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平成が生んだネオ悟り世代「悟りパリピ」の価値観から分析する新コンテンツ論

「パリピ」という現代における「種」があります。 パーリーピーポー(PartyPeople)の略称ですね。

今回は「悟りパリピ」という平成独自の新型パリピかつネオ悟り世代の存在について、平成9年生まれの筆者が肌で感じている部分から述べていこうと思います。

調べたのですが、平成9年レベルが平成を考察してる記事って思ったより少なかったです。寂しいなと思いました。ですので、(例えば)若者研究所や文化研究所の方々のデータになるべく、つらつらと考察を書くことにしました。引用など、ご自由にご活用ください。

まず「パリピ」の定義について書いておきましょう。「パリピ」は世代によって概念としての定義が異なるため、前もって整理が必要です。

広辞苑などによるパリピの意味は、「一般的にパーティー、クラブ、イベントで飲んだり騒ぐ人たち」。

一般に、こう広がっていますが、10代・20代・30代~、など世代によって言葉の意味が全く違います。

【中学生、高校生、大学生など10代~20代(前半)が使う言葉の意味】
・友達と遊んだり騒ぐこと
・遊んでて楽しいとき、嬉しいとき
・友達とふざけているとき
・友達や大勢で楽しく遊ぶことetc…
実は10代~20代(前半)の間では、「友達と遊んでいるときや自分が楽しいとき」に使う言葉として定着しているんですね。今回のテーマ「悟りパリピ」の「パリピ」の意味はこっちに近いです。

【30代以上が認識している言葉の意味】
・パーティー、クラブ、イベントでお酒を飲んだり騒ぐ人
・チャラチャラしている人
・不真面目な人etc…
として、30代以降、昭和世代の方には悪いイメージが強く、何となく苦手意識している方々もいるかもしれません。

しかし、ここで平成生まれ悟り世代として、パリピの深層心理を代弁しつつ、こう提言させてください。

彼ら彼女らは「世界は無であることを理解した上でパリピをしている」と。

もちろん、全ての人がこうである、と言っている訳ではありませんが、確実にそういった層は存在しています。(これからの話も、そういった層が生まれ、増加する傾向にあるのでは?という考察ですので、「私は違う!」と言われても困ってしまいます)

ここで「悟り世代」についても触れておきます。バブルが弾けた後、あまり「欲」が持てない不況時代を生きてきた主に2002年~2010年度の学習指導要領に基づく「ゆとり教育」を受けた世代です(そうです私です)。

志向としては、高級車やブランドに興味はなく、結婚や恋愛も淡泊。最低限度の人間関係の中で慎ましく差し支えない日々を送る層のことを指します(これもそうです私です)。

そうした悟り世代の心理状態は、最近のヒットチャートにも色濃く反映されています。

米津玄師「Lemon」です。私も好きです。米津さんはボカロPのハチ時代からヘビーに聴いていましたし応援していました。中学時代に、クラスの片隅で狭いヲタク仲間とアツく共有しあってたハチ(米津)さんが、今や紅白歌合戦で国民的歌手になろうとは…。

こうした体験から考察するに、それだけ昔に比べ悟り世代がカルチャーの中心を担ってきている、ということなのでしょう。また、カルチャーだけでなくビジネスやローカルなど様々なシーンで「悟り世代の価値観」が世の中に反映されていくのは間違いないでしょう。

アイドルにおいても、襷坂46「アンビバレント」に代表されるように、「可愛い」だけでなく、どこか達観しつつ真理めいた「エモさ」という感覚が重要視されるようになってきているのではないかと思います。

そして、そうした「達観コンテンツ」が溢れる中で、悟り世代は気付き始めます。そして、悟りの向こう側にたどり着いたのです。

「世の中に正しい答えなんてない。いくら悩んでも答えは出ない。世界はどこまで行ってもナンセンスだ。

…じゃあもう、楽しんだもの勝ちじゃん!!!!!!」

そう。この、悟りの先にある悟りを開いたものこそ「悟りパリピ」なのです。ネオ悟り世代とも言い換えることが出来るでしょう。

この「悟りパリピ」の価値観は至る所で花開きつつあります。例えば「好きなことで、生きていく。」というキャッチフレーズでお馴染みのYoutuber。一昔前では考えられなかった職業のロールモデルとして、チビッ子からも絶大な人気を集めています。

HIKAKINがネオ悟りを開いているかは分かりませんが、悟り世代でなくても、それが顕在意識ではなくても、「悟りパリピ」の感覚を持っている老若男女は一定数いると思います。

また、多くのインフルエンサーが持つ強い世界観の突き抜け方は「ネオ悟り」(どんな個性が世の中に刺さるか分からないんだから、自分自身を思いっきり曝け出しちゃった方が良いじゃん!!)から来ているのではないかと私は考えています。

やりたいことをやるにも、躊躇や苦労が付きまといます。しかし、悩み続けた挙句、ネオ悟りを開いて「限られた人生の中で楽しいことをやろう!」と覚悟を決めた悟りパリピは突破力が違います。

例えば有名なYoutuberを見ても、「恥ずかしい」とか「恐れ多い」という感情に邪魔をされず、自分の気持ちに素直になって殻を破る力があることが分かります。

また、サムネイルや動画を見る限り、笑顔で楽しそうな光景ばかりが広がっていますが、その裏には確実に動画編集や企画制作と格闘し続けている制作者の姿があるはずです。

こうした躊躇や苦労を「悟り」の力で乗り越え、「パリピ」の力で自分の好きなことで楽しく生きられる「悟りパリピ」が最強!と断言出来る訳ではありません。

しかし、今の世の新コンテンツを作っている層として「悟りパリピ」の価値観がもつ勢いはとんでもない、ということは確かに言えるのではないかと思います。

TicTokを始めとした新コンテンツの潮流の根底には、そうした「悟りパリピ」の価値観やニーズがあるのではないか…と当事者なりに分析してみたのですが、皆さんならどう分析するでしょうか。

多様な見方があって然るべきだと思いますが、もう一点、発達学的な観点からしても、人間が持つ個性やエネルギーを効率的に使うために「人生は楽しんだもの勝ち」という価値観を本能が生み出しているのだとしたら…我々はどういう結末に行きつくのだろう。そんなことも考えられそうですね。

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ライター/イラストレーター。エッセイ/コラム/イラスト/マンガなどの制作物をポートフォリオとしてマガジンにまとめながら、販売もしています。長野県出身在住。Mail:yamaoide@gmail.com

コメント2件

わたしは92年生まれのゆとり世代ですが、パリピの意味はチャラチャラした方のイメージでした!( ˙o˙ )なるほど、、意味すら違っていたんですね。
でも楽しんだもん勝ち!はよく分かります。SNS世代でいろんな人の生活が目に入るようになったからかなとも思いますね。
大麦さん

コメントありがとうございます!SNSで多様な人々と手軽に触れ合えるようになったのも確かに大きいですね!あと、やはり皆さんSNSを楽しんでらっしゃいますから、より悟りパリピが目につきやすい社会になってきているのかもしれないですね!
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