2020年3月4日午前0時|ガラパゴス旅日記
マーベル号の出航は午前1時と決まった。なぜこんな真夜中過ぎの時間になったのか。それは、私の身勝手な希望と、めぐる島々の予定と、船の速度とを勘案した結果、マーベル号船長のヴィコが、逆算して出した日程だったからである。私の身勝手な希望とは、1835年、ここガラパゴス諸島を訪問した進化論の祖、チャールズ・ダーウィンの乗ったイギリス艦船ビーグル号のたどった航路を、できるだけ忠実にたどりたい、そしてダーウィンが見たであろう光景を同じように眺めてみたい、という贅沢かつ欲張りなものだった。