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【前編】夢の様なデザインを”服にする”〜衣装制作パタンナー「emi」さん〜

こんにちは、フクコトバのRYOです!

私たちフクコトバが、実際にインタビューをさせて頂き「ぜひみなさんにご紹介したい!」と思った方をご紹介するシリーズ「〇〇さんのフクコトバ」です!

〜「〇〇さんのフクコトバ」とは〜
主に、ファッション関係のお仕事をされている(もしくはご経験された)方に対して、ファッションに興味を持ったルーツや、お仕事の内容等についてインタビューをさせて頂き、そのインタビュー内容を記事にして、ご紹介しています。
ファッションに興味のある方、ファッション関係の仕事に興味のある方は、なかな世間一般では聞けないお話がたくさんありますので、ぜひお楽しみ下さい!!

〜「フクコトバ」とは〜
私たちが、ファッション(衣服)には、「花言葉のように、言葉にならない想いを伝える役割がある」と思いつけたコトバです。
この記事では、ファッションに関わる方の「ファッションを通したコトバ(想い)」をお届けします!

今回は、テーマパーク・歌手・舞台演劇等の衣装製作パタンナーをされている「emi」さんにインタビューをさせて頂きました!

クライアント様側からの守秘義務があるため、具体名は記載できませんが、テーマパーク・歌手・演劇舞台等の国内トップの方々を相手にお仕事をされている衣装製作パタンナー「emi」さんのお話は、勉強になることばかりです。

それでは、世間には出てこない煌びやかな世界の舞台裏でご活躍される「emi」さんのお話をどうぞお楽しみください。

本当に貴重なお話の数々です。


(*インタビュー:2021年9月4日(土)zoomにて実施)


①ファッションの道へ進んだきっかけ

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フクコトバ「RYO」
はじめまして!
以前インタビューをさせて頂いた「mitoko.komatsu」さんから「とっても面白いから是非お話を聞いてみてください」と、「emi」さんをご紹介頂き、今回セッティングをさせて頂きました。
お時間頂き、ありがとうございます。
衣装製作「emi」さん
はじめまして、こんばんは。
そうだったんですね、あはは(笑)
フクコトバ「RYO」
少し時系列を追ってお聞きできたらと思うのですが、元々ファッションや衣装制作に興味を持たれたきっかけは何かあったのですか?
衣装製作「emi」さん
そうですね、私大学が「mitoko.komatsu」さんと一緒なんですが、そこで洋裁を習いました。
そして、最初に就職したのがアパレル会社だったんです。
それで結婚出産で一回退社しまして、子どもが大きくなってきたので、頼まれてちょっと教えたりとか、そういうこともしてたんです。
その後、たまたまそのアパレル会社の時の知り合いで、衣装会社を自分で立ち上げた方がいらして、「ちょっとお手伝いで構わないのでやってくれないか」って言われまして、それがきっかけです。
フクコトバ「RYO」
それで今のお仕事に繋がるっていうことなんですね。
では、今はそちらの会社さんに所属されているということなんですね。
衣装製作「emi」さん
そうですね。
最初は嘱託で個人的にやっていたんのですが、今はもう会社員として、入社しています。
フクコトバ「RYO」
なるほど。
ちょっと話が戻ってしまうのですが、大学は「mitoko.komatsu」さんと同じところに行かれていたということで、そもそも専門学校をファッション系の方に行かれるきっかけはあったんですか?
衣装製作「emi」さん
行きたかった大学に落ちてしまって、それで叔母がそういった系列の大学で働いてたというか、講師をしていてまして、そこでこの大学に行っておけば絶対就職ができるっていう風に言われて(笑)
フクコトバ「RYO」
そうだったんですね!(笑)
衣装製作「emi」さん
それで、もうしょうがなくという感じでした。
フクコトバ「RYO」
「mitoko.komatsu」さんは大学に入られて、専攻として服関係のことをされたとお聞きしたのですが、「emi」さんも同じ専攻だったのですか?
衣装製作「emi」さん
そうですね、小松さんは同じ大学だったんですけど、コースが違いますね。小松さんは本当に純粋な洋服の方だったんですけど、私はどっちかって言うと論文系や美術系という方面だったんです。
ただ、基礎的な事は1,2年のときにやりますので、就職できたって言う感じです(笑)


