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自社開発SEの醍醐味。ユーザーへの提供価値最大化のため、プロダクト史上最高難度の要件定義に挑んだ話

フルカイテンは企業経営の宿命ともいえる課題「在庫」を適正化するSaaSを提供しています。今日はそんなフルカイテンのシステムエンジニア(SE)職について担当の髙橋に詳しく聞いてみました。現在(2023年9月)は、「FULL KAITEN 在庫配分」の施策管理機能(在庫を移動した結果の効果測定機能)をメインに業務に当たっているそうです。
前回の記事と併せてご覧ください!


SEの仕事の流れ

SEの仕事は、開発チームの一員として、プロダクトの要件定義を行い、仕様を固めるのが役割です。
そのために必要なミーティングの招集やファシリテーション、仕様の調整なども担当します。主な流れとしては

1. プロダクトオーナー(PO)からの依頼を受け、共にプロダクトの方針を決定し、開発のための要件定義を行い、システム要件を整理します。
2. デザイナーにシステム要件を説明し、ユーザーインターフェース(UI)のデザインを依頼します。
3. カスタマーサクセス(CS)、PO、開発チームなどの関係者でシステム要件とUIのレビューを行います。
(この過程であれこれ協議し、より良い仕様とするため、課題があればそれを改善して反映する、というサイクルを繰り返します。自分の意志をプロダクトに反映できるのは自社開発の醍醐味です!)
4. 以上が固まったところでそれらをプロダクトの仕様とし、開発担当者に見積もりを依頼します。
5. 見積もりを基にPOと開発チームのリーダー陣で開発ロードマップを作り、以降は開発ロードマップに従い開発チームが開発を進めます。

このように業務内容は多岐にわたりますが、より具体的に仕事内容をイメージできるよう、最近あったお仕事でのエピソードを聞いてみました!

真剣に議論してると見せかけて、薄毛の話をしている。左からフロントエンドエンジニア赤木、SE髙橋、インサイドセールス真田、カスタマーサクセス栗原

自社開発だからこそできる挑戦

▮自社開発SEの面白さについて教えてください。

プロダクトの方針決定に携われることが面白い点だと感じています。POからの依頼を受け、言われた通り作るのでは、POの実力以上のプロダクトは作れませんし、POが間違えばプロダクトも間違えます。そうならないように、POのやりたいことを尊重しつつ、開発チームのメンバー各々が、ユーザーへの提供価値を最大化するにはどうすべきか考え、意見をぶつけ合い、より良い物を目指す必要があると考えています。その中でもSEは中心的な役割を果たすべき存在であり、自分の意志をプロダクトに反映させやすい立場です。自分で考えたことが形になるので、思い入れも強くなりますね。

過去イチの困難な壁

▮最近の具体的な事例について教えてください。

現在開発中である移動指示書作成機能での事例を紹介します。
移動指示書作成機能というのは、多店舗展開している小売業向けの機能になります。例えばアパレル企業なら、青山店で欠品しているシャツが渋谷店では余っているという場合、渋谷店から青山店に在庫を移動させるといった動きが良くあるのですが、店舗や商品数が増えるとその数やルートの意思決定作業は膨大なものとなり、人が行うには限界があります。移動指示書作成機能により、最適な在庫配置とするための移動指示書を自動で作成できるようになります。
現在はその機能をプロダクトではなく補助ツールとして提供しており、今回の開発では補助ツールで実現している機能をプロダクトに取り込むというのが主要な目的となります。
なお、なぜ最初からプロダクトで実現しなかったのか?という点ですが、有用性がある仕様を見い出せていなかったため、まずはツールで有用性を確かめたかったというのと、開発リソースの問題によります。

▮要件定義における課題は何かありましたか。

はい。補助ツールで提供している機能には、1つ大きな課題がありました。在庫の移動範囲や優先順位を指定するために、複雑な設定が必要という点です。そのためお客様が自身で設定作業を行うのが難しく、CSのサポートが必要な状況でした。そのため、プロダクトに取り込むに当たっては、設定作業を簡単にできるようにしたいという想いがありました。
既存の仕様のまま取り込むのであれば、要件定義はそれほど難しいものではない事は分かっていたのですが、顧客への提供価値を最大化するために、使いやすく洗練された仕様を目指すことにしました。

