恋をしていた7 / メンヘラを軽蔑する私もメンヘラ
メンヘラを軽蔑していた私
本気の恋を知らない私は、メンヘラをどこか軽蔑していたように思います。そこまで人に人生とか生活とか左右されちゃって楽しいのだろうかとか、依存しきっていて情けないなとか、本人には言わなくても思っていたところがあると思うのです。
とはいえ、私の周りには障害沙汰を起こすようなメンヘラはいませんでしたから、私が見ていたのは軽度な方だったのだと思います。知り合いには、別れ話で刺されかけた人や、精神科に付き添っている人もいます。(人によってそれぞれ違うことだから今ではなんとも思わないのですが。)
まあつまり、私の周りのまだかわいい程度のメンヘラちゃんたちは、ただ彼に依存しきっているように見えて、それは時に狂気を帯びていました。そして情緒不安定になって、突飛な行動に出たりしてしまっていました。
それを見て私は、友達なのでそこまで苦しそうな彼女らが切なく心配になる半面、なにしてんの、と思っていたことを認めます。軽蔑していたのです。いやいや、もっとポジティブに考えよう?くらいに思っていたのです。おっしゃる通り、私のほうが恋を軽く見ていたのです。
自分でもこんな自分知らなかった
軽蔑と言ったら響きは悪いですが、明らかに人を好きになる気持ちを軽視していたと気づいたのは、自分が恋に落ちてからです。
ありえないくらいに物事が手につかなくなったり、絶望的に孤独を感じたり。ちょっとのメッセージだけで気分は舞い上がり、ちょっと会えないだけでもう彼は自分なんてどうでもいいんじゃないかとまで思えて泣けてきました。
自分でも知らなかったようなどろどろの私を見つけることになったのでした。その時はすごく怖かったです。一人でいて、自分の見にくい部分や弱い部分がどんどん出てきたのですから。そしてそれは、私が軽蔑していた女子の姿そのものだったのですから。
結局強がって、彼に目に見える依存はしませんでした。でも、相当都合のいい子ではあったと思います。もっと女の子が振り回したほうがいいなんていうコラムを読んだって、結局彼の都合がいい時に会える準備をしてしまいました。
しまいにはメンヘラの友達に、「お前もメンヘラだ」と言われました。
そうでなかったとしても、重い女だと言われました。
心の中はそんなにぐしゃぐしゃだったのに、それを周りに言うこともできないプライドの高いやつでした。垂れ流すような裏垢も持っていなかったし、それはしないのが私なりのプライドの保ち方だったのです。
だからこんなに文章だけがたくさん溜まってしまいました。積もって、消えなくて、彼への純粋なとても鋭利な思いが私自身の心に一番刺さっていたように思います。
プライドと日記と文章と
文章にすることも、私には苦ではないことだった。むしろ心も身体も頭もひたひたになった私は、この混沌とした状況に自分自身で納得するしかなかった。 誰かにすがることは醜いと思っていたし、SNSなどに流れている女子の一片になることを許すような生き方ができなかった。
不思議と文章はわたしを悩みから距離を置かせるような崇高な気分にさせた。 あとで思えばただプライドが高いだけだった。傷つくのが恐かった。私は日記を拠り所にしていた。混乱した中で頼れるのが自分自身。甘え下手な私だからこそ、甘えさせてくれる彼に依存していたのかもしれない。
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