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#316 志と振る舞いの調和をとる



「天道、是か非か」


『史記』の著者の一人、司馬遷の言葉です。

善人が不幸のうちに早死にし、
悪人が幸せのうちに天寿を全うする。

そんな人生の不条理に対する憤りを、天に投げかけているときの一節になります。



遅すぎるくらいなのですが、
論語と算盤(渋沢栄一 著 ちくま新書)を時間をかけて読んでいます。

渋沢栄一は、上記の言を引用し、善行はその「志」と「振る舞い」を比較して考えなければならない、と綴っています。

(中略)
だから「志」の善悪よりは、「振舞い」の善悪の方が人眼につきやすいのだ。こうして口がうまく、おべっかを使う人間が世間でもてはやされたりする。
逆に、耳の痛い忠告をしたり、良心的で思いやりある人が足を引っ張られ
「なぜお天道様は、こんな不正義を許すのか、お天道様は正しいのか、間違っているのか」
というなげきを漏らすことになる。
これに引き換え、悪がしこい人や、表面をうまく取りつくろう人は、比較的成功し、信用される場合が出てきてしまうのだ。

(2010)「現代語訳 論語と算盤」 渋沢栄一 ちくま新書 p77

みんな違うし、自分自身も変わる


世の中ってなんて不公平なんだろう…って思うこともあります。
でも、そんなの当たり前。

十人十色、同じ人なんていない。

その人たちが横並びに評価されたり、考え方価値観異なる人がみんな「公平な世の中だ」と思える方が、逆に不気味。

大事なことは、

対人関係でいえば、
考え方や価値観違うけど互いに歩み寄ろう!という姿勢

自分ごとでいえば、
考え方や価値観はそもそも変わりうるものだから、頑固にならずいきましょう!

ということ。

胸のうちに秘める


さらにさらに大事なことは、
そういうことを思っていても、言わない。

胸の奥に秘めておき、振る舞いで「あ、この人はそういう姿勢なんだ」と示すこと。

言うと、薄っぺらになっちゃう気がするんです笑
いえば言うほど薄まる問題、に近いですかね。。




本当に大事にしていることは、何度も言わない。
振る舞いで示す。



それが、志と振る舞いのバランスの調和が取れている状態なのかな、と思いました。

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