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男子小学生とzoom。

9歳の男の子と、友達になれるかもしれない。

この男の子というのは、母の職場の人の子供で、zoom会議を自宅でしている母のパソコンに、突然にゅっと現れた。やはり、家で仕事をしていると、子供が入ってくるというのはあるあるらしい。

長い間学校もなく、学童にも、友達の家にも行けない小学生の相手をしてほしいと頼まれたのだが、一体何をすればいいのだろう。しかも、直接会うのではなく、パソコンの画面越しで。

注文は、「学校で習う勉強以外の勉強を教えてあげてほしい」とのこと。なかなか難しい注文を頼まれたものだ。

ひとまず思いついたのは、読書会。

一応、こちらも文芸学科の大学生。同じ本を読んで、ちょっと話すくらいなら出来る。クライアントに提案すると、かなりの好感触。アイデア料を貰えばよかった。

しかし、全く知らない10個も年の離れた大学生と、いきなり本の話をするなんて嫌かもしれない。自分が小学四年生だったら嫌だ。「余計なお世話だ、ババア!」って思うだろう。
クライアントとの話し合いの結果、プランを変えて、突然お勉強から始めるのではなく、気軽に雑談から始めようということになった。雑談も上手くいくかはわからないが、それはこちらの頑張り次第である。

幼稚園児と9歳同じにするのは申し訳ないが、保育体験に行った時、4歳児に激しくモテたという経験はある。帰り際、パンダ組のゆうき君は別れを惜しんで、私の手の甲にキスをした。そのくらいにはハートを掴める。

とはいえ、9歳の男の子と盛り上がる話はどんな話題だろう。パンダ組男子は、ロマンスカーの話で大盛り上がりだったけれど、小学校のとき、そんなに全員が鉄道が好きというわけでもなかった。

仮面ライダー、戦隊ヒーローも小四になると見ているかどうかギリギリの年齢だろう。女の子でこの年齢でプリキュアを見ている子は少数派だった。私は小六までプリキュアを見ていたけど、見ている事は絶対に秘密だった。このくらいの年齢が一番、「子供っぽい」を嫌がる繊細な年齢なのかもしれない。(この先、中学生高校生になると、ニチアサガチ勢はかっこいいという変なアイデンティティを持ちだしたりする)

こうしてちゃんと考えてみると、9歳は結構大人だったよなと思い出す。しっかり向き合わないと、信頼されない。
「どうせ鼻垂らして、でんじゃらすじーさん読んでるんだろ!」というスタンスではダメなのだ。

色々考えれば考えるほど、9歳の気持ちは分からなくなってきた。そもそも、10年前と今ではかなり時代も違うだろうから、直接聞いてみないと始まらない。もしかしたら、でんじゃらすじーさんも知らないかもしれない。
 

今日、再び母がリビングでzoom会議をしていた。どの程度こちらの音が画面の先に伝わっているかわからないので、何をするにも気を使う。鼻歌でさえ、家族以外に聞かれたら恥ずかしい。

父もいつもはよく大声で歌ったり、(しかもネパールポップスだったり、自作のオペラだったり)大あくびをしたりするが、zoom会議中は静かにしている。

そんな風に気を使っていたら、逆に母から呼び出された。画面には男の子がいた。

初対面は、突然だった。最初は大事だから気合を入れようと思っていたのに、パジャマに寝ぐせで会うことになってしまった。

向こうも知らない大学生に戸惑っていたが、双方の横はおばさんなので、どんどん話は進んでいく。とりあえず、「好きなものの話、今度しようね」となり、何が好きか聞いてみると、「マインクラフト」だそう。

「そこ⁉」という意外性もないけれど、絶妙にわからないところを付いて来た。家とか作れるゲームというのは知っている。女子が百パーセントやらないやつ。

ゲームはあまりしないけれど、どう森、ドラクエ、ポケモン辺りは、ラジオで聞くので、やった気になっていて、話題としてついていけると思って甘くみていた。しかし、そのあたりのゲームの話をしているのは、全員おじさんだった。

しかも、小学生の支持率の高いおじさんでもなくて、大学生~おじさんに支持されてるおじさんだ。だから、マインクラフトはやっていないのだ。

マイクラをやれば話題に困らないことはわかったのに、全く手を付ける気にならない。

何でやればいいのかもわからない。家には、二画面がバラバラになったDSライトしかゲームは持っていない。マイクラ、スマホで出来るのだろうか。

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