見出し画像

腸の話に関しては今までにも書いていますが、勉強すればするほど奥が深く、重要な臓器であると感じます。
特に腸は脳と密接に関係しており、免疫など生命を維持する根幹の部分にも関わっていることから腸の健康無くして体の健康なしという意識にもなります。

まずはなぜ腸を整える必要があるのかということから見ていきましょう。

健康で長寿な方の特徴を示す研究結果によると
①体内の慢性炎症が少ない
②適度に体を動かす習慣がある
③生きがいを持っており、人の役に立っているという満足感が高い
という傾向がみられたそうです。

慢性炎症とは風邪や傷などの急性炎症と違い、小さくくすぶる火事のような状態で、細胞に少しずつダメージを与えていきます。

気管支喘息や潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、上咽頭炎、動脈硬化なども広義には慢性炎症といえます。また実際に症状に出ず、気づかないこともあります。

そしてこの慢性炎症に関与している可能性があるのが『腸漏れ症候群』(リーキーガット症候群)です。


この状態は腸のバリア機能が低下しており、悪玉菌の毒素や体内に入れてはいけない毒素を体内に取り込んでしまいます。
その毒素が全身に移動し炎症を起こし、さまざまな症状を引き起こすということです。

うつ病や認知症の中には炎症が関わっている場合もあるとのことで、この点を考えることが治療の効果に影響する可能性もあります。

腸内環境を乱すものは現代社会に数多く存在し、精製された穀物、植物油、加工食品、白砂糖などとても身近に存在します。

また小麦や乳製品の過剰摂取も腸内環境を乱す原因となっています。

このように腸内環境を整えるためには食事から見直す必要があります。

腸内環境を整えることで悪玉菌の数を減らし、免疫細胞や消化吸収の制御が正常にコントロールされるため、全身状態が良好な状態となります。

では具体的な対策を見ていきます。

まず前回の記事でも書いた添加物や加工食品、乳製品や小麦製品の過剰摂取を控えることです。
意外とこれができないケースがあります。
特に高齢者で独居の場合などは食事を簡単に済ましてしまうことが多々あるため、どうしても麺類や糖質の多い食事になります。

次に大豆などのたんぱく質や野菜果物などの食物繊維を多く摂取することです。

たんぱく質を吸収するためにはビタミンやミネラルも必要なため、不足しているという方はサプリメントで補う方法もあります。

そして最後に適度な運動です。
運動には色々と種類がありますが、有酸素運動など20分~30分程度できる強度の運動がオススメです。ウォーキングやサイクリング、水泳などが当てはまりますが、いきなりで辛い方はストレッチから始めてみましょう。


腸を整えるためには生活面、特に食事を見直す必要がありますが、これはどの病気にも当てはまることであり、しっかり実践していくことで効果は表れます。

何が正しいかは人によりますが、まずは無理なく続けられる方法を模索してしっかり評価をすることが大切です。

わからないことがあればいつでもご相談ください。


参考書籍
腸内細菌が喜ぶ生き方
体内の炎症を抑えると病気にならない