議論な流れは以下
「流行のデザインとは?」
「若者に受け入れられるデザインとは?」
当初はこのような議論からスタート
そして徐々に
「この商品の魅力とは?」
「この商品を手に取ってもらった時、どんな風に楽しんでほしいか?」
へ変化していった

まだ世に出ていない、まっさらな状態の商品。
お客様の反応も、どう受け入れられるかもわからない中で
想像を膨らませていく作業はとてもむずかしい。
目標リリース日までの短い期間ではあったが
その中でも濃密な議論ができた。

「世に出してないから、前例が無いからまだわからない」で
思考を止めるのではなく
「こちらから何をお伝えしていこうか」という期待感に変えられた
のは
自分としても良かったと感じる。
新商品リリースの醍醐味を味わうことができた。

私はネーミング会議から参加する経験は浅い。
動き方は、通常のオリエン参加時の役割をカスタマイズする感じ。

大人数でも1対1でも、考え方・使っている思考法はほぼ同じ。
ただ、大人数の時に大切にしていることは、全員の意見を吸い上げること。
力関係によって議論が流れていくことは避けたい。
この時間だけでも全員がフラットな関係性の中で、様々な立場の声を吸い上げたいところ。
「私は関係ない」そんな人はひとりもいない。
「私の意見はこの場に必要ない」そんな意見はひとつもない。
みんなそれぞれに何か立場・考えがあり、それらを全てすくいとり
総動員させるのがオリエンの役割。


パッケージシール リリース前 当時のイメージ


デザインラフからパッケージ印刷へ

このフェーズで行ったことは以下

◻︎パッケージラフを切る
 →社内FIXまでやりとり
◻︎印刷会社さんとのやりとり
 →入稿方法の選定や色味、色のノリ方、納期など、細かいところまで丁寧に相談にのっていただいた

今回初めて経験した
【 印刷会社さんが入稿データ制作を分業している場合 】
これは大きな学びになった。

〈 デザイナーが留意すべき点 〉
1.想定納期+2,3日は見る

2.オペレーションに不安がある場合は正直に相談し、入稿データを依頼している会社さん 担当者さんと直接やりとりの許可をもらうのも手

3.印刷会社さん入稿データ制作会社さんとの間で認識のズレが無いか確認→仕上がりデータに反映されているか確認

4.こちらで入稿データを作り送信する場合、完成度7割くらいで一度見てもらう→こちらが想定外の工程がある可能性があり、カットラインを増やしたり減らしたりする場合がある

5.色校正と本入稿の仕様の違いをあらかじめ確認→色校正はスピード重視の場合と品質重視の場合がある。印刷会社さんとすり合わせる工程を

印刷会社さんの希望とデータ制作の会社さんの希望、それがクライアントの望むものに刷り上がるかを導き出す工程があり、少し時間がかかった。
印刷オペレーションだけでひとくくりにせず、印刷会社さんの特長ややりやすさを知っておけば、こちらも杓子定規に考える必要もない。


箱へ印刷した場合のイメージ ここから印刷でどう近づけるか試行錯誤する


HP制作とコミュニケーションの流れ

パッケージが納品完了し、公式情報の要となる
HPを組み上げるフェーズに入る。

私が行ったことは以下

◻︎翻訳作業とスケジュール調整
 →Webデザイナーさんとクライアントの間に入り、お互いの想いや気持ちを翻訳。制作全体をどう行うかスケジュール調整
◻︎HP全体像大ラフ制作
◻︎Webデザイナーさんの制作サポート
 →画像選定・補正
 →小規模バナー制作
 →コピーなど原稿作成
 →視線誘導の点で要素をどう配置するかのご提案
◻︎クライアントからさらに商品への想いを引き出す
 →パッケージができると目に見えて商品の表情が出るため、新たな商品の想いやお客様へ伝えたいことが出てくる。そこを引き出し、HPや販促物へ反映させていく

ここでもwebデザイナーさんの特長や作りやすさを捉える必要があった。

〈 Webデザイナーさんへの確認事項 〉
◻︎ 制作環境(デスクトップかノートか / ワードプレスかグーグル上かなど使用環境もわかれば)
◻︎ webデザイナーさんが直近作ったページ(形成画像やテキスト配置などを見て何が得意かチェックできる)
◻︎ 取りやすい連絡手段
◻︎ 使用可能な言語(ノーコードの方もいらっしゃる)
◻︎ 苦手なことやサポートしてもらえると助かる領域があれば確認

SEO対策はwebデザイナーさんにご相談しつつ
クライアントの希望に沿う表現を模索する必要があった。
文章的にOKとSEO的にOKは全く違うことが分かった。

「クライアントはこうしたいのだが、SEO上はどうだろうか」
「このキーワードは検索順位上位に上げたいのだが、可能だろうか」
「画像にするもの、テキストで掲載するもの、どう分ければいいか」
ほんの一例だが、こんなやりとりがあった。

デザインが専門外のクライアントであれば
技術的なweb領域の答えをデザイナーから引き出すことはむずかしい。
「デザインを外注しているが、こちらが望むラフが上がってこない」という現象がもし起きていたら、上記のような翻訳作業が必要な場合がある。


商品を入れた実物パッケージ HP誘導のQRを追記


ポジティブなチーム形成

クライアントと私の間で始まったデザインが、印刷会社さん、webデザイナーさんと、さまざまな立場の方々がチームに出入りした。
私自身、あまり経験がないケースだった。

その変化にもしっかりと対応し、むしろ楽しめたのは
クライアントの強い想いや決意と覚悟、そして技術で貢献したいと思う専門職の皆さんの努力があってこそ。

チームの雰囲気は終始和やかでポジティブ。
だから良い商品が出来上がったのだと、自信を持って言える。
私もチームに常に励まされ、成長させてもらえた案件だった。


生産者さんといちご畑


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