②1社目で経験した「東京コレクション」での出来事

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フクコトバ「RYO」
なるほどですね(笑)
で、そのまま1社目のところに就職されるんですね。
1社目のアパレル会社は大体どのぐらい働かれたんですか?
衣装製作「emi」さん
8年ぐらいだったと思います。
フクコトバ「RYO」
そこでは、具体的にはどういったお仕事をされていたんですか?
衣装製作「emi」さん
私パタンナーなので、もうそこでがっつりパターンを教えて頂きましたね。
フクコトバ「RYO」
なるほど!
パタンナーの方も、就職して初めからずっとパタンナーっていう形になるんですか?
最初は店頭に立ったりだとか、販売に行ったりっていうことはないですか?
衣装製作「emi」さん
今の世の中は分からないんですけど、私はパタンナーで入ったので、もう最初っからパタンナーでした。
フクコトバ「RYO」
そうだったんですね。
その1社目でパタンナーとして働かれていた時に、今振り返って見て、楽しかったなといったご経験はあったりしますか?
衣装製作「emi」さん
いろんなブランドがあったのですが、お試し的な事で、東京コレクションに出そうじゃないかっていうのがありまして。
フクコトバ「RYO」
え~!!すごい!!
衣装製作「emi」さん
当時、東京コレクションに出すためのデザイナーさんを、引っ張ってきて。それは楽しかったです。
フクコトバ「RYO」
へ~!!
コレクションに出すために1から企画を考えて、服を作って、コレクションに出すっていう所まで一貫してemiさんの方でやられてたんですね。
衣装製作「emi」さん
そうですね。
デザインの方はデザイナーさんがやるんですが、そこから服のパターンとか、制作に関わることとか、後は最終的にショーをするときに、裏に入ったりとか、そういうのはありました。
フクコトバ「RYO」
それってちなみに結果はどうだったんですか?
衣装製作「emi」さん
そうですね、すごく世の中に知れ渡っているようなデザイナーさんではなかったんですが、秋冬と春夏と二回しかやらなかったのかな、でも、ちょっと店舗もできたりして、楽しかったです。
ラインとかが一般的な既製服じゃなくて、ちょっとその先を行っているような感じでした。
それはすごく良かったです。
フクコトバ「RYO」
すごいですね。
店舗ができるというのはポップアップショップみたいな形ですか?
衣装製作「emi」さん
そうですね。
フクコトバ「RYO」
いやあ、それはすごいですね!
衣装製作「emi」さん
いやもう全然皆さんが知っているような東京コレクションに出しているような方っていうわけではなかったんですけど、「やったな!」って言う感じですね(笑)
フクコトバ「RYO」
そうですよね(笑)
なるほど、それが8年間ほど1社目のところで働かれていて、一番良い思い出として残っているところなんですね。
衣装製作「emi」さん
そうですね!
フクコトバ「RYO」
ちょっとこれを聞くのもあれなんですが、逆に辛かったこととか、大変だったということってあったりしますか?
衣装製作「emi」さん
1社目のところでは割とみんな良い方でした。学校みたいな感じで色々教えていただけて、多分一番スキルアップに役に立ったかなと思います。
ただ、その東京コレクションをやった後に、そのデザイナーの方が辞められて、残りみたいな感じでブランドを立ち上げた時に、いろんなアパレルの会社が出していたコンテストだったんですけど、そこで私たちのチームが結構良い線いきまして、それでちょっと表彰されたんですね。
実際作った人間よりは、私とかデザイナーさんとか、後企画とかに関わってくれていた子とか、まあ本当少人数でやってたんですが、まだ私たち若かったので、雑誌の取材とかそういう時に、なぜか上の全然関わりの無い人がさらっと出て行って、さらっと全部取ってっちゃったみたいなことがありました(笑)
フクコトバ「RYO」
そうだったんですか!
衣装製作「emi」さん
「あーこれって世の中によくあるやつか」ってその時に思いました。
結構すごく一生懸命やったのに、現場の人間じゃない、全然関係のない人がこういうことするんだって思って。
それはもうちょっと。。。(笑)
フクコトバ「RYO」
もう社会人のイヤーな所ですよね(笑)
衣装製作「emi」さん
そうですね、はい。(笑)
そういう、本当に目の当たりにしたというか。
フクコトバ「RYO」
実際にやられていたのはemiさん達なのに、メディアに対してだとか、表に出たのはその方だったっていうことなんですね。

