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農家さんのお話~農業をなりたい職業NO.1に~

こんにちは。広報担当です!

今日は前回農家さんのお話~農業と地球温暖化~で登場して頂いた塚本さんについてお話したいと思います。
塚本さんは18歳から農業を始められ、なんと23歳という若さで一経営者として農家を営んでおられます!また、「うきは農園株式会社」のリーダーとしても活躍されていらっしゃいます。そんな塚本さんに女性ならでは、若者ならではの視点からみた農業についてお話頂きました。

自然が大好きで、農家になりました

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―塚本さんのお仕事について教えてください。
塚本さん:現在は、自然農法・不耕起栽培に挑戦し、カボチャやナス、トマトなどを育てています。経営者という立場でもあるので、年間の収穫計画を立てたり、従業員のフォローをすることも大切な仕事の一つです。また、現在は「うきは農園」のリーダーという肩書を頂いているので、商品企画会議等に参加するなど運営にも携わっています。

―若くして就農されたようですが、ご実家も農家を営んでいらっしゃるのですか?
塚本さん:
私の両親は普通の会社員です。ただ、私は昔から自然が大好きで、それで農業をしたいと思ったんです。師匠である大石さんとの出会いは本当に偶然でした。たまたま求人情報を見つけて、応募したのがきっかけです。

―それでは、就農後、一から農業に関する知識を身に着けていかれたのですね?
塚本さん:
そうですね。農業高校に1年間通っていたので、本当に基礎中の基礎なんですが頭の中には多少の知識はありました。ただ、私の通っていた農業高校は、1年間は座学で現場を体験することはできなかったんです。座学だけではわからないことが多くて、現場で早く知識や技術を身に着けたい、この座っている時間ももったいない、そう思い2年生の5月に退学しました。
そこから、大石さんのもとでアルバイトとして5年間働かせてもらったので、知識は大石さんからほとんど学ばせていただきました。
私自身まだまだ勉強中なので、本やインターネットはもちろん、農家のネットワークを使ってたくさんの方から今も学ばせてもらっています。

―自然が相手のお仕事だと友人や家族等との時間を取るのが大変ではないですか?
塚本さん:
就農するタイミングで引っ越しをしたので近くに旧友がいないというのもあるのですが、友達と遊ぶことはここ最近ないですね。職業柄、休みという休みはありませんが、時間があれば「次はどんなことにチャレンジしようか」と農業のことばかり考えていますね!(笑)あとは、駆け出し経営者なので、経営の勉強をしたり。私は趣味=農業なので、仕事のことを考えている時間が全く苦ではないんです!
あ、でも、私は兄弟が多いので、下の子たちのお世話を手伝ったりと家族の時間は大切にしています。働き出して、お母さんってすごいなと思うんです。仕事や家事、子育てと自分の時間はないですし、大人になって母が下の子たちのお世話をしているのを見て、「お母さんってこんなことまでしてくれていたの!」と驚くことも多くて、自分も一経営者として女性が働きやすい職場づくりが大切だなと改めて思っています。

女性特有の壁

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―体力が必要なお仕事かと思いますが、女性ならではの悩みはないですか?塚本さん:私自身体力には自信があるので、あまり悩んだことはないです。どちらかというと、「女性だから」という理由で負けたくない!と思っていた方です。(笑)
でもある時気づいたんです。女性だとホルモンバラスの関係で体調が優れないこともあるし、月経もある。負けたくない、じゃなくてそれぞれ得意不得意を考えて、業務の住み分けをした方が効率的なのではと。それからは、力仕事は体力に自信がある男性にお願いしたりしていますし、体調が優れない日はみんなに先に伝えて変に気を遣わせないようにして、経営者として風通しのいい職場づくりを考えています。

―女性はライフスタイルの変化により、仕事を見直す人も多いですが、今後結婚、出産となるとお仕事との両立はどのように考えていらっしゃいますか?
塚本さん:
結婚願望はありますよ。兄弟も多いので子どももいつかほしいなと思っています。でも、今の日本はまだまだ女性、特に子育てとの両立をする女性には働きづらいなと思っています。それは農家でもそうです。だからこそ、私は自分の職場を女性の働きやすい環境にしていきたいと思っていますし、それがいずれ自分にも返ってくると思っています。

農業をなりたい職業NO.1に

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―ある記事で、塚本さんが「農業をなりたい職業NO.1にしたい」とおっしゃっているのをみました。そう思うようになったのはなぜですか?
塚本さん:
4Hクラブ(農業青年クラブ)に所属していた時の会長さんの言葉です。お話を聞いた時に、私が農業を通じてしたいことは、これだ!と思ったんです。

―そのために実際にどのような取り組みをされていらっしゃるのですか?

