前回は腸の不調のシグナルについて勉強しました。
今回は腸を整えるための食事等について勉強していきます。
食事や運動、睡眠など規則正しい生活をすることはとても重要ですが、腸にも規則正しいリズムがあります。
腸のリズムが乱れると腸に余計な負担がかかり疲弊します。
まず腸が最も大事な仕事である消化、吸収をするタイミングは食後2時間と言われています。
そして腸の蠕動運動もっとも活発になるのが消化吸収後の3時間ほどと言われています。
この動きが行われている最中に間食などを行うと、蠕動運動が低下してしまい、悪玉菌の増殖を促してしまいます。
間食や夜更かし、夜食などを控えた方がいいのはこのような理由です。
朝、昼、夜の食生活の基本は規則正しい時間に食べることです。
3食であればできるだけ決まった時間食べ、食後5時間は間食を控えること、食べた後すぐに寝ない、腹7分目~8分目に調節することなどが理想です。
そして食べるものですが、ポイントは腸内環境にいい変化をもたらすものです。
この時重要なことは、何を摂るかを考える前に、何を排除するかということです。腸内環境にいいのもを摂っても、悪いものを摂っていれば意味がありません。
特に悪いものの代表は、サラダ油や時間の経過した質の悪い油、小麦製品、乳製品などの過剰摂取、砂糖や人工甘味料を含んだ物などがあります。
これらを排除するだけでも腸内環境を快方に向かうと思います。
その上で善玉菌が増えやすい、菜食中心に果物や発酵食品、オリゴ糖、食物繊維などを意識することが重要です。
近年の研究で長寿と酪酸菌に関係が注目されています。
酪酸菌は短鎖脂肪酸の一種で腸内を弱酸性にする作用があり、悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌の住みやすい環境に整える手助けをしてくれます。
酪酸菌を直接摂取するためには、ぬか漬けやサプリメントが効果的ですが、酪酸菌の餌となる水溶性の食物繊維をたくさん摂ることが効果的です。
また週3回、30分程度の適度な運動も効果があるとされています。
水溶性食物繊維はわかめなどの海藻系、ゴボウ、オクラ、長芋、こんにゃく、リンゴ、干し椎茸などに多く含まれています。
発酵食品であれば、みそ、納豆、ヨーグルトなども効果的です。
注意する点としては、ヨーグルトであれば砂糖に、納豆であればたれに使い方に気を付ける必要があります。ヨーグルトや納豆自体はとてもいい食品ですが、砂糖やたれなどには腸内環境を乱すものも含まれています。
せっかくいい食品を摂っても効果が低下しては意味がありません。
またチーズなどの乳製品も過剰に摂取すると悪影響を引き起こす可能性もあります。
その他には麹や甘酒なども腸内環境を整えるためには効果的です。
乳酸菌のパートナーとしては有効なのはオリゴ糖です。
オリゴ糖は腸内細菌の餌として重要な働きをしています。
たまねぎやバナナ、大豆など身近なものに多く含まれています。
脂肪酸も腸の働きには欠かせない物であり、特にオメガ3脂肪酸が有名です。鮭や青魚の脂に多く含まれており、アマニ油やエゴマ油といったものもあります。
EPAやDHAのサプリメントも多くありますので、手軽に摂取したい方はおすすめです。
腸にいい食材などを紹介しましたが、あくまで一般的に言われているものに過ぎません。
自身の体に合うか合わないかは試してみないとわかりません。
特に先ほど紹介したオリゴ糖などは小腸で吸収されないと、ガスを発生させたり、便秘や下痢の原因となる可能性もあります。
色々な対策を行う前に、しっかりと自分の体や症状を評価して、改善、悪化の判断をするように心がけましょう。
その注意をすることが、継続できる要因でもあります。
始めたけど効果がわからずやめてしまう人も多いため、是非その点を気にしていただけると幸いです。
腸に関する研究は日々更新されますし、さまざまな病気の裏に腸のとの関係があることが徐々にわかってきています。
すべては生活習慣によるものであり、体を丁寧にメンテナンスして豊かな生活を送れるようにしていきましょう。
参考書籍:図解 腸の話 江田証 著