それは悔しいですね。
衣装製作「emi」さん
そうですね。
いや、本当になんかこう横からひょいっとさらわれちゃったみたいな。(笑)


③縁の下の力持ち・パタンナーの仕事

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フクコトバ「RYO」
そうですよね。
それで行くと、パタンナーの方とかデザイナーの方だとか、普段はそこまで表舞台に出てこないような方々に、そういったコレクションの時とかに取材は結構あったりするんですかね?
衣装製作「emi」さん
やっぱり取材があるのはデザイナーさんですね。
フクコトバ「RYO」
デザイナーさん
になるんですね。
衣装製作「emi」さん
はい、もう私たちパタンナーは割ともう縁の下の力持ちというか、そういう感じで、表立ってそういうことはほとんどなかったですね。
フクコトバ「RYO」
私たちも色々方にインタビューをさせて頂いている中で、結構パタンナーの方が結構おられるんですが、やっぱりパタンナーの方は色んな想いを込められて服を作っておられるのですが、そこにスポットライトが当たらなくて、その想いを聞くメディアだとか記事が無い状況だったと聞きました。
それはemiさんも同じ感覚ですか?
衣装製作「emi」さん
そうですね。
私的には、もうそういうものだと思っていて、やっぱり分かってくれる方は分かってくださるのと思っていました。
そういう1社目の時の出来事は、まだ自分が若かったっていうのもありますし、なので今はそうは思わないですけどね。
でもやっぱりそうですね、「まあ実際作っているのはあなただよね」って言う風に言われると、「ああ、分かっててくださるんだ」っていうのはあります。
フクコトバ「RYO」
そうですよね。
そういったパタンナーの方は、キャリアを積んでいかれる上で、一社だけの方も何社も渡り歩いてっていう方もおられると思うんですが、その中でどういう風に実績と言うのかキャリアを積んでいくものなんですかね?
「このコンテストでこういう賞を受賞しました」とか、そういう実績が溜まっていくというイメージですか?
衣装製作「emi」さん
いや、やっぱり日々の積み重ねで、コンテストとかは稀で珍しいことですね。
自分は婦人服だったんですが、本当にもう軽衣料から重衣料まで全部やってきたので、そういった積み重ねだと思います。
フクコトバ「RYO」
なるほどですね。
そういった一つの大きなコンテストや大きな表彰とかではなく、本当に日々どういったことを経験して、スキルにしていくかっていうことですかね。
衣装製作「emi」さん
そうですね!


