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【インタビュー】フルカイテン、取締役CTOに柳本 晋が就任。「心配性」という個性は最強の武器。強い組織を作る術とは?

フルカイテン戦略広報の斉藤です。この度、2022年3月25日付けで柳本 晋やなぎもと しんが開発部門の責任者として取締役CTOに就任したことをお知らせします。
就任に際し、しんさん(柳本)に立場が変わったことで心境の変化、強い組織を作る術、心配性という個性、求める人物像、今後の計画などについてインタビューしました。

しんさん(柳本)ってどんな人?

しんさんは2021年9月にCTOとして入社しました。

【職歴】シナジーマーケティングにて、システム開発に従事。在職中、マーケティングオートメーションを強みとした新サービスの開発やインフラ設計などを行いつつ、データマーケティングを強化するため、研究開発部門を立ち上げ、当該研究開発活動で得られた知見によりデータ分析のクラウドサービスをローンチさせる。その後、日本最大の証券取引所Webサイトのプロジェクト責任者を務める。
2018年より、LESTASにてシステム・プロダクト開発全般を担当し、売上拡大及び利益率向上に貢献。2021年、フルカイテンに参画。

システム開発を中心としたプロジェクト責任者やインフラ設計業務を幅広く経験し、開発部門の統括にも従事してきました。当社に入社してからは開発部門の責任者として、FULL KAITENを品質・費用・納期を考慮して「どう作るか」という観点で、開発組織を抜け目なくフォローしてきました。

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しんさん(当社大阪オフィスにて)

社員の皆さんに、しんさんはどんな人かを聞きました。

メンバーを抜け目なくフォローしている。全体最適な考え方を持っている。面倒見がよい。クールに見えてとても心が温かい。恥ずかしがり屋。頼もしい。安定感がある。

まさに「心は熱く、頭は冷静に」ですね。仕事を進める際はメンバーに伴走しつつ、時には見守る姿は、働くうえで大きな安心感に繋がっています。

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左:取締役COOハリーさん(宇津木) ボードメンバーで行ったキャンプにて

次章からは、インタビューの本題に入っていきます!

立場が変わったことで心境の変化はあるか

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左:斉藤 右:しんさん

【斉藤】改めまして、取締役CTO就任おめでとうございます。今回、立場が変わったことでの心境の変化はありますか?

【しんさん】恐らくご期待に添えない返答で申し訳ないですが、今まで通りの自然体です。立場は他者から与えられているものなので、それによって左右されることは無いですし、自分の信条も変わりません。昔からそういう傾向がありました。立場が変わるとそれ自体がストレスになってしまうことがあると思いますが、私自身は、仕事の時と普段の自分はそこまで大きなギャップは無いです。今までの人生でマネジメント歴が長く経験があるので、それも自然体でいれる理由の一つです。

組織の強み・弱みを見つけ、開発組織を育てる術

【斉藤】CTO就任後、すぐにチームをまとめ上げた手腕は目覚しいものがありました。具体的に何に取り組み、組織をまとめることができたのですか?

【しんさん】私がやっていたことは開発の問題となるものを取り除き、さらに、開発チームが何をやっているのかを開発チーム以外に正しく伝えることです。もし上手くいっているように見えるなら、それは横田さん(開発リーダー)を始めとした開発チームの努力の賜物でしょう。

以前、「エンジニアチームがコードを書く時間を十分に確保できていない」という問題がありました。そこで私は、2つのことを実践し開発チームが開発に専念できる環境づくりを始めました。

1.会議の時間を圧縮
今までの会議を見直し、本当に必要な会議に絞って開催するようにしました。

2.出社頻度の見直し
以前は2週間に1回、オフィスへの出社がありましたが、月1回の頻度に変更しました。その分、社内の各チームと積極的にコミュニケーションを取るようにしています。例えば、日頃開発チームと密にやりとりをしている、カスタマーサクセス(CS)チームとのオンラインランチ会を企画したこともありました。

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バックエンドエンジニアのぐっさん(山口)がSlackで送った、リモート雑談ランチのお誘い

【斉藤】余談ですが、CEO瀬川はぐっさんの投稿に対して、「エモいなーー!!こういうの、嬉しいわ!ほんま一つのチームになりたいのよ!」と感激していました。

組織の強み弱みを見つける方法

価値観を明確化することはすごく大事だと思っています。本人に伝える伝えないは別として私の中で軸として持っています。

例えば採用面接の際、価値観を明確化しているとどうなるか考えてみます。私が求める人物像の価値観は2つあります。

1.人物像
チームで開発するので、コミュニケーション力や協調性があるかを重視します。非常に高度な技術を持っていたとしても、独りよがりに進める方は価値観に合わないことになります。

