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【ワークショップ開催レポート】FUKUYAMA ParkLife LAB in春日池公園 ❸

福山市の新しい公園のあり方を考えるFUKUYAMA ParkLife LAB。春日池公園は本プロジェクトのモデルとして取り組む公園です。
今回は、2023年12月3日(日)に開催した第3回ワークショップの様子をご紹介します。

FUKUYAMA ParkLife LABとは?
気持ちのいいワクワクする公園のある暮らしは、人生を豊かにしてくれるはず。福山市の公園を、行政や地域住民・民間事業者が連携し、暮らしを豊かにする公園とはどんな公園かを考え、みんなのアイデアとアクションを試行するプロジェクトです。


FUKUYAMA ParkLife LAB in春日池公園のプログラム

春日池公園を対象とした2023年度のプログラムは、以下のような計6回の構成になっています。春日池公園で行う「野外編」3回と、そこで得られた発見・アイデアを整理し、ビジョンにまとめていく「屋内編」3回を予定しています。第3回となる今回からは、屋内編がスタートです。『現状・課題やポテンシャルを整理する!』というテーマで実施しました。

◆コーディネーターのご紹介

佐藤 留美さん(NPO法人 NPO birth 事務局長)
東京農工大学農学部森林利用システム学科卒業。
都市の“みどり”(グリーンインフラ)の力を引き出し、まちづくりに生かす様々なプロジェクトを生み出している。著書に「パークマネジメントがひらくまちづくりの未来」(共著、マルモ出版、2020)ほか

根本 修平さん(福山市立大学 都市経営学部 都市経営学科 准教授)
九州芸術工科大学大学院芸術工学研究科生活環境専攻博士課程単位取得満期退学。
OPEN STREET FUKUYAMA(福山駅前等歩道空間活用社会実験)をはじめとして、まちの活性化プロジェクトに多数参画。家廻公園では、ベンチ制作やトイレ装飾の設計と制作ワークショップを大学の研究室で運営する。

◆コメンテーターのご紹介

岡田 臣司さん(インクロッチェ(株)取締役)
広島県福山市出身。
アメリカのイエローストーン国立公園にてパークレンジャー助手を約3年経過した後、帰国。
現在は福山市熊野町にて民泊施設せとうち母家を運営する。また、周辺の豊かな里山里地資源の有効利活用を目的とし、地元教育機関及び行政と連携した自然教育活動も同時に実施している。

これまでのワークショップの詳しい内容は、こちらのレポートをご覧ください!

ビジョンづくりについて

このプログラムではこれからの春日池公園のあり方や使い方について、みんなで考え、仮説を立て、実践してみる中で、公園づくりの道しるべとなるビジョンを作っていくこととしています。
ここで大切となるのは、第1回のワークショップで佐藤さんに教えていただいた『公園が良くなれば、まちが良くなる』という視点です。身近に”良い公園”がある豊かな暮らしをイメージしながらビジョンをつくっていきましょう。

【ビジョンづくりの考え方】

  • 公園の活用を通じて豊かな暮らしを実現していく「まちづくりの視点」が重要です。

  • 自身の興味や関心、得意分野を生かして一人ひとりが主体的に取り組めるものとします。

  • 今後、試行錯誤を繰り返す中で適宜ブラッシュアップしていきます。

このビジョンで示す未来像の実現に向けては、地域の住民や事業者、行政がそれぞれの役割を踏まえ協働して取り組んでいく「官民連携」の取り組みがポイントと言えます。
そこで、どのような官民連携の取り組みが実際に行われているのかを学ぶため、今回は福山市内海町にある家廻公園において活動している、やまわり公園草刈クラブの中尾 圭さんをお招きし、公園での活動や、活動を通じて地域にどのような変化が起きたのかをご紹介いただきました。

官民連携の事例紹介「みんなでつくる、みんなの庭」(やまわり公園草刈クラブ)

やまわり公園草刈クラブについて

家廻公園は明治5年に創立された横島小学校が、昭和49年に内海小学校と合併したことで廃校となった敷地につくられました。公園は3段の構成となっており、各段で趣が異なっています。

クラブが発足し活動する前までは、公園内は草が伸び放題であったり、老朽化した遊具が撤去されずに使用禁止のまま放置されていたりしたため、利用者がおらず、どんどん荒廃が進んでいく状態でした。
そのような管理が行き届いていなかった公園を少しでも良い状態にしていこうと、地域住民が主体となり、2019年頃から住民同士の話し合いや行政を交えた協議が重ねられてきました。

