イラン人のおっちゃんが教えてくれたこと

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日本人ですか?嬉しいなあ!
日本語を話すのなんて久しぶりで、日本人に会えてすごく嬉しいですよ!
もう日本を離れて16年になりますね。11年間日本に住んで、大工として働いていました。神奈川の平塚、良いところでしたね。
日本語を学校で学んだことはないですけど、日本語出来ないと仕事できなかったから、若かったし、すぐ覚えたね。英語は全然わからないけど!
日本人と結婚して、子どもも日本にいるんですよ。僕が国に帰ってから連絡が取れなくなって、16年間一度も会えていません。彼はね、もう25歳になるよ。イギリスで難民認定が取れたら、日本に行って家族を探したい。
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しゃべり方や敬語までこんなに日本人っぽい外国人に出会うことは、めったにない。しかも、イギリスで。
イケメンの彼は、イラン人のおっちゃんだった。Facebookを見せてもらったら、彼のプロフィール写真は漢字で書かれた息子のフルネーム。カバー写真は、子どもを抱っこした彼の若かりし頃の姿だった。

彼は私と同じく、まだイギリスに来て2か月だと言った。
彼がどういう経緯でイギリスにいるか、私は知らない。
私が感じたのは、彼は「人間」だったということ。
単なる、日本のバブル景気の人手不足を支えた労働力だったわけではない。

彼も、30年前に代々木公園を埋め尽くしたイラン人の一人だったのかもしれない。* でも、「労働力」ではなく、生身の人間だ。
人間だから、恋愛もすれば、結婚もするし、子どもも生まれる。

何十万、何百万という数字で扱われる外国人労働者。そこに顔は見えない。でも、みんな人間なんだって。

彼の家族との再会を、心から祈って。

参考文献:
公園を埋め、そして消えたイラン人 あの波は日本に何をもたらしたか

※生き別れた家族との再会をサポートしてくれるTV番組か何かご存じの方はぜひ情報提供願います!Facebookやネットで日々、息子の名前を検索している話を聞いて、いたたまれなくなった。

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