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健康な血圧を維持する習慣

高血圧は病院やクリニックの中で最も多い疾患の一つではないでしょうか。

血圧が高い状態が続くと、動脈硬化や血管系の合併症を引き起こす可能性が高くしっかりとした観察や管理が必要です。

もちろん血圧は低ければいいというものでもありませんし、薬だけで対処するものでもありません。

そこで今回は血圧に関連する食事や塩分、生活習慣などについて勉強していきたいと思います。



塩分と高血圧

塩分で表現されますが血圧に関係する物はナトリウムです。

ナトリウムは体内の水分バランスを調整する役割を持ちます。過剰なナトリウム摂取は体内の水分保持を促進し、血液量を増加させることで血圧を上昇させます。

多くの研究で、塩分摂取量の減少が血圧を低下させる効果が確認されていますが、減塩することが思うようにうまくいかないことが多々あります。

逆に減塩を意識しすぎて食事量全体が減少してしまう例もあるため、食事指導には注意が必要です。

血圧に関するその他の要因

一つ目に遺伝的要因があります。遺伝的と言っても同じ家で過ごしている場合、同様の食事を摂取している可能性が高いため、食事の影響がないとも言えません。

二つ目に肥満です。肥満や体重増加は高血圧のリスクを高めます。

三つ目に飲酒と喫煙です。両社とも血圧を上昇させる要因ですが、喫煙は動脈への影響が大きいため注意が必要です。

四つ目にストレスです。ストレスは外部からの介入がしずらいため、本人次第となってしまいますが、高血圧以外への影響も考えられるため、職場や学校、対人関係などの解決は健康の観点からも重要です。

五つ目は一番大切な食生活です。後ほど解説しますが、高血圧は食事の影響を大きく受けます。塩分以外にもトランス脂肪酸の過剰摂取やナトリウム以外のミネラルの不足など、量とバランスを整えるだけで大きく変化する可能性があります。

これら複数の要因があって、血圧は変動しています。
もちろん血圧変動には自律神経が大きく関わっているため、自律神経を乱す、不眠やデジタル依存症、睡眠時無呼吸症候群などの存在も忘れてはいけません。

塩分については別の記事で紹介しているためそちらをご覧ください。


ここからは高血圧を是正したり、薬以外の方法で安定させる方法について解説していきます。


運動の効果とおすすめの運動

やはり有酸素運動が最も効果的です。目安として、ウォーキングは15分~30分程度を目標に行います。
ジョギングなどができる状態であれば週に2~3回、30分程度行うと効果的ですが、最初は短い距離から始めていきましょう。
自転車を使用して通勤や移動を考えてみてもいいかもしれません。

筋力トレーニングやストレッチなども効果的ですが、まずは歩く習慣や階段を昇る習慣を作ることが大切です。

カリウムを多く含む食品の摂取

ナトリウムの過剰による影響を少なくする栄養素がカリウムです。
カリウムはナトリウムを排泄する作用があるため、ナトリウムの影響を少なくすることができます。ただし利尿剤を内服している方や慢性腎臓病、人工透析を行っている方はカリウム過剰になる可能性があるため、食材やサプリメント使用の際には医師の判断が必要です。

カリウムは多くの果物や野菜に含まれています。
果物であればバナナ、キウイ、オレンジ、スイカなど、
野菜であれば、ほうれん草やブロッコリー、パセリ、サツマイモなどです。
その他豆類などにも多く含まれています。

健康的な食事と体重管理

野菜、果物、全粒穀物、たんぱく質をバランス良く摂取することが大切です。以前からDASH食といった果物、野菜、全粒穀物、低脂肪乳製品、魚、鶏肉、豆類、ナッツを豊富に含む食事が推奨されています。
逆に飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールを控えることも大切です。
ファストフードや加工食品の割合を下げることも必要かもしれません。

また間食などは健康的なスナック(ナッツ、ヨーグルト、フルーツ)を選び、カロリーを抑えることを意識しましょう。

これらに運動習慣が重なることで高血圧だけではなく、肥満や生活習慣病などの予防や改善に繋がります。


高血圧と睡眠

規則正しい睡眠は自律神経を安定させ、血圧の異常を軽減します。

毎日同じ時間に寝起きすることで、規則正しい睡眠になり体内時計が整います。

寝る前にリラックスするための習慣、例えば軽いストレッチや温浴などを取り入れることでスムーズな入眠が期待できます。

デジタルデバイスを使用しないことも重要です。

さらに睡眠環境を暗く、静かで快適な温度、湿度にすることも大切です。


ここまでさまざまな対策を紹介してきましたが、これらはすべてを個人だけで行うことは困難です。
そこには家族の協力や同じ目標で頑張るパートナーが必要です。

医師や看護師などの医療スタッフはもちろん、家族、地域の住民、友達などあらゆる方の支えが必要です。

知識やアイデアは世の中にたくさんありますが、実際実行するのは本人です。
継続して実行するための環境作りが生活習慣病の改善に繋がります。

通院されている方が少しでもいい状態になれるよう、今後も発信していきます。