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バカバカおれのバカ! 傑作映画『夜を走る』

夜を走る(2021年製作の映画)上映日:2022年05月13日製作国:日本上映時間:125分
監督 佐向
脚本 佐向大
出演者 足立智充 玉置玲 央菜葉菜

バカバカおれのバカ!



なんでこの映画を映画館で観なかったのか。。
どれほど怖くてどれほど笑ったことか。

面白かった。。
細部の描き方が素晴らしいし、飛躍に次ぐ飛躍で誰が何がどこまで行ったのか。もしくはジッとそこにいたのか。
最高。

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何の情報も入れなかったので
勝手にシンプルな逃亡劇を想像してました。
下手したら中盤以降ずっと車の中くらいかと。

そしたらびっくりのスピードで話がコロコロと転がって
挙句マルチバース(←監督曰く)が展開してと、終盤は観客イラネ状態に。

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中盤以降の展開はネタバレ扱いだと思うので、以下に。


足立智充は『いる』『ONODA 一万夜を越えて』『種をまく人』『王国(あるいはその家について)』などで活躍されていて、失礼ながら、いつブレイクするんだ!と思っていましたが、今作で激烈ブレイクですね。
なんですかあの動き、モーションキャプチャですか。
人ができる動きじゃない動きしてましたね。
爽やかイケメンにも見えるし宇宙人にも見えるし。
怖いんですよ。

***

玉置玲央は舞台『夜は短し歩けよ乙女』でパンツ総番長を演じてた人。
同一人物だとはまさか思えず。。
この映画では特に後半はこの人ほとんど動いてないんですよね。。
とにかくじっと静かにしてるだけ。
でもスラスラと嘘をつくし、人に大罪をなすりつける。。

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この映画の何がすごいって、菜葉菜ですよ。
浮気をしてるっていうか、セックスフレンドみたいな男がいるという裏の顔がある人物ではあるんだけど、それ以降はこの人もそんなには演じどころなかったはずなんですよね。。
夫をいないものとして家の中で動くとか、一生蛍光灯買ってこない夫をじわじわ責めるとか、やってることとしてはそれくらい。
育児の大変さとかも重点的に描かれていたわけでもないんですよ。
でも伝わる。
あれ以上出演時間が長かったら彼女の映画になってしまうところだった。。
すごいですよ、菜葉菜。

***

足立智充が女装で出てきた時、僕はあれが橋本理沙になっていることに気づかなかったんです。。
単に〝女装〟しただけだと思っちゃったのです。
なので「異性装(この場合は女装)をゲテモノ扱いしてる!」と思って、ドン引きしてしまいました。。
で途中で橋本理沙(自分が殺した女性)になってるんだ…と気づいてから、うわなるほどすげえなこの映画どこまで行くんだ、と。。

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撮影もスクラップ工場も全部良かったなぁ。。

今作はかなり後半からトリッキーすぎたので賛否が分かれる映画になっちゃったけど、もうちょっとストレートな犯罪映画とか撮ったらあっという間に海外映画祭とか総ナメしちゃうよね。

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