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【ポケモンおもしろさ考】ガラル地方見聞録➀

・大学卒業が決まった記念としてポケットモンスターソードを買った。今回、折角なのでポケモンソードのプレイ日記をコンテンツ論として割と真面目風味に考察しながら書いていくことにした。現在ゲーム作りをやりたいということもあり、今作のポケモンを通して「おもしろいゲームの要素とは」「おもしろいコンテンツの要素とは」ということについて個人的に感じたことをまとめていきたい。読むうえで、最新作ポケモンの公式情報が気になる方は下記サイトから確認して頂きたい。

※ここから先、ストーリーのネタバレあります。

・少し前置きすると、私は第二世代(ジョウト地方。クリスタルのヒノアラシが人生初ポケモン)から始まり、第三世代(ホウエン地方。ルビサファプレイを踏まえてエメラルドのバトルフロンティアめっちゃやりこんだ)、第四世代(シンオウ地方。ひみつきち楽しすぎた)、第五世代(イッシュ地方、ストーリーが濃厚だった)、第六世代(カロス地方。厳選がんばってレート潜りまくった)、第七世代(アローラ地方。英語版で全クリした)と、全世代を経験しているポケモンだいすきクラブ会員だ。

・その上で、今作のポケモンには手が出せずにいた。卒論が忙しかったからというのもあったが、私の中で「ポケモンのおもしろさ」における賞味期限が切れてしまっているのではないかという一抹の不安があったからだ。ポケモンがつまらないはずはなく、よって「ポケモンすらつまらなく感じてしまう自分」が現れることが怖かった。しかし、それら全ては杞憂であった。

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・このスクリーンショットが私が残している最古のプレイ画面だ。何を示したいかというと、このあたりになってやっと「やべ、これ日記用にスクリーンショット撮っておかなきゃ」と気付くレベルにはポケモンの世界に没入していたということだ。既に6匹揃っている。
ポケモンソードにはどんな物語があって、どんなポケモンやキャラが出てくるかという情報は既にインターネット上(主にYoutubeや攻略サイト)に多数存在しているので、そちらが気になる方はそちらを頼っていただくとして、ここでは私が私なりに感じた超主観たるガラル見聞録をまとめていきたい。(なお、「まるかめ」というニックネームは同居している祖母が名付けたものだ。)

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・エンジンシティという町に着いた。主人公が住む町は田舎町、そこから2つ3つとマップを進んだ先に、それなりに開かれた都市があるというのがポケモンのお決まりパターンで、ここがそこにあたる。
「ググッイワ!」と鳴く岩ポケモンのイワークは、その様相から「強ポケモン」としてのポジションを持っている(実際ゲームにおけるバトルではそうでもないが、例えばアニポケではそういう扱いだった)。そういうポケモンが町に馴染んで人々と共生している社会を目の当たりにして、ポケモン社会に生きる人々の共生能力を見習いたいと思った。

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・ポケモンは進化する。最初に選んだ相棒サルノリがバチンキーに進化。新ポケでは「どんな姿に進化するのだろう」とワクワクできるのがいい。進化はポケモンの醍醐味だ。そのポケモンが、生物として何故そのような進化を遂げたかを考察するのも面白い。
きっとサルノリは片手に木を持つよりも、両手に木を持つ方が強いということをどこかで学んだのだろう。そして、深化と同時に「ダブルアタック」という技も覚える。こういう細かい工夫がポケモンというコンテンツの愛らしさなのだ。

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・これは主人公のライバルであるホップ君だ。ホップ君は、とにかく褒めてくれる。自己肯定感増強マシンのごとく、隙あらば褒めて褒めて褒めちぎってくれる。普通、ライバルというのは「強敵」であり、倒せないことで四苦八苦して藻掻き苦しむイメージがある(実際にそういうゲームも多い)。
しかし今作では主人公を気持ちよく勝たせ、勝つためのノウハウを効率よく学習するための装置としてホップ君が存在しているようだった。ストレス社会に生きる我々にとって、わざわざ強制的なストレスをゲームに求める時代ではないのかもしれない。今は、このくらいの「接待ライバル」が心地よい。自分に厳しくなろうと思えばいくらでも縛りプレイ(回復禁止など勝手に自分にルールを課すこと)もできるから、という理由もある。

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・これはポケモンキャンプという機能で、ポケモンと戯れている様子だ。ン”可愛い…!!!!疑うことなき「癒し」が両の眼を経由してボラギノールの要領で五臓六腑に広がって染み渡っていくのが理解る。これだけでも買う価値はある。是非とも動画を検索して観て頂きたいが、これまで一元的な表情しか見せなかったポケモンたちが戯れを通じてコロコロと表情を変え、本当にそこで生活しているように映る。これは第三世代が色濃く脳裏に焼き付いているユーザー層である私にとって、革新的なシステムだった。旅をしている間、ポケモンたちの生態はどうなっているのだろう、ボールの中は窮屈ではないだろうか、そんなことばかり考えていた少年にとっては一種の「救済」でもあった。ポケモンキャンプ、ありがとう。

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・本作ではホップ君以外にも魅力ある対戦相手が相当数存在する。その1人が彼、ビート君だ。自分自身のことをエリートと称して主人公たちには上から目線の言葉を投げかけるなど、決して褒められた性格ではないキャラだ。こういうキャラが正々堂々と出てくるのがポケモンのいいところだ。
模範人間の対として、人間の不完全さの表現において秀逸なキャラクター達はプレイヤーを映す鏡でもある。「そういう気持ち、分からなくもない…」そんな悪役の声に耳を傾けてしまったり、「そういう正義もあるんだな」と多角的にキャラが混ざり合う物語の中で視野が拡張される感覚を持つこともある。「多様性」と括ってしまうには味気ない程に、十人十色のキャラを通して自身の価値観を投影できる世界観が用意されている。

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・とりあえず現状では、このように要所要所でゲームのおもしろさを搔い摘みながら順風満帆にストーリーを進めているが、もっとじっくり立ち止まることで見えてくるおもしろさもきっとあるのだろう。ジムバッジは3つ集まった。残りは5つ。明日からも真面目にストーリーを進めつつ、マイペースに裏道横道へと迷い込んでポケモンのおもしろさの由縁をさぐっていきたい。楽しみだ。続く。

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こういう類のコンテンツ力も豊富に持ってるからポケモンはすごい。

(以下、投げ銭おまけコーナーの追加考察。
「レベルの階段を順当に上らせる快楽@ワイルドエリア」
「本質的悪を問う、厄介だけれど愛くるしいエール団」
「マリィの可愛さから考えるファンアートが多い作品としてのポケモン」
の3本です。)


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