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小沢健二の刹那

小沢健二の凄いというかすっごい特徴的だなぁと思うところは東大卒で超絶インテリなのに、フリッパーズなんかで見せた世の中を見下した態度を取るところだ(最近はないけど)。これはかなわないし、抗ったところで相手にされないパターン。出身高校はうちの近所で公立ながらも超進学校で有名なところだ。うちの息子にも通わせたいが、嫁が私立中学に行かせたいって言うから、無理っぽい。。。それ以前にバカなので受からないだろう。蛇足になるが、サッカー仲間のご子息がそこの高校出身でほぼ受験勉強なしで今年M大受かったとか。

これはセンスだな、センス

最近になって世の中に久々に顔を見せ始めたが、さすがにほうれい線が目立つ歳になってきた。時が経ったなぁと感じる。息子も2人いたっけ?王子様時代は遠い昔だ。

前回のページでTechnoの伝説的MIXCDシリーズ「MIXUP」と小沢健二の「DOGS」(改名後)が並んで陳列されていて異様だったと書いたが、90年代後半の音楽シーンの僕の中では象徴的であり、どっちも聞いてましたーって世界であり、今考えるとノスタルジックしかないのである。

小沢健二を語る上で「フリッパーズギター」を外せないかと思うが、残念ながら僕はフリッパーズの熱心な信者ではない。知っているのは、「恋とマシンガン」とか「カメラ!カメラ!カメラ!」くらいしかなくどう考えてもにわか。コアファンからしたら

「何なの!?こいつ!?」って感じ?

まぁタイムリー時代には糞田舎にいたので勘弁してほしいっす。「予備校ブギ」から知りましたみたいな。

たぶん、すごい渋谷系として当時はすっげー華やかだったんだろうなと思うけど、僕が聞き出すのは残念ながら、ソロの「天気読み」からなのだ。なんなのあのアンニュイ丸出しな感じと最初は思ったものだが、まさにスルメ式で聞きこんでも飽きが来ないのが、不思議だった。CDのジャケも異質だった!

やる気なさそー

小沢健二で僕が一番嵌ったのは、「天気読み」でも「ラブリー」でも「僕らが旅に出る理由」でもなく、「それはちょっと」「戦場のボーイズライフ」である。ちょっと意外というがあまりこのあたり攻める人いないんじゃない?「それはちょっと」なんか「筒美京平」と共作だし。

いや、雰囲気なんだよ、時代なんだよ。ちょうど僕が18歳19歳くらいの多感な時期だったからかもしれない。今40超えて20年前を思い返したときに一番刺さるのはこの2曲なんだよ。ちゃりんここいで大学から下宿先までいっつも聞いていた2曲がこれだから、思い出すのはこの2曲。音楽的な技術論はいろいろあると思うけど、それを凌駕する「シンパシー」が音楽には重要だと思う。

でも、実際、小沢健二という人は東大卒で人を見下すようなフリを見せて、ニヤついているフリッパーズ時代からみると、「シンパシー」なんて語るには若干烏滸がましい気がする。

それがギャップというもの

本人はすっごい考えている(学歴抜きでたぶん凄い考えている人だと思う)でも、まわりはすっごいミーハーな感じで持ち上げられて、「王子様」とか言われて、周囲の浅はかさと本人の考え方との乖離・違和感が大きすぎたのではないかと。音楽だっていろいろ実験的なことをしたかった?(実践したのは小山田圭吾の方だったけども)最後に買ったのは「ある光」だから、その数カ月後には表舞台からいなくなった。

まさに「刹那」だ

「ブギーバック」から表舞台から消えるまで3年だよ、短すぎ。やっぱ頭のいい奴は引き際分かってるなーって今でも思ってる。頭のいい奴っていうのは言い方間違ってるかもしれない、生き方の上手いやつって言った方がしっくりくるかも、時として敵も作るけどね(笑)

後にリリースされた「刹那」というアルバムで「それはちょっと」が収録され、サブスクにも入ってる。いい時代だよ。



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