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【ワークショップ開催レポート】FUKUYAMA ParkLife LAB in春日池公園 ❻

福山市の新しい公園のあり方を考えるFUKUYAMA ParkLife LAB。春日池公園は本プロジェクトのモデルとして取り組む公園です。
今回は、2024年3月17日(日)に開催した今年度最後のプログラムとなる第6回ワークショップの様子をご紹介します。


FUKUYAMA ParkLife LAB in春日池公園のプログラム

春日池公園を対象とした2023年度のプログラムは、現地開催となる「野外編」3回と、そこで得られた発見・アイデアを整理しビジョンにまとめていく「屋内編」3回の計6回の構成になっています。
最終回となる第6回は、これまでみんなで考えてきた活動アイデアを、メンバーが主体となり、春日池公園で実践・トライアルする活動を行いました!

◆コーディネーターのご紹介

佐藤 留美さん(NPO法人 NPO birth 事務局長)
東京農工大学農学部森林利用システム学科卒業。
都市の“みどり”(グリーンインフラ)の力を引き出し、まちづくりに生かす様々なプロジェクトを生み出している。著書に「パークマネジメントがひらくまちづくりの未来」(共著、マルモ出版、2020)ほか

根本 修平さん(福山市立大学 都市経営学部 都市経営学科 准教授)
九州芸術工科大学大学院芸術工学研究科生活環境専攻博士課程単位取得満期退学。
OPEN STREET FUKUYAMA(福山駅前等歩道空間活用社会実験)をはじめとして、まちの活性化プロジェクトに多数参画。家廻公園では、ベンチ制作やトイレ装飾の設計と制作ワークショップを大学の研究室で運営する。

◆コメンテーターのご紹介

岡田 臣司さん(インクロッチェ(株)取締役)
広島県福山市出身。
アメリカのイエローストーン国立公園にてパークレンジャー助手を約3年経過した後、帰国。
現在は福山市熊野町にて民泊施設せとうち母家を運営する。また、周辺の豊かな里山里地資源の有効利活用を目的とし、地元教育機関及び行政と連携した自然教育活動も同時に実施している。

これまでのワークショップの詳しい内容は、こちらのレポートをご覧ください!

活動目的・活動内容

これまでのワークショップで、みなさんと一緒に「豊かな暮らしにつながる、春日池公園の新しいあり方・使い方」を考えてきました。
その実現に向けた活動アイデアを、準備から当日の運営まで参加者みんなでトライアル(実証実験)として実施することで、今後の活動への気づきやフィードバックを得ることを目的に実施しました。
トライアルした活動は次の4つです。

  • 公園ガイドツアー&落ち葉拾い

  • 公園カフェタイム&焚き火体験

  • 車いす体験会

  • 音楽交流会&イルミネーション

それぞれの活動の様子を見ていきます。

① 公園ガイドツアー&落ち葉拾い

「五感で自然を感じられる公園」として、公園のネィチャーガイド(公園内の植物や動物などの紹介)を通じて、公園の自然を知り、また体感する機会となるように企画しました。今回は、公園内の樹木観察だけでなく、自生している野草を摘み、実際に食べてみることで、リアルな体験を得ることができました。

また、「みんなで育てる公園」の実現に向け、ガイドツアー散策に合わせて公園内に落ちている落ち葉や枯枝などを拾っていきました。普段、”歩くだけ”の公園内の園路も、周囲を気遣いながら歩くことで、さまざまな発見を得ることができました。

② 公園カフェタイム&焚き火体験

「心と体が癒される公園」を目指し、公園を訪れた人がゆったりと時間を過ごす場所づくりを行いました。芝生広場にイスやテーブルを設置し、飲み物を提供できるカフェ空間をつくるとともに、かまどベンチを使って公園内で火を使い、焼き芋や焼マシュマロを楽しむなど、人が集い・憩うことのできる場を準備しました。
当日はあいにくの雨で、”ゆったり過ごす時間”を体験することは難しい結果となりましたが、火の見守りなどの公園での新しい体験を通じて、楽しい時間を過ごせることを確認することができました。

③ 車いす体験会

「遊びを通じて成長できる公園」としていくため、障がいのあるなしに関わらず、誰でも安心して遊べる公園づくりに向けて、車いすに乗った人がどういった景色を見ているのか、またどういったところに不便を感じているのかを実際に体感できる体験会を行いました。
事前にルートやチェックポイントを決め、アンケートも準備していたため、多くの方に体験いただき、たくさんの意見をいただくことができました。