④衣装製作の世界も一つ一つの積み重ねが大切

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フクコトバ「RYO」
その1社目で8年間お仕事をされて、その後産休に入られて、次がご友人のお誘いを受けられた形ですかね?
衣装製作「emi」さん
そうですね。
前いた会社の後輩が奥さんと立ち上げて、たまたま私の後輩づてで、「ちょっとやってくれる人を探してるんだけど」っていうので、元々その方を知っていたので、ちょっと縁があってやった感じです。
フクコトバ「RYO」
そこでは今もパタンナーとして働かれているっていうことなんですね。
衣装製作「emi」さん
そうですね。
フクコトバ「RYO」
その会社自体は何人ぐらい働かれてるんですか?
衣装製作「emi」さん
そんなに大きくないんですけど、従業員自体は全員で10人ちょっとぐらいですね。
フクコトバ「RYO」
そうなんですね、冒頭でもお話させて頂いたテーマパークとかって大手みたいなところと連携して衣装を作ったりされているのかなっていうイメージがあったので驚きました。
衣装製作はテーマパーク側から依頼が来るのか、会社の方からこういったことができますよって打診をされるんですか?
衣装製作「emi」さん
最初は大きな会社の下請けっていう感じでやっていたんですが、直接やり取りができるようになってから、仕事自体はいろんな業者さんが入っているので、入札みたいな感じになっていますね。
フクコトバ「RYO」
じゃあ競い合ってという感じなんですね。
そこにもシビアなところがあるっていうことですよね。
衣装製作「emi」さん
そうですね。
シビアですね。
フクコトバ「RYO」
そうなんですね。
どういうところでそうお感じになられたりしますか?
衣装製作「emi」さん
そうですね、私はお金のことにはタッチしてなくて、作るほうだけでやっている感じなので、やっぱり入札に行っている営業の方たちは、他のもっと大きな会社とか色々ありますので、もうすごく名の知れた会社と競い合ったりとかしていますね。
そんな中で自分のカラーを出して行くのですが新参者みたいな感じなので、やっぱり「他所とは違うもっと良いものを」とか、そういう気持ちが強くなりますよね。
フクコトバ「RYO」
なるほどですね。
入札というところでいくと、資金力というわけではなくて、実物というか、商品、衣装自体のクオリティの評価がされるっていうことなんですね。
衣装製作「emi」さん
それもあると思いますし、最初はやっぱり大きいショーとかの中の1着だけとか2着だけとかでしたね。
もう務めて15年以上経つんですが、入った時はそんな感じで、そこから一つ一つ積み上げて、一つのショーを任されたりとか、そうやって少しずつ大きくしていったところなんです。


⑤世間が注目する衣装を製作する喜び

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フクコトバ「RYO」
今、コロナで全国各地のテーマパークへの影響がとても大きいと思うのですが、それはやっぱりemiさんのお仕事にも大分影響が大きかったですよね。
衣装製作「emi」さん
もう本当に大きいですね。
ですが、やっぱり今じゃないとできないことだったり、
後、テーマパークだけじゃなくて、舞台とかテレビの仕事とかもさせて頂いていますので、そこをを頑張ってやっていかないとなっていう感じですね。
フクコトバ「RYO」
そういうことなんですね。
舞台とかテレビとかディープなところはお聞きは難しいと思うのですが、タレントさん等へのコーディネートとか、衣装提供とかをされてるということなんですか?
衣装製作「emi」さん
そうですね。
ちょっとした大きい舞台とか、後は歌手の方の衣装とかをやってますね。
フクコトバ「RYO」
そうなんですね、なるほど。
例えば、「この衣装は私たちが作ったんです」っていうのは、基本的には口外してはいけないってなっているってことですかね?
衣装製作「emi」さん
そうですね。
特に大きな案件は特にそうですが、もうNGですね。(笑)
なので、具体的なお話が出来なくて申し訳ないですが…
フクコトバ「RYO」
いえいえ、全然です!
お話お聞きできる範囲で、大丈夫です!

