【ワークショップ開催レポート】FUKUYAMA ParkLife LAB in春日池公園 ❷
福山市の新しい公園のあり方を考えるFUKUYAMA ParkLife LAB。市東部に位置する春日池公園が本プロジェクトの最初の公園となります。
今回は、2023年11月12日(日)に開催した第2回ワークショップの様子をご紹介します。
FUKUYAMA ParkLife LAB in春日池公園のプログラム
春日池公園を対象とした2023年度のプログラムは、以下のような計6回の構成になっています。春日池公園で行う「野外編」3回と、そこで得られた発見・アイデアを整理し、ビジョンにまとめていく「屋内編」3回を予定しています。第2回となる今回は、『活用アイデアを考える!』というテーマで実施しました。
◆コーディネーターのご紹介
第1回ワークショップの詳しい内容は、こちらのレポートをご覧ください!
活動紹介『自然教育について』
春日池公園の大きな特徴として、様々な植物が植えられ、多くの生き物が生息する豊かな自然環境が挙げられます。そこで、福山市内で自然教育活動を通じた自然環境保護や地域コミュニティ醸成に取り組まれている岡田臣司さんをお招きし、活動にかける想いを語っていただきました。
岡田さんの里山活動については、こちらの福山市公式YouTubeで詳しく紹介されています。
アメリカのパークレンジャーの仕事
岡田さんのご経歴にもある「パークレンジャー」は、アメリカの国立公園内で自然環境を保護するために活動する職員で、次のような仕事を行っています。
なお、日本では環境省の職員としてレンジャーが在籍しているほか、民間団体(NPO birthや日本野鳥の会など)にもレンジャーが在籍しており、日本全国の公園で活躍されています。
「自然教育」の重要なポイントを説明していただきました。
上に挙げられたファシリテート(そそのかし)は「一人じゃなくみんなでやろう」という意味で、岡田さんは「自然教育」によって、感動を分かち合える人を増やしたいという想いで活動されているそうです。
岡田さんが実際に行われている活動を何点かご紹介いただきました。
① 親子ワーケーション
② 有害鳥獣捕獲事業
③ 耕作放棄地の解消と六条大麦の栽培
岡田さんの活動される地域は少子高齢化が進み、農家の担い手も少なくなっています。この活動のように、地域の方と一緒に取り組むことで連帯感が高まります。岡田さんは地域の中で協力し合える関係性を築くことで農業の維持を図っていきたいと考えているそうです。
④ 養蜂&採蜜
自然から採れたものを実際に「食べる」という体験は、その場所に対する愛着がとても高まり、自然に対して理解を深めることにつながると、お話いただきました。
春日池公園は豊かな自然環境に恵まれており、そのことが大きなポテンシャルとなっています。この春日池公園の持つ自然環境の力を引き出すためには以下のことが大切であると教えていただきました。
ガイドや体験によって、自然環境への理解を深めることができること
自然への意識が芽生えることで、普段の暮らしが豊かになるという気づきを与えること
そして、誰か1人ではなく、みんなで一緒に取り組んでいくこと
春日池公園の活用アイデアを考えよう!
今回のワークショップのテーマは、『春日池公園の活用アイデアを考えよう!』です。はじめに前回のワークショップで、皆さんが発見した「良いところ」「残念なところ」をもとに、活用アイデアを考える上での5つのテーマを設定しました。
次に、テーマごとにグループに分かれ【公園の持つ10の力】も念頭に置き、実際に公園内を散策しながら活用アイデアを考えていきました。
① みどり豊かな公園にしよう!
【活用アイデア】
探索会などで自然のことを知っている人を増やす
養蜂は是非体験してみたい
完全循環型のビオトープをつくる
みんなが気軽に緑の管理に参加できる仕組みづくり
ワークショップ(野鳥観察、木の実を集めた工作など)
② 誰でもチャレンジできる公園にしよう!
【活用アイデア】
インクルーシブ遊具を導入し、障がいを持つ子どもも遊べる環境づくり
春日池をカヌーやカヤックで活用する
ウォーキングの距離や木の名前など表示を改善する
ファッションショーやスナップ撮影イベントを開催する
バスケットコートなどのスポーツエリアをつくる
③ 楽しく学べる公園にしよう!
【活用アイデア】
バードウォッチングできる場所をつくる(双眼鏡やルーペも準備)
ライトアップして夜も歩きやすくする
春日池の眺望をもっと楽しめるよう、ところどころ木々を剪定する
樹木の名前が分かるように表示を統一して整備する
看板を「マムシ危険」という表示ではなく、生態説明や気をつける点など野生動物との共存を理解できる内容にする
ススキでホウキづくりなどのワークショップ
バラ公園でイルミネーション(バラのない季節)
④ 心身ともに健康になれる公園にしよう!
【活用アイデア】
健康器具や手すりを設置して、高齢者が運動しやすい環境をつくる
春日池を眺めながら休める場所をつくる
ラジオ体操イベント
ウォーキングのリピーターを増やすため、歩きながら春日池を眺められるように木を剪定する、消費カロリーの表示をつくるなどを工夫する
春日池アプリをつくって歩数計やカロリー計算の機能や、ウォーキングや作業への参加でポイントが溜まるシステムがあっても面白い
⑤ 居心地の良い公園にしよう!
【活用アイデア】
ウォーキングルートを季節で楽しめる工夫
雨が降っている日でも、長居できるような屋根
管理棟を活用する
トイレを使いやすくする
ベンチと一緒にテーブルも置くようにする
ツリーハウスや木登りなど自然を使った遊び
花火や焼き芋など火を使った活動
春日池にジップラインを通す
今回のワークショップも、実際に公園内を散策しながらアイデアを出し合う中で、春日池公園のポテンシャルを活かした実現したくなるアイデアがたくさん出てきました。また2回目ということもあり、参加者同士が打ち解け、お互いの意見にしっかり耳を傾ける様子が印象的でした。
次回からは、これまで出してきた意見やアイデアを整理していくフェーズとなります。
最後に、コーディネーターである皆さんからまとめのコメントをいただきました。
◆当日の様子や資料はこちらからご覧いただけます!
次回のワークショップ
次回からは屋内編となり、12月3日(日)に、『現状・課題やポテンシャルを整理する!』をテーマに開催します。これからのFUKUYAMA ParkLife LABも是非ご注目ください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
文責:事務局(中電技術コンサルタント(株))田中
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