そして、2019年4月に地元有志のメンバーがグループをつくり、自分たちの手で公園を管理することを決意。やまわり公園草刈クラブが発足し、定期的な草刈や清掃活動が行われるようになりました。

参加できる人が参加すればよい

活動は毎月第3日曜日の8時から10時の時間帯に行っています。
現在、メンバーは全員で44名になりますが、その時参加できる人が参加すればよいルールとしており、毎回20~30名程度が参加しています。

みんなで持ち寄り、みんなでつくる

やまわり公園草刈クラブの活動資金は、市から支払われる維持管理の委託費のみで、年間2万円くらいで、決して潤沢な資金があるわけではありません。そのため、「みんなで持ち寄り、みんなでつくる」工夫をしています。

家廻公園のある内海町では、元々町の花が水仙だったこともあり、地域の方がたくさん水仙を育てています。その球根を分けていただき、花壇にみんなで植えています。また、広場の芝生も自分たちで張りました。

内海町は江戸時代に多くの人が九州での捕鯨に従事したまちでした。そこで、実寸大のクジラの芝山や捕鯨用の網をイメージした花壇、クジラのイルミネーションなど町の歴史を感じられる公園づくりをしています。

自分たちでつくる際にも、専門的な知見が必要となります。
メンバーの中に、造園業や土建業、左官業を営む方がいらっしゃるので、施工方法を教えていただきながら、みんなで作業をしています。

楽しみながら活動する

皆さん、休憩時間のおしゃべりや年数回の懇親会を楽しみに参加しています。この交流がつながって、町外の方や移住者の方も参加するようになりました。楽しみながら活動することも、継続していく上でとても大切なことだと考えています。

大学との協働

2022年度は福山市市民活動スタートアップ事業に応募・採択され「やまわり公園アップデートプロジェクト」に取り組むこととなりました。2020年10月より、学生の卒業設計の舞台にしていただいたことをきっかけに、福山市立大学根本研究室と協働しています。プロジェクトではベンチ制作やトイレ外壁の装飾をワークショップ形式で実施しました。学生にとっては、地域課題解決の現場に直接関わる貴重な経験となっているようです。こちらに詳しい取り組みが紹介されています。

徒歩5分のエリアの小さな変化

公園を手入れする活動がきっかけとなり、公園を中心に徒歩5分の範囲に小さな変化が起こっています。

公園のそばに鳶ガ巣山の登山道の入口があります。この登山道、樹木が道をふさいでいたり、看板が壊れていたりといった状態でしたが、公園での活動がきっかけで、この登山道も住民の手でキレイにするようになりました。

また、地域内の空き家の草刈りや掃除のお手伝いもクラブのメンバーが担い、地域の他団体と連携し、移住者の受け入れにつながっています。

メンバー同士の交流が発展し、パン作りが得意な人の家に集まり、パン教室が行われるようになりました。


このように、地域住民が主体的に公園の管理を行うようになったことで、景観を少しずつ良くしていく活動が行われたり、住民同士の交流が生まれたりするなど、地域の抱える様々な問題が少しずつ解決される兆しが見られるようになったようです。

活動を継続していくために大切なことをいくつかご紹介いただきました。

  • 活動をしたい人が無理なく参加できること

  • モノや特技を持ち寄り、提供し合いながら活動すること

  • 楽しみながら活動すること

まさに、”公園が良くなれば、まちも良くなる”を体現している事例ではないでしょうか。一人ひとりが無理なく参加し、楽しむことを大切にすることで公園・まちが変わっていく事例を紹介いただきました。

(根本さんからコメント)
大学として協働させていただいたのは、とても楽しそうな取り組みをしているなと思ったのがきっかけです。”自分たちの手でまちをつくれる”ことを示唆する良い事例で、お金が十分にない中で、できることは何かをみんなで考え、実践を重ねながら活動を広げています。引き続き、私も関わっていきたいと思っています。

(佐藤さんからコメント)
公園には歴史があり、それが個性となります。家廻公園では、この個性を生かし、地域に新しい文化をつくるところまで至っています。
「楽しい」が一番大切とご紹介いただきましたが、少人数から始まった活動の輪が広がり、この「楽しい」が新たな交流を生み出しており、過去から現在、未来へと時間の流れを感じられる事例と言えます。

家廻公園での活動内容は、福山市公式Youtubeでも紹介されていますので、是非こちらもご覧ください!