▮どれほど難易度が高かったのか、詳しく知りたいです。

まず在庫移動の複雑さについて説明します。例えば全国に店舗がある企業で、ある店である商品の在庫が欠品してるので他店から移動するといった時に、どの店舗からいくつ送るかというだけでも複雑な判断が必要になります。
・在庫が余っている店舗はどこか?
・複数あるならどの店舗から送るか?
・距離が近く配送料が抑えられる店舗が良いのか?
・多少遠くても一度に多くの在庫を送れる店舗が良いか?
・そもそも配送料と売れた時に得られる利益の兼ね合いで送るべきなのか?
・移動元の店舗で在庫を抜くことによって売場づくりに問題は生じないか?
・移動先の店舗では何点まで受け入れられるのか?
・それを踏まえて何点送れば良いのか?
など多くの要素を考慮する必要があります。さらにこれは1店舗1商品の欠品の話であり、全体を見るなら「店舗✕商品」の分だけ判断が必要になります。
このような説明だけでも、最適な在庫配置とするための在庫移動というのがいかに複雑なものかというのをご理解いただけるのではないでしょうか。

補助ツールで提供している機能では、適切な在庫移動を実現するために、次のような設定ができるようになっています。
・ある店舗を移動元とするかどうか
・ある店舗を移動先とするかどうか
・店舗同士をマッチングさせる優先順位
・優先順位でどこまで移動範囲とするか

補助ツールでは、この設定を一つのCSVファイルの数値で表現する仕様となっています。この仕様は、自由度が高いという点では優れているのですが、お客様ごとの状況に応じて適切な設定を行うのは難易度が高く、プロダクトに取り込むに当たっては設定の自由度と設定の容易さのバランスを取る必要がありました。
要件定義を進める中で、設定値のデータ構造を検討・整理し、CSVファイルでは無くシンプルなUIで、画面操作により設定を行えるような仕様を目指しました。

▮その過程でのSEの役割は?

私(SE)が主導で検討を進めつつ、関係者を巻き込みながら仕様を洗練させていきました。例えば、POやCSの有識者からフィードバックを得たり、一部の仕様を開発チームのメンバーに検討いただいたり等です。

話し合った内容は、例えば、補助ツールでは実現できていないが追加したい仕様についてどのように実現するのが良さそうか?や、設定できる項目が多ければ多いほど設定が難しく開発工数もかかるので、お客様が業務で使える機能とするために最低限必要な項目はどれになるのか?などです。細かく挙げると切りがないですが、携わった皆さんの協力もあり、より良い仕様を策定できたと思ってます。
振り返ると、考慮すべき要素の多さ・複雑さから、FULL KAITEN史上最大級に難しい要件定義だったのではと思います。

一緒に働くエンジニアやCS、プロダクトの仲間と定期開催しているオフライン会

▮そんな大きな壁にぶち当たって、SEとしてどう感じられましたか?

私自身はSEとして、難しいことを考え、手応えを感じながら形にするのが好きなんです。ゲームでも簡単すぎたらやりがいがないし、難しい方が面白いですよね?そういう感じでした。
今回の要件定義では、検討すべき要素を頭に入れるだけでも大変というほど、複雑で多くの要素があり、それら一つ一つを検討・整理し、仕様に落としていく必要がありました。難しいだけにやりがいを感じましたし、おそらく在庫移動に必要な設定項目をここまで整理したのは世界初なのではと思っており、達成感もありました。
今はまだ開発中なので、リリース後のお客様の反応も楽しみですね。

FULL KAITENで働くSEの面白さ

プロダクト愛

FULL KAITENといえば、プロダクト愛が強いメンバーが多いですよね。自分達で方針を決めたり開発の上流工程から携わっているため、プロダクトを育てている感覚があるということもありますし、プロダクトに社会的意義があることも大きいと思っています。FULL KAITENが普及することで、導入企業は知らない間に廃棄を減らし、資源を守ることに貢献しています。
子育て中の社員も多く、子供達の将来に少しでも良い環境を残したいというCEOの想いと、ミッション「世界の大量廃棄問題を解決する」に共感したメンバーを選考で集めているからだと思います。

開発後の嬉しいフィードバック

リリース後、お客様からの感想や成果を耳にする機会を多く作っています。今までに加え、最近の新たな取り組みで、リリース後の「レビューミーティング」を行っています。その中で開発案件ごとに、CSが顧客から聞いた「どの機能がどんな風に喜ばれているか」といった発言が共有されます。また、ログイン数、画面の表示数、あるボタンを押した回数などを振り返り、さらなる改善のきっかけにします。
また、CSがお客様の声を共有するSlackチャンネルがあり、そこでお客様の喜びの声を確認できます。自分達が形にした機能がリリースして終わりではなく、その後の実態が見えるのはとても嬉しいことです。

最後に

FULL KAITENというプロダクトは「これまで世の中になかったもの」であるため、SEの仕事であるプロダクトの要件定義にも「ゴール」を自分で考えて答えを探していく必要があります。それは難しさでもありますが、楽しみでも、やりがいでも、誇りでもあります。こんなSE職に興味がある方、ミッションに共感して頂ける方と一緒に働きたいです!
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