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米国大学院OTプログラムの選び方

今日は、私がどのようにOTプログラムを選択したのかを紹介させていただきます。

OT修士課程プログラムの違い

自己紹介でもお伝えしていますが、私は母校である山形県立保健医療大学の作業療法学科にて、国際交流事業の一環としての、姉妹校であるコロラド州立大学へ、短期交換留学をしたことが、人生の分岐点でした。そこでの経験が、「アメリカで語学勉強するだけではなく、作業療法の勉強をしたい」と心に決めた私を生んだわけです。

調べてみると、アメリカでは、作業療法学科=大学院レベルが基本、ということがわかり、「いずれ、大学院に行くなら、アメリカの大学院に行きたい」と思い始めるようになりました。

調べを進めると、アメリカでは、通常の4年制大学を卒業後、大学院から作業療法の勉強を始める、という事実を知りました。つまり、学部で勉強したことが繰り返しになってしまうのか・・・という気持ちとともに、日本との教育制度の違いを目の当たりにしたわけです。

日本では、OT学部=免許取得課程、OT修士課程=研究課程という印象かと思います。アメリカは、OT修士課程=免許取得+研究課程という感じでしょうか。

しかし、諦めきれず、さらに調べを深めると、私のように、他国でOT学部を卒業し、海外でOT資格を保持するOTたちへ向けた、アメリカ修士課程プログラムがあることを知るようになりました!

それが、「ポストプロフェッショナルプログラム」です。

ポストプロフェッショナルプログラムについて

ポストプロフェッショナルというのは、名前の通り、「プロフェッショナルの後」に戻ってきたい人向けのプログラムです。

アメリカ作業療法協会(AOTA:American Occupational Therapy Association)のウェブサイトには、ポストプロフェッショナルプログラムの一覧の掲載があります。

Post-professional Programs in OT
Doctoral Level Programs
Masters Degree Programs

AOTA:American Occupational Therapy Association

私は、この一覧から、

 ・どんなプログラムなのか
 ・どこの地域にあるのかあ
 ・金銭的にはどれくらいなのか
 ・志願条件は何か(特に英語スコアとGREスコア、推薦状の数)

を書き出しながら、OTであれば、有名なベストスクールランキングも参考にして、当時、ランキング1位だった(現在も同率1位)、OTでは超名門・有名な南カリフォルニア大学への志願だけを目標にしようと考えていました。この段階では、完全にバリューネームに惹かれておりますが、最終的には、違うプログラムになっていますので、読み進めるのを楽しみにしてくださいね。

バックアッププランは作らない主義という、今となっては恐ろしい、若気の至りで取り組んではいたものの、心の中で、「このプログラムもよさそうだな、ここには絶対に志願しない」と、〇/△/✕を、それぞれのプログラムにメモして、進めていました。

私は、この頃にはIELTSで英語のスコアを取っていこうと決めていたので、IELTSスコアを受け取らないプログラムについては、自動的に志願しない、ホームページが整理されていない場合には、プログラムに期待できないと判断し排除するなど、自分の志願したい学校を、少しずつ絞っていきました。

当時、TOEFLのスピーキングテストはPCに向かって話しかける形式で、IELTSは対面でのスピーキングテストということで、当時はどうしても、「PCに向かって話しかける人間味のないことはできないな」と、IELTSにしたという経緯はありました(笑)IELTSにするか、TOEFLにするかは、様々な情報がインターネット上にあるかと思いますので、ご自身で探求してみてください!

志願プログラム数

私は、奇跡的に、フルブライトプログラムよりスポンサーをいただいておりましたので、「これで大学院に合格しなければ、この貴重な機会がなくなってしまう!絶対に合格しなくては・・・」という恐怖心や、フルブライトの担当の方から、「競争率にもよるが、通常6~8校に志願することが多い」とアドバイスをいただいた過程を得て、専願を辞めました!

各プログラムの志願の段階で、<他プログラムにも志願していますか>という問いに答えなければならないことがほとんどでしたが、併願がマイナスに働くことは、まずないと思っています。

また、競争率についてのリサーチをできていなかったので、各プログラムの学校の担当者へ、直接連絡(主にメール)をして、自分が志願しようとしているプログラムの競争率を確認しております。メールの返事がない時には、電話で直接確認しまていました(スカイプでクレジットを登録して国際電話をかける方法や、LINEでも同様の方法で、国際電話をかける方法で対応していました)。

そもそも、ポストプロフェッショナル課程自体が、比較的に競争率の高いプログラムではないことを、ここで学んでいますが、ご自身の希望しているプログラムに関しては、しっかりとご自身で確認を取っていただくと良いかと思います!

自分の目指しているプログラムの競争率が高くない、米国でも有名なフルブライトプログラムのスポンサーがある、ということを盾に、私は最終的に3つに絞り込みました。この志願数に関しては、ご自身がどれほど、バックアップをかけたいのかにもよりますし、志願するのにもお金がかかりますので、金銭的に余裕があるのかどうかにも、影響してくるかと思います。

最終的に志願を決定した3校です↓↓↓
・ランク1位:南カリフォルニア大学
・ランク3位:ピッツバーグ大学
・ランク8位:ニューヨーク大学

競争率の高いプログラムに挑戦する場合には、今までの苦労を水の泡にしたくない気持ちを込めて、多めに志願するのも良いでしょうし、奨学金を獲得した場合、大学院に受からないと、次年度に持ち越せない場合が多いため、予防線を張っても良いのかもしれません!自己責任で、頑張ってください!