課題(ゴール)の設定

ここまで見てきたように、公園活用のビジョンを考える上では、公園の特性、地域の特性の双方を把握する必要があります。公園の特性については、第1回・第2回ワークショップでしっかりつかめたので、今回はまず地域の特性の整理を行いました。

春日池公園周辺エリアの現状・問題点

春日池公園周辺エリアの現状・問題点については、様々なものが挙げられますが、ここではその一部をご紹介します。

1.高齢化の進行

2010年から2020年の10年間で、周辺エリアに暮らす住民の65歳以上の年齢層が10%増加していることが分かります。この影響から、地域活動の担い手が減っているといった声も聞かれています。

2.地域で管理される小さな公園

春日池公園の周辺には、小さな公園が数多く設置されています。これらの公園は、地域の自治会等の方々により管理されているものですが、地域住民の高齢化や自治会加入率の低下などにより、今後、地域における管理の担い手が不足することが懸念されています。

3.公共交通の弱体化

地域内の公共交通機関として、路線バスが通っていますが、2~3時間に1本程度の便数となっており、これ以上便数が減ると、車を持たない住民にとっては生活に支障が出る恐れが生じてしまいます。

この他にも様々な問題が地域にはありますが、春日池公園の活用を通じて1つでも2つでも解決の糸口を探っていくことができるのではないでしょうか。

春日池公園活用の課題とゴール

では、春日池公園をどのように活用することが望ましいのでしょうか。
前回までの話し合いを踏まえ、次のような仮説と課題(ゴール)を整理してみました。

(仮説)
公園が持つ魅力をもっと高めれば、地域課題の解決に繋がるのではないか。

(課題=ゴール)
❶ 多世代が魅力を感じる公園にしよう!
❷ みんなが使いやすい公園にしよう!
❸ 公園の魅力を知ってもらおう!
❹ みどりやスペースを手入れしよう!

(期待される波及効果)
→ 多世代交流の促進
→ 暮らしの豊かさの向上
→ 関係人口の増加、定住促進
→ 自然環境や生物多様性の保全

❶ 多世代が魅力を感じる公園にしよう!

現在は、散歩・ウォーキングで利用する高齢層の方が、公園利用者の大半を占めています。

一方で、公園内に色々な使い方ができそうなスペースはありますが、十分に活かせてはいません。

従来の利用者の方を大切にするのはもちろんのこと、もっと多様な世代が集まり、様々な使い方がなされる公園になれば、多様な世代の交流にも、つながるかもしれません。
そこで、世代関係なくみんなが楽しむことのできる公園をつくるゴールを設定しました。

❷ みんなが使いやすい公園にしよう!

公園の利用には禁止事項が多く、自由な発想で活動できないという声が聞かれます。

また、公園内には段差があったり、園路にちょっとした隙間があったりと、杖や車いすでの通行が難しい場所があるなど、少し不便を感じる部分もあります。

公園はみんなで使う場所なので、ルールを守って利用することは大切ですが、なぜ禁止されているのかを学び新しい公園の使い方を考えたり、自分では気づかない不便を教えてもらったりすることで、もっとみんなが使いやすい公園になっていきます。
そこで、お互いのことを理解しながら、誰でも気軽に利用しやすい公園づくりを2つ目のゴールとしました。

❸ 公園の魅力を知ってもらおう!

春日池公園には色々な魅力がありますが、実際に来てみて初めて知ったという声もいただいており、公園の魅力が十分に伝わっているとは言えません。

また、公園に来るキッカケとなるイベントも、春日池公園では年に1~2回程度となっています。

地域内外問わず、春日池公園の魅力がしっかり伝われば、より多くの方に発見され、公園の魅力がさらに高まっていくはずです。また、それをキッカケに公園の近くに暮らしたいと思う人もいるかもしれません。
そこで、公園の魅力を多くの人に知ってもらうことを3つ目のゴールとしました。

❹ みどりやスペースを手入れしよう!

公園内は、草がぼうぼうの場所があったり、看板やベンチが老朽化してしまったりと、少し手入れが行き届いていない場所があります。

豊かな自然環境の中で、自然のことを学びながら、みんなの手で公園を良い状態に保ってみる。そうした実体験を通じて、自然との距離も縮まり、身の回りにも自然があふれ、みどり豊かなまちになっていくかもしれません。
そこで、多様な参加者で協働しながら、みどりやスペースを手入れしていくことを4つ目のゴールとしました。

アクションを考えるにあたって

春日池公園のポテンシャルは何といっても、多様な生き物や植物が存在する豊かな自然環境です。第1回・第2回のワークショップで、公園の持つ自然の力を十分に発見し、体感してきました。
また、春日池は約400年前に灌漑用の溜池として整備されたのが始まりであり、この当時より地域に暮らす人々の生活に潤いを与えてきました。池を中心に公園として整備された現在でも、自然を感じることのできる・余暇を過ごすことのできる場所として、生活の中に潤いをもたらしています。
4つゴールいずれの実現に向けても、これらは共通した重要な観点として捉え、具体的なアクションを考えていきます。

ゴール実現に向けたアクションを考える!

