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#129 福祉現場から生まれた、日常的に使われる2つのカタカナ語

今日は、よく使われる、大事なカタカナ語2つを紹介したいと思います。

1 ダイバーシティ


ダイバーシティとは、直訳すると「多様性」という意味です。

ダイバーシティということばの使われ方は、その時や場合によって変容していったように思います。

女性の社会進出

性の多様性

外国人労働者

上記のいずれのトピックを扱う場合にせよ、「ダイバーシティ」は使われてきました。

しかしながら、ダイバーシティの本質は、性別でも性差でも属性でもありません。

いろんな人がいる、だけではなく、いろんな人がいて、そのためにいろんな視点・考え方があるということがダイバーシティの本質であると思います。

あるひとつの図形があります。それを、「四角」と捉える人もいれば、「丸」と捉える人もいる。

これがダイバーシティです。

2 インクルージョン


インクルージョンは、元々福祉現場で多用されていることばです。

元々は、薬物やアルコールの依存者、施設に入っている児童など、社会的弱者として捉えられていた方々を「社会の中で支える」という考え方から生まれた概念を指します。

直訳すると社会的包摂です。なんだか分かりづらいですね。。

教育現場では、インクルーシブ教育という言葉があります。

これは、障がいのある生徒が普通学級のなかで一緒に授業を受ける教育のことを指します。

インクルージョンの概念から生まれていることがわかるかと思います。

ビジネスの世界では、インクルージョンは障がい者雇用が最たる例かと思います。

さて、インクルージョンは、「弱者を社会の中で支える」が起源となって生まれたことばですが、現在のこの言葉の使われ方は少々異なるように思います。

それは、「弱者」ではなく、「馴染みのないもの」を受け入れるという捉え方です。

この捉え方の変容は、似ているようで全く異なると思います。

そこに、優劣や支える-支えられる、助ける-助けられるといった関係性はない。

先ほど紹介したダイバーシティが、多種多様な人、見方がある、ということを指すならば、インクルージョンは、多種多様な人や見方を受け入れるということを指すのではないでしょうか。

では、受け入れることでどんな良いことがあるのか。

一つの図形に対して、「四角」と捉える人、「丸」と捉える人がいます。

双方の考えを受け入れることで、「円柱」だったという気づきを得ることがあるかもしれません。

違ったものの見方ができる人が集まる組織が、健全であり、強い。

だから、インクルージョンはどの集合体においても、大切な概念なのだと思います。

3 まとめ


ダイバーシティ&インクルージョンは、実はソーシャルワークのグローバル定義にある「多様性尊重」という言葉に言い表されています。

「ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと 解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。」

「社会正義、人権、集団的責任、 および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。」
(ソーシャルワークのグローバル定義,2014.7)


ふくしまソーシャルワークラボは、その名の通りソーシャルワークを行う社会福祉士事務所です。

今回、ダイバーシティ&インクルージョンというよく使われる言葉を取り上げました。

その言葉の意味をしっかりと理解した上で、日々の実践に活かしていければと思います!

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ふくしまソーシャルワークラボでは、『思いやりを広げる人を増やす』をミッションとし、社会福祉に関する啓発活動に取り組んでいます!

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