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『ラジ男』ショートショート40

「ラジオネーム”プリン体100%”さんからメールが届いています。『松井さんこんにちは』、こんにちは!『いつも楽しくラジオを聴いています。というより、外出できない状況が続いているため、ラジオを聴くくらいしか楽しみがありません』・・・・・・たしかに大変ですよね。『松井さんは、最近どんなことをして楽しんでいますか?』と、質問が来ていますね。そうですね、私は・・・・・・」

回答を聴かずに、別の局に切り替えた。

「今日は、”ニワトリのひよこ”さんから頂いた質問で『遠距離でお付き合いしている方と、こんなご時世で会いにくい時、何をしたら良いか』について、リスナーの皆さんからメッセージを募集しています。採用された方には番組特製ステッカー・・・・・・」

再び局を替える。

「When the night has come~♪」

ラジオからスタンド・バイ・ミーが流れてきた。局を切り替えずに、聞き入る。

しばらくして、サビがやってきた。

「So darling,darling~♪」

「スターン、バーイ、ミー!」

人にはとても聞かせられない歌声で、ラジオに合わせて熱唱した。


ラジオは、最新のニュースやヒットチャートに始まり、年齢、性別、境遇、生い立ちなどが様々な人の経験や悩みを聞くことが出来る。

いつも聴いていると、似たような悩みや経験、「さっきも聴いた」と思える曲が流れてくることもある。

方や、突然、昔懐かしい曲が流れ、耳を傾け、熱唱することだってある。


『Video Killed the Radio Star』と、テレビの出現により仕事を奪われた歌手の話からラジオの黄金期を賛美する曲もあるけれど、ラジオは令和になった今でも現役だ。

むしろ、パーソナリティとリスナーという固く厚い関係が築かれるラジオは、令和になった今だからこそ、こんな時代だからこそ求められるものかもしれない。


昔と今、人と人を繋ぐラジオに耳を傾ける、そんな僕は、ラジ男。

ー完ー

■あとがき

ラジ男、それは彼であり、私です。ラジ男がラジオの良さを代弁してくれました。

最新のヒットチャートを知るツールでもあり、昔懐かしい曲を熱唱させられるツールでもあります。

そして、たしかにパーソナリティとリスナーの関係性は固く厚いですね。

”ハガキ職人”と呼ばれる、昔はラジオ局あてにハガキを送っていたリスナーは、今はメールや掲示板から”ハガキ”を送っていますが、ハガキ職人とのやり取りからも深い絆を感じるのがラジオです。

パーソナリティの声とリスナーの文章で絆が出来ているというのも、なかなか面白い関係性だと思います。

ラジ男とラジ女?ラジ娘?(ラジコ≠radiko)が、『ラジ男』をきっかけに増えたらいいですね。


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