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以前にも腸の話を書きましたが、今日はもう少し詳しい話をしていきます。


腸は栄養素の吸収や排泄以外にも免疫の調整、神経系への働き、ホルモンの調節などにも関与しています。

腸を整えることは健康を維持するためには欠かすことができません。
一見、腸と関係がないような病気でも実は腸の不調が原因であるということもあります。


その一つが肺がんと言われています。

肺がんはタバコを吸う男性に多いイメージですが、近年タバコを吸わない女性にも多くなっているといいます。
肺がんにも種類がありますが、タバコの影響が比較的少ないとされている肺腺癌が特に腸の影響を受けやすいと言われています。

大腸が出す悪玉菌がこのがんの発症に影響している可能性があり、乳がんや前立腺がんなども同じ原理で発症する可能性があるといいます。

そのため腸内環境を整えることは禁煙をすることと同じくらい重要であるという認識が必要かもしれません。


また近年では「リーキーガット症候群」という言葉もよく聞くようになりました。

ガットは腸、リーキーは英語のLeakで漏れ出すという意味です。
つまり腸から漏れ出すという状態になります。

小腸には絨毛部という栄養素を吸収する部位があります。この部分に炎症が起こると、普段であれば吸収しない、もしくはしてはいけない分子を吸収してしまいます。

本来血液中に侵入してはいけないものが血液中に入るため炎症や防御反応、アレルギー反応を示します。
花粉症やアトピー、神経疾患が腸と関連があるのはこのためです。

リーキーガット症候群の原因は一つではありませんが、やはり食生活が大きいと思われています。
特にショ糖(白砂糖)から作られた甘いものなどをよく食べる場合は注意が必要です。

腸の粘膜はバリア機能がありますが、そのバリア機能を正常に保つために、食事の影響はとても重要です。

腸の状態をよくするためには、食物繊維や酵素をしっかり摂取することが重要です。

すべてを列挙することはできませんが、マーガリンや一部のパンなどに含まれているショートニングなどは腸内環境を悪化させる可能性があります。

その一方で納豆やキムチ、味噌などの発酵食品は腸内環境を整えてくれる働きがあります。


また肉や魚などのたんぱく質は筋肉を作る上では重要ですが食べ過ぎはよくありません。

野菜や果物などはビタミンやミネラルが豊富であり腸に限らず、健康には欠かせない食材です。
そのまま食べるのが苦手であればミキサーなどでジュースにするのもオススメです。


便秘や下痢など腸に関連する症状は身近ですが、意外な病気や症状に関連していると思うとやはり侮れないなと思います。


それだけ現代の食生活が体に与える影響が大きいのだと感じます。

健康な生活はバランスの取れた食生活から始まります。

当院でも色々な情報を発信していきますし、管理栄養士の栄養指導も行っておりますのでその際にもアイデアや工夫などを聞いてみてください。