選べる御書印は駅の書店にある【#わたしの旅行記】
「たくさんありますけど、どれにします?」
書店のレジで店員さんに聞かれて、私は思わずポカンとしてしまいました。
先日、佐賀に遊びに行った時の話。
九州の玄関、博多から1時間圏内で行ける佐賀は、美味しいイカや、温泉、焼き物で有名な場所があるスポットです。
めったに来ない場所に来たなら、書店で御書印をもらわなきゃ!と、その日も御書印帖を持参して行きました。
御書印の話は、noteで何度かご紹介してきました。
あちこち書店を訪ねる内に、御書印をもらう過程にだんだん慣れてきましたよ。
で、何軒かの書店さんにお伺いして、いっぱい本やそれぞれのお店を堪能させていただいたんですけど。
一番最後に伺った佐賀之書店さんが凄かったー!
佐賀之書店さんはJR佐賀駅の構内にある小さな書店さんで、見かけはどこにでもある駅の本屋さんってカンジ。
でも棚にあるポップとか陳列の仕方で、思わず手に取ってみたくなる。
すごくワクワクさせてくれる店構えです。
書店を応援したくてあちこちお店を巡る内に、正直、元気がないなぁと感じる店舗があったんです。
新刊書店なのに、背表紙がとっくに色褪せた商品を販売しているお店。
本よりも食材販売の方が目立つお店。
もちろんどの店舗も、丁寧に御書印を押印して下さったけれど、このままじゃ衰退するのは時間の問題だなぁと、ちょっぴり悲しくなるお店もあったんです。
書籍じゃ利益が上がらない昨今、どこも厳しい経営状態なのでしょう。
そんな中、佐賀之書店さんはキラキラ輝いていました。
お店は2023年12月にできたばかり。
人通りの多い、駅構内に出店してるという事情もあるのでしょうか。
で、その書店のレジで御書印をお願いした時に言われたのが、冒頭の言葉。
御書印って、御書印帖に直接押印してもらうか、あらかじめ押印している紙(同一の印)を販売してくださるのが、普通なんです。
それなのに、御書印が複数あるってどゆこと!?
首をかしげる私の前に、小さなフォトブックが現れました。
ページをめくると、和紙に押された御書印の上に、筆文字で書かれた一筆とサイン。達筆です。
1枚1枚、書かれている文字が違っています。
思わず、
「うわー、うわー」
と声を上げる私に、
「最近、さらに増えたんですよー」
って店員さん、もう1冊フォトブックを出して下さいました。
いや、凄すぎる。目移りしますって。
たくさんめくって慎重に考えて、1枚の御書印を選択しました。
でも、選んだ後も、あっちにしておけばよかった、いや、こっちの方が…などと思ったり。
これまで御書印をいただいてきて、生じたことのない迷いという感情が芽生えました。
日付を書いてもらって、御書印帖に貼り付けていただいている間に、書店内を散策。
あれもこれもと気になって、思わず手に取りたくなる品揃えです。
その日は他にも書籍を購入していたので、御書印だけいただくつもりが、思わず1冊購入しちゃいました。
御書印と欲しい書籍を手に入れて、ホクホクの私。
でも他とは違う、あの書店はいったいなんだったんだろうと調べてみました。
直木賞作家、今村翔吾先生がオーナーの書店だったのですね。
新聞で作家さんがオーナーの書店オープンの記事を読んではいたのですが、まさかあの店舗とは…。
確かに、書店に今村先生のコーナーが大きく取ってありましたね。歴史小説はあんまり読まないんだよなーと思って、買わなかったのですが。
今にして思えば、↑の本とか面白そう。
あー、私のバカバカ。
お店で買っておけばよかった。
ちなみに、レジで応対して下さったのが、カリスマ書店員さんだったのですね。
見かけは「おっ」と思うポップなお姿ですけど、丁寧な接客が印象的でした。
書店がなくなっていくって、最近しょんぼりすることが多いけど、こんな勢いのある店舗に伺うとなんだか元気が出てきました。
また行きたいと思える書店さんです。
御書印集めをしている方には絶対行ってほしい書店です。
佐賀に行くチャンスがある方も、ぜひチェックしていただきたいです。
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