今回のワークショップでは、前回考えた活用アイデアも参考にしながら、ゴール実現に向けた具体的なアクションを考えていきました。グループごとにゴールのテーマを割り振り、前半・後半でそれぞれ異なるテーマについてディスカッションを進めていきました。
なお、後半のディスカッションは前半のグループで話した内容を引き継ぎ、多様な視点からブラッシュアップを図れるようにしました。

❶ 多世代が魅力を感じる公園にしよう!(前半⑤→後半⑥)

  • それぞれのエリアの特性を生かし、多様な人が魅力を感じる場所づくりをしていく。例えば、子どもも入ることのできるビオトープがあり、生き物と触れられる場をつくるなど、世代ごとに設定していく。

  • そのためには、植物や動物のことが分かる先生も必要である。

  • イベント実施にあたっては、実際にイベントを主催している人から話を聴き参考にすることも大切になる。また、どうすれば公園内でイベントを実施することができるのかを分かりやすく発信する。

(根本さんからコメント)
多世代に対して魅力を伝えるには、チャンネルを多くつくることが大切だと思います。その関係性を、どうすれば広げていくことができるのか具体的に議論されているので、ここでの議論を今後につなげていきたいです。

❷ みんなが使いやすい公園にしよう!A(前半②→後半③)

  • 公園内の草取りや落ち葉拾いなどを、学校のイベントとして取り組めると子どもたちが参加するきっかけにもなる。

  • また、看板や草木の写真・説明をみんなでつくることも、分かりやすく利用できる公園づくりにつながる。

  • その際に費用がかかってしまうこともあるので、例えば駐車場を有料にするなど、公園を利用する人から少し協力してもらうことも、1つの手法になるかもしれない。

(根本さんからコメント)
行政にすべて任せてしまうのではなく、資金確保についても自分たちでより良い方法を考えていく視点は大事にしていきたいです。

❷ みんなが使いやすい公園にしよう!B(前半⑥→後半⑦)

  • 公園内に段差があり、車イスの人が一緒に遊びに来た人と行きたい場所に行けない煩わしさがある。一方で、すべての段差にスロープを付けるとなると費用や整備に時間がかかってしまうなどの問題がある。

  • そこで、シェアスロープ※を活用してはどうか。商店街の店舗などでも使われていることがあるので、市内の企業に協賛してもらい、みんなで助け合いながら利用できる公園にしていきたい。
    ※シェアスロープ:折り畳み式で誰でも持ち運びができ、1段~2段の段差解消に利用できるスロープ

  • また、公園内のベンチにはテーブルがないので、移動できるテーブルをみんなで制作すれば、車イスの方も利用できる備品となる。

  • このような取り組みを進めていくにあたっては、一度車イス体験イベントをして、体感してもらえると良いかもしれない。

(根本さんからコメント)
利用する人の目線を揃え、誰もが利用できるという視点は重要です。体験によって、車イスの方が普段どういう気持ちで利用されているのかを体験できるきっかけになると思います。

❸ 公園の魅力を知ってもらおう!A(前半③→後半④)

  • 福山市外の人にも、どうすれば春日池公園のことを知ってもらえるかを考えた。

  • 自然を活用した、子どもが喜んでもらえるイベントを開催してみるとよいのではないか。なお、イベント実施に当たっては福山市内の企業に協賛を募り費用を集めることも考えてみたい。

  • またSNSを活用してイベントの開催案内や実施報告を発信できるとよい。

(岡田さんからコメント)
自然を活用したイベントとして、ツリーイング(木登り)体験をして鳥の目線から公園を眺めるのも良い体験になると思います。また、バードウォッチングなどのツアーをするのも楽しいと思います。

❸ 公園の魅力を知ってもらおう!B(前半⑦→後半⑧)

  • イベントの開催が人を集めるきっかけになる。

  • イベント自体の発信も必要だが、イベントを開催したい人に向けて公園でもイベントを開催できることをPRすることも考えたい。

  • また、世代ごとに発信方法を変えるということもしていく必要がある。

  • その他、情報を手に取れる媒体として公園のパンフレットをつくってみたい。

(佐藤さんからコメント)
公園内を散策する際に、魅力に気づき、楽しいと感じられたと思います。そういった気づきを積み重ねてくと、パンフレットの内容がより深まっていきます。まずは、簡単なものからスタートして、少し長い視点をもってつくっていくと良いのではないでしょうか。

