「サヴォア邸ツアーβ版」やってみた
「Unity」や「OculusGo」など個人レベルでも廉価でゲームなどを制作し体験できるようになった現代ならではの建築のトレーニングは考えられないか.
と,そんな思いでポツリと呟きをしたところ,Cinema4DとUnrealEngineで近代建築の代表作ル・コルビュジェの「サヴォア邸」を巡る「サヴォア邸ツアー」を制作されている方からレスポンスをもらいました.
β版は当初windowsのみでしたが,早速macでも操作できるように対応してくださいました.
せっかくなので遊んでみてどんな感じだったかログをば,とキーボードに向かっている次第です.
早速起動してみましょう.
まずはタイトルと操作方法説明の画面が表れ,ローディング.
めちゃくちゃちゃんとしてます.
ローディングが終わるとサヴォア邸がどん!と.
鬱蒼と茂る森の中に佇むサヴォア邸の様子が詳細に再現されています(行ったことないですが).
近づいてみましょう.
影も良い感じに表現されています.
「サヴォア邸」って?
ここで,「サヴォア邸」とは?という方に簡単に説明をば.
「サヴォア邸」はモダニズムを代表する建築家|ル・コルビュジェによって設計され1930年代に完成した住宅です.
建築学科に入るとほぼほぼ最初に言及される建築であり,コルビュジェの代表作と言われる建築です.
では,なぜこの建築が代表作と言われるのか?
おそらくコルビュジェが提唱した「近代建築の5原則」というものが明快に取り入れられた建築だからでしょう.
近代建築の5原則
・ピロティ
・屋上テラス(庭園)
・自由な平面
・横長の窓
・自由なファサード
それまでの時代の建築は基本的には石積みなどで構成され重厚でどちらかというと暗い感じを持つものが多かったようです.そこに,コルビュジェはサヴォア邸のような白く眩く光る爽やかな建築を提示したのです.
さあ,サヴォア邸ツアーなので,あとは進めながら見ていきましょう.
1階部分は大きなピロティ空間になっています.また,エントランスの壁は曲面.これは自動車が通るような空間,ドライブスルーのような空間として想定されていたからだと言われています.
来たる自動車社会に備えて,ということが考えられていたそうです.
それでは,中に入ってみましょう
サヴォア邸の主動線にはスロープが設えられています.これにより,住宅内の空間に動きの感覚をもたらしています.
完成度...!
照明や水回り,ヒーターなど細かい部分まで設えられていて,よりリアリティが高められていますねー.
次は2階へ
光の入り方も良い感じです.
ここがメインの生活空間になります.
先に触れた「横長の窓」によって非常に明るく開放的な生活空間になっています.左には「屋上庭園」も見えます.
コルビュジェが設計した家具「LC2」もしっかり置かれていますね.オシャレなオフィスとかには必ず置いてあるやつです.これ欲しいんですよね...
細かい諸室も再現されていて,色々見て回るのが楽しいです.
こう見ると結構色が多様なんですね〜.
資料でよく見るバスルームも!
最後に「屋上庭園」を見てみましょう.
思ったより居心地良さそう...!
コルビュジェの遊び心であるピクチャーウインドウも再現されていますね.
自分で操作するのは楽しい
遊んで見て思ったのは、自分で操作して建築を体験する経験というのは動画で見るのとも模型で見るのとも随分違う体験だということです.
動画は受動的にしか体験できない,模型は俯瞰視点が入る ,ことを考えると自分で操作して一人称視点で空間を体験するということはより「シークエンス」や「部屋同士の繋がり」などを意識することになります.
最初のつぶやきで触れてたように「ゲームとして名作住宅をつくること」は模型をつくることや図面をトレースすることとも違うトレーニングになるのではないかとの思いが強まりました.今回は「再現」ですが,それこそあえて崩す事で「創造性」を引き出すトレーニングになるのではないかと思いました.
では,どういう部分で?というのは引き続き考察できればと思います.
「お前,つくってねーじゃねーか」と言われそうなので,自分でもまずつくってみなきゃなと...
「サヴォア邸ツアーβ版」はこちらからダウンロードできます.ぜひ.
最終的にはフルトラッキングVR対応するみたいで,やばいコンテンツになりそうです
サポートして頂いたものは書籍購入などにあて,学びをアウトプットしていきたいと思います!