そういった大きな案件を10人単位の会社さんで受け持っておられるのが、本当にすごいなと思うのですが、業界としてもそういったケースが多いのですか?
もちろん、emiさんの会社の実力が高く評価されていることが前提としてあると思うのですが。
衣装製作「emi」さん
私自身が他と比べることがあまり無いので、わからないのですが、業界の中では会社名を言うと分かって頂ける方は多いのではないかと思います。
ただ、やっぱり一般的にはHPも無いですし、写真に映り込むのもNGだったりもしますね。
フクコトバ「RYO」
本当に厳格にそのルールがあるんですね。
衣装製作「emi」さん
ただ、映画や舞台にはパンフレットがあると思うのですが、そういったパンフレットには出てます。(笑)
フクコトバ「RYO」
そうなんですね!
では、映画だとエンドロールとかには出てくるんですか?
衣装製作「emi」さん
そうですね。
映画のエンドロールには「衣装」というので、チラッと出てきます。
フクコトバ「RYO」
すごいですね。
やっぱり、そういったエンドロールやパンフレットを見られた時って、嬉しいですよね?
衣装製作「emi」さん
嬉しいですね。
誰も見てなくても、自分だけでもテンションが上がります。
フクコトバ「RYO」
いやでも、それは本当かっこいいですよね。
そういった意味で行くと、今のお仕事のやりがいというのは、ご自分が製作された衣装をそういった表舞台に立つ方々が着ているという所が一番のモチベーションになっているのですか?
衣装製作「emi」さん
モチベーションになっていると思います。
やっぱり誰でも知っている方の衣装や、割と衣装が話題にあがる方、そういった世の中のみんなが知っている方の衣装を作成させて頂くので、モチベーションになっていますね。
フクコトバ「RYO」
それこそ、製作された衣装をその方々が着られている写真がSNS等で出ていて、みんなが「可愛いですね!」「かっこいいですね!」と反応をされていてということですもんね。
それはすごいモチベーションになりますよね。

1社目のお仕事と今を比べると、1社目はなかなか製作された服に対してのフィードバックがあまり無かったと思うのですが、今はSNS等でフィードバックがあるというのは嬉しいですよね。


⑥衣装製作の舞台裏

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衣装製作「emi」さん
そうですね。
一時期は、著名な歌手の方々3人の衣装をこの小さな会社で受け持っていたこともありましたし、1年間くらいずっとその方の衣装を製作させて頂いていた事もありました。
フクコトバ「RYO」
すごいですね!
その1年というのは契約で「〇〇さんの衣装製作を1年間お願いします」みたいな形になるのですか?
衣装製作「emi」さん
いや、デザイナーさんがいらして、そのデザイナーさんがうちの会社のアトリエを気に入って使って下さっているので、その方から「ぜひお願いします」といった形で、やらせて頂いていますね。
フクコトバ「RYO」
そういったお仕事の時は、歌手の方ご本人からも「こういった衣装が良い」といったオーダーがあるのですか?
衣装製作「emi」さん
それは直接的にはデザイナーさんがやられるので、私たちは絵型や参考写真等を見て、イメージして製作していく形ですね。
2次元の夢のようなイメージを実際の衣装にしていく形ですね。(笑)
フクコトバ「RYO」
そうですよね。
あの派手な舞台でしか似合わないような、すごい衣装ですもんね。
それを、今はemiさんのパタンナーチームでやられているという事ですもんね。
デザイナーさんは外部におられるのですか?
衣装製作「emi」さん
そうですね、割と外部のデザイナーさんからオーダーが来ることが多いです。
うちの会社でデザイナーを立てて行うのは、たまに舞台とかの衣装製作をさせて頂く際にはありますが、割と外部のデザイナーさんが多いですね。
フクコトバ「RYO」
なるほどですね。
では、本当にその外部のデザイナーさんが、emiさんのアトリエを信頼して選んで頂いているということですもんね。


⑦「夢の様なデザインを服にする」ことがプロのプライド

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フクコトバ「RYO」
今、emiさんがパタンナーとしてそういったお仕事をされている中で、「こういうところにこだわりや思い入れがある」ということはありますか?
衣装製作「emi」さん
やっぱり、人が着る物なので、「服にする」というですよね。
とんでもない夢の様なデザインでも「服にする」ということを大事だと思っています。
全然訳のわからないロボットの様なものを着ている訳ではないので、「服にする」というのが目的ですね。
フクコトバ「RYO」
なるほどですね。
原点からいくと、布が人が着る形になって服になるというところだと思うのですが、今おっしゃられた「服にする」というのは、もう少し言語化するとどういったイメージになりますか?
衣装製作「emi」さん
そうですね、「人間が着る」というところで、形だけではなく、着心地や動きというところを追求するということですね。
フクコトバ「RYO」
着る方が、この場面で、こんな動きをするから、その時動きやすい様にだとか、そういったところまで考えてということですよね。
衣装製作「emi」さん
そうですね。
歌手の方は特にそうなんですが、どうやったらその方が「綺麗に見えるのか」「かっこよく見えるのか」というところは心がけています。
「このラインだったらいけるな」とか、そういったことを考えます。
フクコトバ「RYO」
そういったことは、テレビだとか資料を見て、「この人はこういった動きをされるから、服にはこういうデザインや形にしよう」という風に、事前にまず情報収集をされるんですか?
衣装製作「emi」さん
いや、実践あるのみなので、色々なケースがあったり、動きもどんな動きをするのかが予想がつかないので、その人が着ていて邪魔にならないようにという感じです。(笑)


