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税金=悪なのか?

先日の衆院選で、賃上げを公約に掲げる政党が多かったですが。
それに対して「賃上げより減税や社会保険料の値下げをしてほしい。国民負担率を下げろ」という声があり、実際「消費税を5%に」とか「消費税ゼロにする」という政党までありましたね。

ですが、それってどうなんでしょうか。

私自身、少ない給料から容赦なく税金と社会保険料を引かれている身ですが、税金を安くしてほしいとは思ったことがありません(給料は上げてほしいです)。

もし政府が「わかりました、税金も社会保険料もゼロにします!その代わり公的サービスはすべて有料化、全額自己負担でお願いしますね!」と言ったら、公立の小中学校も授業料がかかり、公園も図書館も有料、医療費も全額自己負担。どう考えても困るのは私たちだからです。

なんだかんだ言っても日本は比較的まともな国であり、汚職まみれで政府が機能していないとか、公共サービスが崩壊しているとかではありません。
世界的に見ても税金や社会保険料が理不尽に高いとも言えません。
(だからこそ、この比較的まともな状態を維持するために、裏金だの公金横領だのは厳しく監視する必要がありますが)

消費税も今の10%でいいと思います(計算がラクですし…)。
消費税をゼロにすると「お金を貯めこんでいるから働かなくても貯金だけで優雅に暮らせるもんね」という「勝ち逃げ層」から税金が取れないので、働かなければ生活できない庶民から見てかえって不公平です。累進性が効かないので貧困層に厳しいという問題は給付で解決できます。

そもそも、世の中の人はどうしてそんなに税金払いたくないのか不思議なくらいです。お金持ちほど節税に血道をあげていたりしますが、その労力がもったいないとは思わないのでしょうか。わけのわからないコンサルティング料や広告料という名目でお金を払うくらいなら、素直に税金として払ったほうがまだしも有意義に使われる望みがあります。

税金というのはコミュニティに参加するうえでのメンバーシップ料みたいなものかと思いますが、コスパとしては悪くないものです。

たとえば地元に充実した公共図書館があってフル活用していれば、住民税くらい余裕で元が取れます。「住民税を下げろ!」と要求するより「充実した公共図書館を作れ!」と要求するほうが賢いです(もちろん図書館以外の各種公共サービスでも良いですが)。

たしかに税金の無駄遣いには厳しく目を配る必要があります。
ただ、減税して公務員の削減と公的サービスの縮小が続けば、国民は自分で自分の首を絞めることになります。
「税金を下げろ!」と要求するより「税金は払う。その替わりまともな待遇で公務員を雇え。人材を育てろ。質の高い公共サービスを提供しろ」と要求したほうが、長い目で見れば得なのです。





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