知らぬが仏(短編小説)
《• • • ブーブーブーブー(ポチ)》
《• • • プープープープープープープー(ポチ)》
《• • • ピーピーピーピーピーピーピーピー》
『はい!検査終了です。Nさん、、左右とも高音域が聴き取りにくいみたいですね。』
毎年恒例の健康診断、、よる年のせいか、いくつもの項目で調子が悪かった。
歳をとった老化現象に少し気が滅入る。
【カタ カタ カタ カタッ】
独身で中年太り、禿げた姿を鏡で見て更に気が落ち込む。
【キーン キーン キーン】
毛先がちびり反り返った歯ブラシに歯磨き粉を捻り出しながら、、【 コ トッ 】
口の中に歯ブラシを咥え込んだ。【ピシッ】
歯周ポケットを気にしながらゴシゴシと歯を【ぅ ら め し や 〜】
磨き、いつ洗ったか分からないコップで【ドンッ】《ん?》口を濯いだ。《なんか音がしたかな?》
【ぅ ら め し や〜】
耳を澄ませても何も聞こえない。
《気のせいか、、、、》
【こ の 怨 み • は ら さ • • •】(*´-`)(気づいてくれない)_| ̄|○
俺は万年床の煎餅布団をめくり、深い眠りについたのだった。
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