最終的な決定打は?

大変ありがたいことに、志願したすべての学校から、合格通知をいただきました!本当に、本当に、本当に、嬉しかったのを、昨日のことのように、覚えています。ここで、どの学校に行くかという、なんとも贅沢な悩みにぶつかりました。

当初、同率ランク1位の南カリフォルニア大学院に進学したいと決めたものの、同率ランク3位のピッツバーグ大学院に進学を決めた理由はというと・・・

『プログラム内容・学費・生活費』

この3つがポイントでした。ピッツバーグのポストプロフェッショナル課程についての記事で、プログラムの詳細を述べたいと思いますが、「Clinical Preceptorship」という、実際に臨床経験を積んで、アメリカの医療保険制度に触れられるという、当時、ピッツバーグ大学にしかない授業内容に、非常に惹かれており、面接にて、「リサーチの経験を積むこともできる」とお話しいただいたのも、プラスでした。

「カリフォルニア・ニューヨーク」という、かっこいい響きの土地で、勉強ばかりしている自分が嫌になり、投げ出してしまうんではないかという、完全に想像の世界だけの判断ではなく、ピッツバーグ大学は、他のプログラムに比べ、授業料が安かったこと、Living Cost=つまり、生活費が安いということに気が付きました。

カリフォルニアとニューヨークは、生活費が高くつくことが、周知の事実であり、そのエリアに留学の場合、奨学金の配布金も、それに伴って上がることも、稀ではありません。私は、裕福な家庭で育ったわけでもなかったですし、今では投資と考えられますが、当時は、多額の借金を作ってまで、生計を立てていく自分を、想像できなくなってしまったわけです。

上記のような理由から、ピッツバーグ大学を選んだということですが、本当に素晴らしいプログラムで、ピッツバーグ大学を選んで、本当に良かったと心から思っています。一流の教師軍、優秀なクラスメートに囲まれ、とても貴重な経験を積ませていただきました。

修士課程か?博士課程か?

上記に、AOTAによる、ポストプロフェッショナルプログラムの一覧のウェブサイトをリンクを見て、Doctoral Level = 博士課程、Masters Degree=修士課程と2種類あることに、混乱されている方もいらっしゃるかと思います。最後に、学校を決めていく上で、必要な情報をお伝えしたいと思います。

米国では、OTは修士レベルの職業となっていますが、PTは博士レベルの職業となっていますです。博士=Ph.Dということではなく、アメリカには「臨床博士」というDoctoral Degreeが存在します。

一時期、「OTも、PTのように、将来的に博士レベルの職業となるのでは」という憶測があったようですが、現時点では、AOTAより公式に「そのような事実はない」とアナウンスされています。しかし、プログラム一覧をご覧いただき、感じたかと思いますが、MasterレベルのOTプログラムは減少傾向で、ドクターレベルのOTプログラムが増えているのは、事実かと思います。

つまり、現時点で、アメリカでOTになるためのプログラムは、現在2種類あるということです。
・Master's program in OT (通称:MOT)
・Doctorate program in OT(通称:OTD)

このプログラムの違いは、学校によりますが、Doctorate programになると、プラス1年α、研究やプロジェクトであったり、学習や経験内容、プログラム内容に、差が出てくるということになります。

ピッツバーグ大学では、私が在籍していた年が、MasterレベルのOT課程がなくなる年でしたが、5名の生徒がいて、「3年もかけたくないし、お金もかかるし、早くOTになりたい」という理由で、MOTを選んでいる印象で、逆に40名近くいたOTDプログラムの生徒は、「あと1年でDoctorate degreeが取れるなら」という理由や「将来的に、OTも博士レベルとなるかもしれないから」などの理由で、決めた方が多い印象でした。

日本では、学士→修士(研究)→博士(Ph.D)の流れの印象ですが、アメリカでは、学士→臨床博士(OTD)とMaster Degreeを持っていない場合も、稀ではありません。

MOTを取った方が、OTとして働いた後に、将来的に、臨床博士を取りたいと思った場合、OTDではなく、Post-Professional Doctorate Degreeになるわけですね。

あなたが、日本でOTに関連する学士を取得していて、アメリカの米国国家試験を受けたいと思っている場合、進むべき、Post-professional programは、Master'sレベルでも、Doctorateレベルでもよいと、NBCOT(米国国家試験機関)が定めております(リンク先:Internationally Educated StudentのEducation Requirementsをご確認くださいね)。

私は金銭的な事情も考慮し、「1年で修士課程が修了できるなら」と、Master's programを選んでいます。修士と博士の大きな違いは、やはり、学位、期間、プログラム内容でしょうか。

さて、どんな選び方かを、なんとなく理解されましたでしょうか。
「It's important to get a big picture(概要を掴むことは重要ですよ)」

夢に向かって、がんばってください!応援しています!
ALL THE BEST!!!

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