④ 音楽交流会&イルミネーション

「誰でもチャレンジできる公園」として、自身の特技や趣味を活かし、様々な世代の人が集まり、楽しみ、交流できる機会となるよう、音楽交流会とイルミネーションを企画しました。
歌い手から音響まで、自分たちで準備したイベントには、たまたま公園を訪れていた人も足を止め鑑賞してもらうことができ、みんなが一体感を感じながら楽しめる時間となりました。

活動のふりかえり

ワークショップの最後には、参加者みんなで集まり、今日の活動やこれまでのプログラムに参加しての感想を、共有しました。

それぞれの活動で得られた気づきは以下の通りです。

① 公園ガイドツアー&落ち葉拾い
実際に公園で摘みとり、塩ゆでした野草を食べると意外な味がしたり、懐かしい味がしたりと、普段味わえない体験をすることができました。
特にツクシ採りは、大人も童心に帰り、時間を忘れるくらい夢中になれました。春日池公園の豊かな自然環境と、自然の持つ力を改めて感じることができたので、この経験をもとに色々なことを企画していきたいと思います。

また、落ち葉拾いに合わせてゴミ拾いも行う予定でしたが、ゴミはほとんど落ちていませんでした。こういった活動を、机上だけでなく、実際に現地で実践することで、新しい発見を得られることが分かったので、今後の活動に活かしていきたいと思います。

② 公園カフェタイム&焚き火体験
雨天のため、芝生広場をカフェ空間として活用することはできませんでしたが、子ども達と一緒に火起こしや焚き火の番、なたで薪をつくる体験などを通して、みんなで楽しい時間を過ごすことができました。
春日池公園は、子どもから大人まで、誰でも集まることができるのだなと公園の持つ力にあらためて気づかされました。公園が持つポテンシャルを活かせば、人が楽しめる場を生み出せることを再認識できたと思います。

③ 車いす体験会
事前にコースを決めてルート図を準備し、芝生の上や多目的トイレといった車いすが使いにくい場所についても実際に体験してもらうことができました。アンケートも準備していたので、たくさんの気づきや意見をいただくことができ、とても貴重な時間となりました。
健常者の方も、車いすを使っている方も、一緒になって活動しているこの状況がとても素晴らしく、誰でも楽しめる公園づくりに一歩近づいているのではないかと感じました。

④ 音楽交流会&イルミネーション
演者や音響スタッフと鑑賞いただいている方が一緒になって楽しめる場づくりを意識して実施しました。実際に活動してみると、うまくいった点や改善していかないといけない点を多く得ることができました。
自身の趣味をこういった場面で初めて実践することができて、とても貴重な体験をすることができました。また、このような自然豊かな公園で今日のような活動ができるというのは、他の場所ではなかなか得られない経験です。こういったことに気づけたのも良かったと思います。

(佐藤さんのコメント)
これまで皆さんと一緒に、色々な話をして、考え、準備してきましたが、今日実際に春日池公園で活動してみると、さらに新しい発見があったと思います。皆さんのふりかえりのお話の中にもありましたが、公園の力やポテンシャルに加え、皆さん自身のポテンシャルも発揮された素晴らしい1日になったと思います。
今日のように、色々なトライアルをしながら活動を受け入れてくれる場所が公園です。活動を続けていくことでノウハウが積み重なっていき、また公園を使ってやってみたい!と思うことが、どんどん増えていくと思います。
次回は、ぜひ、お天気が良い日にも実施したいですね。引き続き、よろしくお願いします。

(根本さんのコメント)
楽しかったですね。来年度以降も、今日のような活動を続けていった先に私たちが知らない新しい公園の姿があるのではないかと期待しています。
今日の「楽しかった」という経験が、みなさんの今後の活動の礎になると思います。
また、「楽しかった」だけでなく「準備や片付けで何が大変だったか」等も含めて、今日の経験から何を学びとして得るかが、今後の活動につながっていくと思います。楽しみながら、学びを得られるような活動にしていきましょう。
私は暖かい日に春日池でカヤックができないかと考えています。来年度以降も、是非みなさんと一緒に活動できることを楽しみにしています。


◆当日の資料はこちらからご覧いただけます!

■ 当日の資料はこちらからダウンロードいただけます。
福山市公園緑地課ホームページ

■ 当日の様子を中国新聞で紹介いただきました。
(記事へのリンク)

今年度のプログラムは今回で最後となりますが、”豊かな暮らしが得られる、春日池公園の新しい姿”を目指して今後もプログラムに参加いただいた皆さんと一緒に、春日池公園の活用は続いていきます!
是非、ご期待ください!

引き続き、こちらのnoteから情報発信していければと考えております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

文責:事務局(中電技術コンサルタント(株))田中


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