 ❹ みどりやスペースを手入れしよう!A(前半④→後半②)

  • どういう場所にするのか、どういう手入れをしていくのか計画を立てる際には、子どもや学生を巻き込み一緒に考えてもらってはどうか。

  • 地域の方に愛着を持ってもらう取り組みが必要。小さい頃から参加できるイベントを実施できればいいのではないか。

  • それを実施していくためにはコミュニティも必要になると思うので、このFUKUYAMA ParkLife LABに参加しているメンバーで活動したい。

  • 一方、専門的な技術が必要なお手入れについては、業者との役割分担が必要となる。

  • 日常の清掃などの活動には、ポイントなどのゲーム的な要素も取り入れて、子どもたちも楽しみながら取り組める方法を考えたい。

  • また、利用者のみんなで公園内に映えスポットを作っていきたい。

(佐藤さんからコメント)
公園全体がみどり豊かな環境なので、公園内をよく観察し、いまある植栽をどう活かしていくと、より生きものにも人にも居心地よい場になっていくか。季節ごとの様子も確認しながら考えていきたいですね。

❹ みどりやスペースを手入れしよう!B(前半⑧→後半⑤)

  • 公園内の清掃は子どもたちが遊びながらできる仕組みをつくりたい。ボランティア活動を、どのように継続できるかを考えた。家廻公園の事例を参考にしたい。

  • 例えば、落ち葉や枯れ枝の回収BOXをつくり、集めた分がポイントになるなど、楽しみながら取り組める方法を考えていきたい。

  • また、公園を利用する人に声をかけ、巻き込んでいくような取り組みもしていく必要がある。

(中尾さんからコメント)
活動にはお金が必要になりますが、お金以外の報酬もたくさんあります。例えば、落葉から腐葉土を作ったり、そこでカブトムシを育てたり、ゴミが資源になることもある。発想を変えていくと色々工夫できることがあるかもしれません。

(佐藤さんからコメント)
NPO birthが関わる公園では、身体を動かすのが大好きなスポーツチームの子どもたちと一緒に「カブトムシが飛ぶ公園づくり」として落ち葉はきをして堆肥をつくっています。できた腐葉土は公園や近隣の小学校の花壇で活用してます。お手入れの作業は、エコアップ※の視点を取り入れながら、まずは小さな活動を実践してみることが大切かと思います。

※エコアップ:多種多様な生物が生息する環境を人為的・能動的に整備・創出する試み

今回のワークショップでは、具体的にどのように取り組んでいけば良い公園になっていくか、そしてどうすれば継続して取り組んでいけるか。
多様な視点から、深い議論ができたと思います。次回のワークショップでは、このアクションを整理し、どういう方法で実施していくのかを考えていきます。

最後に、まとめのコメントをいただきました。

(佐藤さんからコメント)
このプロジェクトは多様な人が集まり、それぞれの立場や得意なことを活かしながらお話しできているため、改めて素晴らしい場になっているなと感じました。
公園の利用者目線においては、アイデアの中で、高低差のあるベンチやテーブルが出されていましたが、神戸の東遊園地も多様な人が利用できる場づくりをしているので参考になるかもしれません。
一方で、公園内には多様な生き物も暮らしています。例えば、草ぼうぼうだけど、そこにはバッタが暮らしていたり、生き物目線で緑をみていくと面白い発見があると思います。
今後は人間目線と生き物目線の両方で考えていけば、公園の魅力がアップすると思います。

(根本さんからコメント)
今日のディスカッションでは、お金の話が複数のグループから出されていました。お金が十分にない中で、どういったことができるのかを知恵を絞るのはとても楽しいことだと思います。対価という視点から、参加された方にとって、お金以外にどのような報酬があるのか、また自分はどのような活動に対して楽しいと感じるのかの視点で考えてみるのも良いと思います。

(中尾さんからコメント)
日曜日にこれだけの人が集まっていることが、すごいことだと思います。
皆さんが個人の活動もある中で、年に数回でも自分たちの日常の延長線上に春日池公園でどんな楽しいことができそうか、自分たちの暮らしが楽しくなりそうかという視点で考えていくと、きっと面白い、個性あふれる公園になると思います。

◆当日の資料はこちらからご覧いただけます!

■ 当日の資料はこちらからダウンロードいただけます。
福山市公園緑地課ホームページ

次回のワークショップ

次回は1月21日(日)に開催します。今回の結果を整理し、具体的なビジョン・アクションのカタチになっていきます。
これからのFUKUYAMA ParkLife LABも是非ご注目ください!

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

文責:事務局(中電技術コンサルタント(株))田中


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