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池田 瓢阿先生「茶杓づくり」の会がとても楽しかった件

先週日曜日の10時30分~16時の予定で、表千家東京都青年部主催の「茶杓づくり」の会へ。

前夜、俄かに小3娘が体調を崩し、「明日、参加できないかも・・・(涙)」とはらはらしたけれど。
翌朝は、熱もなく元気に起きてきたので、無事に出発できたのだった。

講師は、茶杓の研究家でもある池田 瓢阿先生と、ご子息の池田 泰輔先生のお二人。

会場に一番乗りで到着すると、泰輔先生はすでに黙々と竹を削られていた。

「お好きな小刀と、茶杓を一本ずつ選んでください」とご案内いただく。

まず小刀をみてみると、一つ一つ、太さが違って同じものがないので、選ぶのに困っていると、
「女性は細目が削りやすいようですよ」と役員の方が、教えてくださる。
細目の小刀を、チョイス。

続いて、下削りされた状態の茶杓を、選ぶ。
削る前の茶杓、写真を撮っていなかったけれど、櫂先から節下まで、ズドーンと同じ太さで、厚みもかなりある。
模様の有無や、節の雰囲気、ゆがみ具合などが一つ一つ違うので、またも、上からみたり、横からみたりして、悩む(笑)。
節の部分がごつごつしているものは固くてけずりにくい、というお話をうかがい、最終的に、節は横にほぼまっすぐで、全体に模様があるものを、チョイス。

受講生が揃い、講座スタート。
瓢阿先生から、茶杓の各部分の名称や、茶杓を入れる筒がなぜ大事であるのか、などのお話が。
(茶杓本体には作者名や茶杓の「銘」を記入したりしないので)筒があってはじめて、茶杓の銘、作者名が分かり、代々残っていくことができる、と。
このお話を聞いて、博物館茶室担当時代のあるエピソードが脳裏に浮かび、深く納得ーーー(この件はまた別の機会にゆずります)。

一通りのお話と、作業のデモンストレーションの後、早速小刀で、削り始める。
あらかじめ、削る幅の目安の線も鉛筆で裏側にひいてくださっていたので、櫂先から中節、中節から切止(きりどめ)の方向に向かって、削っていく。

普段の生活で小刀を持つことがないので、はじめは心もとなかったけれど。
手を動かし始めてみると、「すーーーっ」と竹の削れる感覚が、気持ちよく。
そして中節のところでは、必ずその「すーーーっ」がひっかかって、止まり。節ってこんなに固いのだなあ、と手応えを感じながら、教えられたとおり、すこしずつすこしずつ、削っていく。節を過ぎて節下へいくと、また、「すーーーっ」と小刀が通っていく。
これを繰り返していると、集中して無心になってきて。
「あー楽しい✨」と削りながら、思わずつぶやく(笑)。

茶杓の幅と、裏側の厚みを削ったら、
櫂先部分(丸型か剣先型)と切止の仕上げは、泰輔先生が手を入れてくださり。

細部を仕上げて、磨いて、そろそろ完成かーーーという段階で、
蝋燭と水が、登場

ほぼ形を整えた茶杓を、先生が両手で持って蝋燭の火(←かなり近い)にかざし、水でしめらせて、力を加えてしならせる、という工程が!
往年の「手仕事にっぽん」などではみたことがあるようにも思うけれど。
生でみると、魔法のようで「火と水の力ってすごい…✨」と静かに、感動する。


火と水の力で高さを出す

「予想より、早めに完成!?」と思いきや。
ここから、筒を仕上げる、という「やや難」の工程が。

筒自体は、茶杓に合うものを先生が選んでくださり、あとは磨くだけ、だったのだけれど。
最後に、「筒に茶杓の銘と作者名を墨書きする」
という工程、現る・・・!!

瓢阿先生から、茶杓を削っている段階で、「銘を考えておいてよ~」というお話はあったけれども。
「削りながら銘を考える」
というのは無理、と早々に諦め、作業に集中していたので(笑)。
なおかつ、
講義名が「茶杓づくり」で、「箱や袋はご自身でご用意ください」と事前の案内にあり。
筒もセットで持ち帰ることができると、思っておらず。
このため、筒に銘を書く、という心の準備がまったくなく・・・(いい訳)!

「直感で浮かんだのが、一番いいんだよ」と先生。
「ぱっ」とはじめにうかんだ銘にするか、それとも別にふさわしい銘があるのか・・・?と悩んだけれども。
隣の席の方が、
「銘、どうします?あ、お聞きして大丈夫でしたら」と尋ねてくださり。

真っ先にうかんでいた銘をお伝えしてみたら、
「いいじゃないですか、模様もにぎやかだし、お茶の一番いい季節ですから、活躍しますね」
とおっしゃってくださり。おかげで、決断できました(^^)

かなり緊張しながら、筒に〆印、銘と作者名を墨書きし終え、茶杓と共筒、無事に完成✨

初めて削った茶杓

最後に瓢阿先生がおっしゃるには。
「今日は僕はだいぶ楽をさせてもらいました。墨書きできない人は書いてあげると言うと、ほとんどの人が頼むんですよ。ただ、その作業はその人の想いを想像しながら集中して書くから、だいぶ疲れるんです。」
「今日は、あえて書いてあげる、と言わないでみたら、全員がご自分で書かれた。すばらしいです」
・・・!お願いするという手もあったとは・・・!!
と会場の大多数の方が思ったのでは(笑)。
でも私が拝見した数人の方は、墨書きがまた、とても美しかったり、立派だったり。

私はというと、納得のいく文字とはいいがたい仕上がりになったけれど。
(書道は高校時代まで習っていたもののだいぶ、ブランクあり・・・)
これが今の実力。書に関しても、精進していきたい。

ーーーーー
会場を後にして、居合わせた方と駅まで10分超、お話しながら帰る。銘をうかがったら、すてきな日本語で…✨

竹、茶杓、銘への解像度が上がるすばらしい時間に、感謝。

#1日6000歩  11/30-12/6 計78,457歩 11,208歩/日✨


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