ふためぼれの片想い

ふためぼれ

初めて付き合った恋人に

新しい彼女ができたことを知り

半年以上が過ぎた頃、

私はいつも通りバイトに行った。

駐車場に車を停め、車から出ると

見かけない車の中から
手を振り軽く頭を下げている男性がいた

その男性を見た瞬間

ふと、「かっこいい」と思った

こんなこと初めてだった。

その瞬間は誰だかわからなかったが、よく見ると入った当時から一緒に働いていた1個上の先輩だった。

私は彼氏がいた時、彼のことしか男として見ていなかった為、先輩がカッコいいと思ったことがなかった。

私はふためぼれした

好きな人

先輩の大人っぽい見た目も気を配れるところも
滅多に見ることのできない笑った顔も好きだった。

あまり喋らない人だったから余計に気になり始めた

先輩とLINEをする口実を作ったり、ご飯を数人で行ったり、先輩が働いているコンビニに行ったり（大学に行く途中だったから）

私なりにアタックしていたつもりだった

片想い

でも、脈なしだということは明らかに分かっていた

先輩から遊びの誘いがあったが、先輩の諸事情で中止になりその誘いはなくなった

LINEの返信が1ヶ月返って来ないのも普通

私が大学3年生の春休みから1年ワーホリに行くからそれまでに「会えたら会いたいです」と送ったLINEも渡航した数ヶ月後に返ってきた

周りからはもちろん反対された
付き合えたとしても傷つく恋愛になると言われた

自分でも分かっていたけど、
それでも何故か諦められなかった


自分が納得いくまで
好きでいたいと思ってしまった。

しかし、流石の私も約1年以上片想いをして疲れてしまい途中で先輩にアピールする事を辞めた。

先輩から時々来るLINEの返信だけは返していたが
心の中だけで思う存分好きでいようと思った。

決断

先輩のことが好きだという話は片手で数えられるぐらいの人数にしか話して来なかった。

そして、これ以上誰にも話すつもりもなかった。

しかし、なぜか数人の友達と恋愛の話をしている時に先輩のことを話したくなった。

「先輩のことがまだ忘れられない」と

すると、

「告白しなよ！」とアドバイスをくれた。

その口実に私は先輩のインスタをフォローしてDMで何気ない会話を始めた。

もう好きバレもとっくにしているなら

「当たって砕けるだけ！」

という言葉を聞いて告白をする決断ができた。

私はずっと先輩のことでクヨクヨしている自分が嫌だった

先輩のことを忘れたくても忘れられなかった

終わりにしたかった。

告白

会いたいと言っても会ってもらえないのは
分かっていたからLINEで告白をした

すると、すぐに返信が来て「会おう」と言われた。

あまり期待はせずに行こうと思いながら行くと

やはり結果は…

「ごめん、でも嬉しかった、ありがとう。」

その後のこと

私は振られても先輩のことが好きだった

きちんと会って返事をしてくれたことも

もしかするとこれ以上好きにさせないように
今までの行動をしてくれたのかもとか

良いように良いように
捉えている自分が怖くなった

自分で洗脳していたのかもしれない。

失恋は時間が解決するとよく言われるが、
まさにその通りだった。

毎日通る先輩が働いているコンビニを見るのも徐々に辛くなくなっていったし、インスタに出てくるストーリーを見ても何も思わなくなった。

就活の時期にも入りそれどころではなくなっていたこともありがたかった。

先輩を好きという感情も徐々になくなっていった

終止符

私は1つだけ終止符を打つ時にしようと
思っていたことがあった。

それは、先輩のインスタのフォローを外すこと

周りの人からすると勝手に好きにしたらいいじゃん

と思われるかもしれないが私にとってこのことは自分自身への意思表示だった。

これをする決意ができた時の私は、完全にこの失恋から立ち上がって前に進めていると思った時にすると決めていた。

そして先月、

ようやくインスタのフォローを外すことができた

今のわたし

先月までずっと好きだったという訳ではない

そうだとしたら、今の彼とも付き合っていない

でも、心のどこかで失恋を引きずっていて
自分に自信がなかった

だから、「完全に」ではなかった。　

しかし、新しい恋愛をして

彼といる自分のことも好きになれて

失恋のことを引きずっていないことに気付いた

それに気付いた時本当に嬉しかった！

知らぬ間に前に進めていたことも

乗り越えることができている自分も

本当に誇りに思った。

約2年間の私の「ふためぼれの片想い」

辛いことの方が多かったけど

色々な感情を知れたり

ダメだと分かっていても行動したり

想いを告げたこと




無駄な経験など1つもなかったと思いたい

私を成長させてくれたこの失恋は私の経験の１つとして残していく。

少しは強くなれたんじゃないかな。