⑧演劇舞台の衣装製作は「台本読み」からスタート

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衣装製作「emi」さん
特に歌手の方はそこまで動きが大きくは無いですが、舞台やダンサーの方は身体能力が皆さんすごいので、より着た時のことを考えます。
フクコトバ「RYO」
たしかに、そうですよね。
衣装製作「emi」さん
あと、舞台の場合は最初に台本を読みます。
台本を読んで、「その人がどんな動きをするのか」「どういった舞台設定なのか」ということを意識しますね。
フクコトバ「RYO」
ということは、舞台衣装を製作されるときはもう台本のタイミングから製作に入られるんですね。
そこで、動きや舞台設定を確認して、衣装製作に入られるという感じなんですね。
衣装製作「emi」さん
そうですね。
多分、舞台衣装をやられている方は皆さん同じじゃないかなと思うのですが、割と台本を読みますね。
フクコトバ「RYO」
本当に舞台のチームの一員となって製作に携わられているんですね。
開演を迎えられる時なんかは、それこそ見に行かれて、すごい感動がありますよね?
衣装製作「emi」さん
そうですね、もう本当に特に大変だった時なんかは、ゲネプロという前日の興行があるのですが、そこでもう泣けてきます。

*ゲネプロ:初日公演の前日等に本番同様に行われる最終リハーサル
フクコトバ「RYO」
そうですよね、自分が製作した衣装で、俳優さんがそれを着て表現されているというので、ものすごい感動がありますよね。

実際に着られる俳優さんや、監督さんとも、話し合って微調整をされたり、そういった工程もあるということですよね?
衣装製作「emi」さん
もちろんありますね。
舞台の時はフィッティングもありますし、舞台パレードといって、シーンごとに誰が何を着るかを、実際に舞台上に立ってみて全員のバランスを見たり、そういったこともします。
そのフィッティングや舞台パレード、衣裳付きの稽古などをしたときには修正が出てくるので、そこですごく調整をしますね。


ーーー後編へ続くーーー


皆様、いかがだったでしょうか?

煌びやかな世界を支える縁の下の力持ちである衣装製作パタンナーのお仕事について、普段お聞きできないお話の数々でした。

その中でも特に、『とんでもない夢の様なデザインでも「服にする」ということを大事だと思っています。』という言葉にemiさんのプロとしてのプライドを感じました。

形やデザインの派手さだけではなく、「服」として、着る人の着心地や動きを想像して、製作をされていました。

そういった想いを持って、実績を積み重ねておられるからこそ、国内トップのクリエーターの方々からemiさんの元へお声が掛かるのだと、本当に勉強になりました。

さて、後編も内容が盛りだくさんです。

特に、これからファッション業界を志す方にもぜひ聞いて頂きたい内容になっています。

お楽しみに!!


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「〇〇さんのフクコトバ〜他己紹介記事作成〜」について

ファッション関係のお仕事をされている方へ、私たちフクコトバが、インタビューをさせて頂き、「他己紹介記事」を書かせて頂くサービスを実施しております!!

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■インタビュー方法
オンライン、対面どちらでも可能。(対面の場合は、関東圏のみ)
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■インタビュー内容
(大枠の質問です。お話の流れによって変更もあります。)
Q:どのような活動をされているのか?
Q:活動をするに至ったきっかけは?
Q:ファッションや衣服に興味を持った経緯や体験談
Q:ご自身や活動でアピールしたいこと

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