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三十路になって読書感想文を考えている未来がくるなんて…

20年前の自分へ

あなたは、買ったばかりのゲームボーイカラーでポケモン金銀をプレイしていると思います。最初に選んだポケモンはヒノアラシですね。ニックネームはバクたろうと名付けているでしょう。ミーハーですね。

その名前は、ポケットモンスターSpecialの金銀編の主人公ゴールドを真似しております。

エイパム、ウソッキー、ニョロトノ、トゲピー、マンタイン、漫画と同じように、ニックネームをつけているでしょう。

1回目のセーブデータに飽きてしまい、全てのポケモンを集めることを諦めて面白さだけで、ポケモンをプレイしていたでしょう。

虫取り大会という固有のイベントがあり、そこでしかできない、バグ技を使用して、ありとあらゆるポケモンを赤いギャラドスのように光るポケモンにしていましたよね。

ポケモンに夢中になりすぎて宿題であった、読書感想文を読んだフリをして、あらすじや、目に入った印象のある言葉だけを引き出して、手書きでコピー&ペーストをしていましたね。

あまりにも早く読書感想文ができて、両親が不信に思い、読書感想文を見せていましたよね。それはそれは、文章がぶつ切りで、読んでみても、

「何を言っているかわからない!やりなおしなさい!」と両親に怒られていますね。あまりにも文章が酷くて、小学5年生でついにゲーム機を全て没収されていると思います。携帯ゲーム機が売りなのに、不携帯にされている現実を知ることになるでしょう。

そして、大粒の涙を流しながら、両親に「オカン、オトン……ゲームがしたいです……」とリビングで頭を垂れております。

「本を読まないからだ!」と両親が口を酸っぱくしてあなたに言っていると思います。母は毎日のように赤川次郎の作品を読みながら、歯を磨いておりましたね。

父は口だけが達者であり、自分がいるところで本を読んでいる姿をみたことがありませんでしたが、言葉を知らなすぎて、瞬間湯沸かし器を彷彿させるほど、ブチギレて家族を困らせていたと思います。

大人になってわかりました。

ギャクマンガのキャラクターなのだという結論に至りました。

その頃から、文章が嫌いになり、人に何かを伝えるとき「いつも何言っているかわからない」と友人に言われていると思います。日本人なのに、日本人扱いされていない状況になっていると思います。

誤解を招くことも多々ありましたね。具体的にいうと、うまい具合に説明ができなくて濡れ衣を着せられたこともありました。そのときは、熱湯を浴びせられた感覚になったと思います。

20年の時を越えると、そんなこともまるで、遠い思い出のようになっていると思います。ただ当時から、「文章をうまく書きたいな……」っていう小さな憧れは抱き続けていましたね。その小さな理想を抱き続けていますが、時間は少々かかるようです。例えるなら山崎のウイスキー並みの年月ですもん。

熟成するまで大変な思いがありましたね。

30歳の自分を想像できないかもしれませんが、文章講座に通っておりますよ。不思議なもので、京都にある小さな本屋に毎週のように足を運んで、
本を読んだり、文章を作成して土日を過ごしています。本屋に通うきっかけをつくってくれたのは両親でしたね。

日曜日の夜、当時住んでいたところから、車で20分ほどのところにある田村書店に連れてって貰いましたね。小説に興味はなくて漫画コーナーに走って向かっていた少年でした。ただ漫画を買うのではなく、立ち読みをして、その周りにあるポケモンクラフトを買ってもらっていましたね。等身大のピカチュウのペーパークラフトを不器用ながら組み立てていたと思います。綺麗なピカチュウではなかったですね。所々、谷折りと山折りを間違えて、シワがたくさんついたピカチュウが出来上がっていましたね。

どうやら、クリエイティブなことは好きだったみたいです。安心してください。20年後、クリエイティブなことをしております。まだまだ、人様に自信を持って提供できるようなコンテンツではありませんが、コツコツを積み上げております。

そうそう、読書感想文を覚えていますか。

大人になって、読書感想文を書こうとパソコンを開いておりますよ。
手書きではありませんが、真逆なことをしておりますよ。

今は苦しいかもしれません。でも、それは今の幸せにつながる試練だってことです。

何が起こるかわからないものですね。







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