マガジンのカバー画像

怖い話

81
運営しているクリエイター

#記憶

三歩で忘れる恨み(短編小説)

三歩で忘れる恨み(短編小説)

子供の頃はまだ動けたが身体もどんどん成長して大きくなり、上も下も右も左も前も後ろも壁と身体が接して身動きをとることは出来なくなっていた。

そんな私の所に外から来る小さな奴らが言う。

『外は広いよ!大きいよ!自由に空を飛び大地を歩きみんなと楽しく遊べるよ!君たちは身動きも出来ず食べられるのを待つばかり。可哀想だね!』

小さな奴らは言葉とは裏腹にウキウキニコニコと話しかけて来る。

『うるさい!

もっとみる
母(怖・短編小説)

母(怖・短編小説)

《ドクン》

最近胸に痛みを感じることがある。

子供の頃よく感じた感覚だ。

そのせいか幼き頃の記憶が蘇ってくる。

幼心に、、母は白い純白の着物のイメージがあった。

私が人形遊びをしていると母も人形を手にしていた記憶がある。

私のはセルロイド、、母のは、、藁、、

私が夜中に目を覚ますと汗だくの母がいた。

なぜか甘えれず、そのまま眠った記憶がある。

幼くして父を胸の病で亡くした私は、母

もっとみる