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レストランにおけるコミュニケーションとは?

私鉄沿線の各駅停車しか停まらない駅から歩いて5分少々の場所にあるレストランでランチを食べてきました。暖かくなり始めた先週のことです。

リーズナブルな価格で、フランスで働き、東京では有名な店でシェフを任さた経験もあるオーナーがつくる料理を味わえるので、このFumamotoも年に何回か私鉄とバスを乗り継いで食べに行くレストランです。

このレストランを見つけたのは今から8年近く前。その頃はシェフの知り合いの男性がサービス(接客)を務めていました。少し地味な人だったのですが、安心感のある口調で料理やワインを説明してくれていたのを憶えています。

感じの良い女性スタッフ

その男性が里帰りした後は、他のレストランでサービスやソムリエを務めていた女性たちが働きにきて1人で料理するシェフを助けています。皆とても感じが良いです。

1年ほど前からは劇団に入って役者を志す若い女性が働いています。感じの良い接客で、何よりも夢を追いながら一生懸命に働く姿を見るのは気持ち良いものです。

ハァ?

今回は久しぶりの訪問だったのですが、いつも通りドアを開けて中に入っていくと今までとは違う女性が「ハァ?」といった感じでFumamotoを見ています。こっちも頭の中は「ハァ?」といった感じだったのですが、「予約を入れた…」と伝えると、「アー」といった感じに対応してくれたのですが、決して良いとは言えない第一印象です。

仕事はテキパキ

すぐにテーブルの上に置かれていたグラスに水を注いで、メニューをもってきてくれました。いつもと同じようにFumamotoは魚と肉の両方を食べられるコースをオーダー。

一緒にグラスの白ワインとミネラル・ウォーターもオーダーしたのですが、その女性スタッフはテーブルの上のグラスを指差しながら「この水もミネラル・ウォーターなんだけど」と言ったと思ったら、その水が入ったボトルをテーブルに置いて「好きなだけ飲んで…」と言われてしまいました。勿論、ミネラル・ウォーターをオーダーせずに済んだのは良かったのですが、予想外の展開で、完全に彼女のペース。かなり戸惑います。

タメ口!

少し遅めのランチだったので、食事をしていたのは自分のテーブルの左右に座っていた60歳前後と70歳前後の女性1人づつだけです。

最初に右側に座っていた60歳前後の方が食事を終えて帰るのですが、その際にはキッチンからシェフが出てきて挨拶します。気さくながらも丁寧な言葉で話すシェフの横で、彼女は友達と話すように完全なタメ口で「またねー」といった感じの挨拶。でも年上の女性は一切気にしていないどころか、かなり嬉しそうで笑顔でした。

チャン?

左側のテーブルの女性は、食事を終えてからバッグの中から何かを取り出して携帯をイジリ始めます。携帯のケースを外して、新しいものに変えようとして苦戦していたのですが、サービスの女性が「何やってんの?」といった感じに声をかけ、年配の女性が「これ外れないの…」と応えると、若い女性が「ケースが簡単に外れたらダメじゃん…」と言いながら自分の手で素早くケースを交換してしまいます。

その後も2人は世間話のようなことを楽しそうにしていたのですが、年の差は少なく見積もっても30はありそうなのに、彼女は年上の女性を下の名前で、しかもチャン付けで!呼んでいるのには驚きました。

因みに、年上の女性は長年にわたり多くのレストランで美味しいフランス料理を食べてきたマダムといった感じで素敵なオーラがあり、上品な話し方です。真逆と言って良いほど異なる2人の話し方なのですが、しっかり会話はかみ合って楽しそうにしています。

言葉遣い伝染する…

勿論、彼女はシェフにもタメ口で話すのですが、テキパキと仕事をこなしているのでシェフは彼女を完全に信頼していることが分かります。

最初は彼女の接客スタイルに違和感が大だったFumamotoですが、結果的には気持ち良く食事できて大満足。面白い経験をさせてもらったような感じです。そして何よりもコミュニケーションとは何か?といった事を考える良い機会になりました。

とりあえず自分もチャン付けで呼んでもらえるようになりたいので、また近いうちに私鉄とバスを乗り継いでランチを食べに行こうと思っています。

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