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健康長寿のテーマはただの長生きではなく、平均寿命と健康寿命の差をできるだけ短くすることです。

過去からのデータをみても平均寿命、健康寿命ともに延びてはいますが、差はほとんど変わらないということがわかります。

QOL(生活の質)という観点でみると、やはりこの差を小さくすることが大切であると考えられます。

健康寿命との差が縮まらない一番の要因は慢性疾患の存在です。
特に生活習慣病と呼ばれる疾患や肥満などは脳血管障害や心臓病、腎臓病などの発症に大きく関わっています。これらの病気になると介護を受ける確率が高くなります。
介護を受けやすい疾患としては、他にも骨折や認知症、フレイルなども上位にあります。

まずはこれらの発症を防ぐためにも、生活習慣病予防が必要になります。

生活習慣病を予防するためには…

食事習慣の見直し:高脂肪・高塩分の食事やアルコール摂取などは慢性疾患や健康障害のリスクを増加させます。

肥満:過剰な体重は心血管疾患や糖尿病などのリスクを増加させ、健康寿命の短縮につながることがあります。特に肥満の状態は全身の炎症を引き起こす可能性があり、さまざまな慢性疾患の引き金になる可能性があります。

ストレス:精神的なストレスは体内ホルモンの働きに影響を与えるため、さまざまな疾患を引き起こす可能性があります。職場や学校などでのストレスは解決することが困難なこともありますが、体があっての仕事ですので解決できるようにするべきであると考えられます。

外傷:上にも書きましたが、転倒による骨折や手術を受けることで日常生活のレベルが下がってしまうことがあります。活動範囲や生活レベルを維持するためには骨折をしないようにする対策を講じる必要があります。


生活習慣を変えるためには、習慣に関する癖や原因を理解する必要があります。以下の記事に触れていますのでそちらもご覧ください。


また都道県別の平均寿命の一覧をみると2020年度の結果では滋賀県が男性で1位、女性で2位となっています。

さまざまな側面があるとは思いますが、要因としては、喫煙や飲酒をする人の数が少ないことや失業者が少ないことなどがあるようです。

その他県をあげて、健康寿命を延伸するプロジェクトをしているようですので、社会的なサポートや健診の場を提供することも重要であると考えられます。

よって健康寿命を延ばすためには、地域や国をあげた政策というものも重要であることがわかります。

ただ実際に行動をするのは個人ですので、しっかりとした情報提供と、そこに対してアンテナを向ける姿勢が大切になります。


当院も心臓リハビリテーションやメディカルフィットネスに通院されている方には、健診以外に、身体機能測定や体組成測定、体力測定などを行い、フレイルチェックや体の不調を取り除くための情報提供を行っております。

健康は自らがデザインして作り上げていくものという意識をしっかり持っていけるように、今後も精進していきたいと思います。