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塚本さん:身近なところでいうと、SNSの発信です。農家は、「キツイ・汚い・危険」の3Kやダサい・かっこ悪いといった印象をお持ちの方も多いと思います。なので、SNSでは、作業を楽しんでいる様子を発信するようにしています。もちろん、自然が相手の職業なので大変なこともあります。そういった現実も発信していくのですが、少しでもイメージが変わればなと思って取り組んでいます。他にも、作業服をかわいいものにしてイメージ改善を図っています。また、今年から荒木地区の同年代の方々と連携して、農業を通じて地域を盛り上げる取り組みにも挑戦する予定です。将来的には、農業をテーマとした地域祭りを開催して、若い人たちが元気で明るく楽しく働いていることをアピールしていきたいと考えています。

―農家だけではなく私たちのような民間企業や学校等が、どのような取り組み・教育をすることで農家のなり手が増えるとお考えですか?
塚本さん:
これはあくまで私の考えなのですが、子どもって身近なものになりたい!と思うものだと思うんです。例えば、小さいうちは保育園や幼稚園の先生が身近にいる働く大人なので「保育士になりたい」と思う人が多かったり、今だとスマホやPCが身近にあり、YouTubeを観る機会が多いからYouTuberに憧れたり。でも農家って、子どもたちとの距離が遠いことの方が多いと思います。物理的距離と心の距離は比例するんじゃないかな。
だからこそ、農業体験等の機会を増やして農業が身近になることでなりたい職業の候補に挙がるんじゃないかと思っています。早速、今年から地域の小学校と連携して農業体験を実施する予定です。教育という観点からみても、畑に触れることで机上では学べないことやこころの癒しに繋がることもあると思います。地域や様々な企業と連携して、これから取り組んでいきたいと考えています。

―様々なことに取り組まれていますが、やりがいを感じる時はどんな時ですか?
塚本さん:
お客さまの「おいしかったよ」という生の声を聞けた時です。
無人販売所「やさい畑」を始める前は、近くの老人ホームに週に1回出張販売に伺っていました。そこでお客さまのお声を聞く機会があり、もっとたくさんのお客さまの声を聞きたいと思い「やさい畑」を始めました。無人販売所のため、コミュニティボードを設置することで、お客さまとコミュニケーションがとれ、そのお声が私たちの励みになっています。アナログ的なコミュニケーションツールなのですが、それがまた良くて、お声が聞きたくて日々改良しています。(笑)最近では、農作業風景の写真を貼ることで、自分たちの働き方やどんな風に野菜を育てているのかを見てもらえるように改良しました。
もちろん、デジタルも活用しています。SNSを通じて知り合ったお客さまが、遠くから足を運んで野菜を購入してくれたことがありました。デジタルとリアルが繋がった瞬間にとても感動したことを覚えています。

農業を次の世代へ、命を紡ぐ

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―今後の目標は何ですか?
塚本さん:
「農業を次の世代へ、命を紡ぐ」が私の一生のテーマです。そのためにできることを少しずつ取り組んでいこうと思っています。
子どもは社会の宝だといいますが、私もそう思います。だからこそ、まずは子育てをする方が、特に女性が働きやすい環境作りに力を注ぎたいと思っています。待機児童の問題をよく耳にしますが、将来的には従業員が子連れ出勤をし、職場で子どもを見ながら作業ができるようにしたいと思っています。また、子育てをしながらも働きやすい作業を増やすことも考えています。例えば、今年から始める野菜のネット販売や六次加工です。六次加工では、自分たちの野菜を自分たちで漬物にしたりしていたのですが、今後は販売先を増やしたり、ネットで販売できるような包装機材を揃えたりしたいと考えています。
その他にも、先ほどお話したような農業体験を通じた子ども教育や地域とのコミュニケーションにも力を注ぎ、農業界全体が盛り上がるよう頑張っていきたいと思います!


「農業が好きだからこそ、次世代に繋ぎたい。そのために、今、若い自分だからできること、女性だからわかることを常に考えて行動する。」そんな塚本さんのもとには、取材中もたくさんの方々が塚本さんの野菜を求めてやってきていました。自分の売り上げのことだけではなく、農業界全体を盛り上げるべく、地球温暖化問題・少子化問題・働き方改革など日本が抱える問題を身近なところから取り組んでいくその姿はとても輝いていました。こういった思いを抱えて働かれている農家のみなさんについて、「農作物劇場」を通じてこれからもたくさんの方々に発信していきたいと思います。

《無人販売所 やさい畑》
福岡県久留米市荒木町下荒木42-5
080-9101-5552
Instagram:@yasaibatake.n
  Twitter:@yasaibatake725
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