2.本質的に技術が好きかどうか
誰かに言われてではなく、先天的に技術が好きで興味がある人と働きたいです。何故好きなのかは言語化できないものだと思います。あとは、日本の慣習的な話でいうと、上下関係は無理が出てきていると思います。社員の皆さんは大人なので、育てるという感覚は疑問を感じますし、育てる人・育てられる人という考え方だと上下関係が発生しているように思います。加えて、育てられると思っている側は受け身になってしまうので、自律的な姿勢が大切ではないでしょうか。

育てるというより、その人がやりたいことを実現できる環境をつくることが大事だと思います。厳しく聞こえるかもしれませんが、環境を整えても、その環境で活躍するかはその人次第という側面もあると思います。

個人の強み弱みを見つけるには、本人がやりたいことや目的を明確にして、それを実現する環境を共創することが、組織の強み弱みの把握に繋がると思います。

チームビルディングで気をつけていること、取り組み

独りよがりにならないように、グレーゾーンを大切にしています。極力、開発チーム内で解決できるように気をつけています。
グレーゾーンとは、いろんな考え方があるので良い悪いの二言論で考えるのではなく、懐の深さが必要ということです。

例えば、「良い=チームワークで物事を進める」と定義しましょう。でも「良い」を定義すると、同時に「悪い」が生まれます。なので、意識的に良い悪いを作りすぎないようにしています。

【斉藤】極力チーム内で問題の解決を目指すのはなぜですか?

【しんさん】経験や立場上の権限もあるので、私が解決することは可能です。でも解決できるメンバーを育てるのが私の仕事なので、チーム内で解決できることを目指しています。ここに関して、「よし!育てよう。」と思って意識的にやっているわけではないんです。自律的な人が、当社にとって価値を持っている人だと思っています。

仕事をする上で何を大切にしているのか

大切にしていることを考えるしんさん

マイナスからゼロ方向の問題があれば、まずそれに対処します。次に理想を思い描き、それを定義して、さらに現実がそうなるように様々な計画を立てて実行します。
今までの具体例でいうと、会議の時間を減らす(マイナス→0)ことや、取締役CPOのすぐるさん(加藤)と開発計画を作成しました。

開発メンバーの日々の進捗確認は、開発計画に沿って進めています。
例えば、以下のような会話があったとします。

しんさん「この仕事はあとどれくらいで完成しますか?」
開発メンバー「あと3日以内には完成します。」
しんさん「分かりました。ちなみに2日では厳しいですか?」
開発メンバー「2日は厳しいです。」

この場合、開発メンバーが言った「3日」という見積もりは、甘い場合が多いです。
なので、実現可能な目標と、実現するにはどうしたらよいかを一緒に考えています。

心配性という個性が奏功

【斉藤】しんさんにはどんな個性があって、それがどのように作用していると思いますか?

【しんさん】「心配性」ですかね。先ほどお話ししたスケジュールの見積もりも、心配性から来ています。僕以外の人になったことがないので分かりませんが、恐らく多くの方は不確実性と確実性を一緒に扱う時があるのではないでしょうか。

例えばの話をします。

お店を経営しているとします。今年の売上は1000万なので、来年は1500万の売上を目指すとします。けど、+ 500万の売上を生み出せるかは不確実性にあたります。

+ 500万を生み出すために、新しい商品を仕入れる(250万)、新しいプロモーション(250万)を計画しても、これらは過去にやったことがないので、見積もりができません(不確実性)。

結果1300万の売上だとして、不確実と確実を同じように見てしまうと、「売上目標に達することができなかった。」と全てが問題に見えてしまいます。そうではなく、出来た部分、出来なかった部分を因数分解すれば、出来た部分が分かって達成度も分かります。

何か1個上手くいっていない時は、確実にできるはずだったものが上手くいっていないのか、あやふやでできるかどうか不明だがやってみて上手くいかなかったのか、ここを分ける必要があると考えています。ここも心配性が起因しているのかもしれません。

あと心配性で良かったことは…。待ち合わせの時間には遅れないことですかね(笑)

【斉藤】ありがとうございます。しんさんの心配性は、開発上のリスクを未然に防ぎ、大きな安心感を生んでいると思います。

何事も定義を大切にする考え方

【斉藤】しんさんは、なぜ定義を大切にするんですか?

