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011:情熱があれば問題はクリアできる

今でも根強い人気を誇るバリ島ですが、当時は人気が高まって来ていた時期で、雑誌やメディアで取り上げられることも増えていました。きっとたくさんの人が「これからはバリが人気になるだろう」と感じていたと思います。

最初私は、「いつかバリに、小さくても良いからホテルをオープンしたい。そのために日本でビジネスをがんばろう」と考えていました。つまり、日本でビジネスを拡大して資金を貯め、将来的に目標金額が貯まった時にホテルを作ろうと思ったのです。

しかし、ホテル運営について検討した結果、何らかの形で資金を集めて建設してもメリットがあることがわかり、それによって私の中での目標時期は「いつか」から、「今すぐ」へと一気に近づきました。

ホテルを作る目的は自分自身の収入を増やすことではありません。あくまでもバリに住む人達のサポートをすることです。なので、建設のための資金が回収できた後は、ホテルからの収益を学校などの建設、奨学金などの支援、雇用の拡大など、いろいろな用途に使うことができます。自分の力で資金をなんとかしようとした場合、「いつか」夢は叶うかもしれませんが、誰かのために作るという視点で考えると、少しでも早く実現できた方が良いに決まっています。

そこで「建設資金をどどうにかして集めることはできないだろうか?」と考えることにしました。

いろいろとアイデアを考えているとき、ある大手企業の創業者の言葉を思い出しました。

「顧客を100人増やしたかったら、まず1人顧客を作る。そしてそれを100回繰り返す」

想定した建設資金は5,000万円。私の周りには、5,000万円を「ポン!」と出してくれるような人はひとりもいません。でも、もしも私のビジョンを語ることで情熱が伝わり、それに賛同してくれたとしたら、100万円なら出資してくれる人がいるかもしれない。ひとりひとりの出資額は少なくてもよいから、人数でカバーしようと思ったのです。

そこで「100万円の出資者を50人!」を目標に設定し、遠い未来ではなく「今すぐ」プロジェクトをスタートしよう!と決断したのです。

心の底にある想いを伝えると、人は共感して動く。

一番最初に相談したのは、ずっとお世話になっている美容室のオーナーでした。彼女はいつも前向きで、新しいことや面白いことが大好きな人なので、「一口しか出せないけど、ぜひ協力するわ」と、即座に賛同してくれました。一人目の出資者です。彼女は私のビジョンを理解し、知り合いにも声をかけてくれることになりました。

出資を募る時に意図したのは、「できるだけ私の夢・思いに賛同してくれる人に出資して欲しい」という思いを伝えることです。

私はいつも「お金というものはエネルギー」だと考えています。お金は、その人が持つ時間や労力などのエネルギーを費やして得るものだからです。

同じ金額でもそのお金が持つエネルギーも大切だと思っているので、単に出資するだけではなく、そこに「ぜひ成功して欲しい」「夢が叶うように」という思いも乗せて欲しい。たくさんの人が応援してくれて、その人達全員の思いがひとつになったら、きっと全てが上手くいくに違いないと思ったからです。

日頃から夢について語り合っている友人や、ビジネスを一緒にやっている知人など、私の事を知っている人達の中でビジョンに賛同してくれそうな人に声をかけたところ、本当にたくさんの人達が協力してくれることになりました。資金提供はもちろん、同時に「ホテルを建てることでバリの人達をサポートする」という思いにも賛同してくれたのです。

こうして、スタートから僅か数ヶ月で目標としていた金額が集まりました。まさに「人の想いが伝わるとモノゴトは大きく動く」ということを実感できた瞬間でした。

読んでいただいてありがとうございます。何かを感じてもらえたら嬉しいです。これまでの経験について本にしようと考えています。よろしければポチッと・・・。