【しんさん】言語への信頼性がないんです。これも心配性からきていますね。

例えば私が「美しい」と言っても、どれくらい美しいのか分からないですよね。「〇さんは素直だよね。」と言っても、みんなそれぞれの価値観で「素直」をイメージして話をしています。

すぐるさんと私が、実際に生み出した定義の例としては、開発チームの「2021開発計画」が挙げられます。「CHANGE THE RULE」と題して、開発チームの目指す方向を章に分け簡潔に明文化しました。その中で、プロダクト戦略やCPO及びCTOの役割を定義しています。これにより、組織が迷わず動くことに役立っています。

会社のビジョンをリンクさせながら開発組織をあるべき姿に導く術

前提として、ミッションは「作りたい世界」、ビジョンは「そのために行う事業」と定義します。ミッション(世界の大量廃棄問題の解決)を実現するために、ビジョン(スーパーサプライチェーン構想の実現)があり、その中の要素の一つである「在庫分析SaaS FULL KAITEN」の実行こそが現在の当社の事業です。

そして、ビジョンと組織を結びつける上で、重要になるのは「プロダクト戦略」です。ビジョンを実現するために、FULL KAITENをコアにして、開発チーム全体で周辺のサービスを拡充していくイメージです。このようにプロダクト戦略を進めることで、ビジョンの実現につながります。

どんな人材と一緒に働きたいか

挑戦したいことがある人ですね。面接で「入社するとどのような経験を得られますか?」と質問を頂くことが多いですが、はっきり言うと「その人次第」です。受け身だと得られるものは少ないかもしれません。

面接者が挑戦したいことを聞いた上で、どんな経験を得られるかをディスカッションしています。

メンタル、チームビルディングを活性化する取り組みや引き出し

長いマネージメント経験の中で、タックマンモデルを一つの知識として参考にしています。

チームになりたてはよそよそしく、そのあと議論が活発になりぶつかることもあります。
たとえチームが価値観の違いでコミュニケーションに問題が発生しても、現状を把握した上で「こういう時期だから、むしろ喜ばしい衝突だ。」と前向きに捉え、どう解決するか考えることができます。

あと、目標の捉え方は大事だと思っています。
多くの人は楽観的に出来もしない目標を立ててしまう傾向にあります。なので私の役割は、開発チームが目標を達成できる仕掛けを作ることです。2週間に1度、開発チームのメンバー全員と1on1を実施し、仕事の目標や雑談もして現在地と未来を話しています。

ちなみに、私の趣味はジョギングですが、始めたころは習慣化するために「月水金はシューズを履く。」と決めていました。シューズを履いて走りに行く日もあれば、雨が降ると休む日もあります。ですが、シューズを履いている時点で目標達成です(笑)ハードルは低くても習慣化していくことが大事です。

今後の計画や目標

2022年重点的に行うこと

2021年、フルカイテンの新バージョンがリリースされ、その後、着実に機能の強化などを進めてきました。今年はさらにお客様にとって利便性のあるシステムへと成長させるため、予測精度や処理速度の向上などに力を入れていきます。また、来年を見越した開発も進めていきます。具体的にはマルチデバイス化のようなものですね。

長期的に行うこと

自律的に動作するシステム、ということが中長期的なテーマです。お客様はシステムを使うことが目的ではなく、システムを通じて得られる成果が欲しいはずです。ですから、システムが能動的にお客様に課題やその解決策を提案するような状態を目指します。

例えば、一日に一回、FULL KAITENから販促すべき商品のリストがメールで届くということも、自律的に動作していると言えます。
最終的には、FULL KAITENが社会基盤化することを目指したいです。

趣味について教えてください

ジョギングです。それなりの年齢で、それなりに何もしない日々を過ごしていると、健康診断でそれなりの結果になってしまうので、健康維持を考えて、ウォーキングからはじめて、ランニングに取り組みました。
私にとっては、ほぼ未経験の領域でしたので、発見の連続で大変有益でした。

例えば初対面の方との話題作りにもなりますし、様々なことを走りながら考えていると、良いアイデアがひらめいたりすることもあります。
当初は無理をして足を怪我したり、色々ありましたが、今ではとても気持ちよく家の周りをぐるぐる走っています。

編集後記

戦略広報の斉藤です。私は2021年11月末にフルカイテンに入社しました。入社後、社内の方と1on1を実施するのですが、しんさんともお話しする機会を頂きました。当時の私は、毎日不安で、今思えば悩まなくてもよいことに頭を抱えていました。そんなモヤモヤした時期に、しんさんが話してくださった言葉は未だに鮮明に覚えています。

それは、「気持ちで仕事しない。気持ちは脆弱なもの。」「不安がすごくあるから準備する。」「自分自身を受け入れるしかない。」です。

これを聞いてからは霧が晴れた感覚で悩みも減り、多少悩んでも「自分の仕事は未来の子どもたちにより良い地球を残すため。」とフルカイテンを志望した原点に立ち返ることができるようになりました。

しんさんは、相手のことを冷静に見て、その時一番必要なフォローをしてらっしゃるのだと感じました。働くうえで安心感がある環境は、開発チームにとっても大きな財産です。

今後もフルカイテンは、ミッション実現のために、ビジョン(事業)の拡大と実行を進めていきます。

ここまで読んでくださってありがとうございました。 









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