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読書メモ・『思考の穴  イェール大学集中講義  分かっていても間違える 全人類のための思考法』 アン・ウ-キョン著 2023年9月12日発行

人を惑わせる様々な バイアスについて調べ そうした バイアスを正す方法を考案してきた心理学 教授が書いた本です。

課題を先延ばしした学生は、することは全く同じなのに、今 対処するより未来に対処する方がうまくできると思ってしまい、後から苦しむだとか、誤謬した医師は自身が立てた 仮説を裏付ける 質問しか 尋ねなかったりなど。出だしから確かにそう思う。

上にあるのは確証バイアスの説明ですが、自分が正しいと思える 証拠 ばかり集めてしまったり、 最初の考えに固執して間違えたり。 エレベーターのドア ボタンの「閉じる」を押下下から閉まったのか あるいはエレベーターが時間を置いて自動的に閉めたのか。 
自分の自説の裏付けを取ろうとする習慣を壊すには 何から始めたらいいのか。 確証バイアスが招く 悲惨な事態について知ることだったり、「しないこと」によるリスクが小さいものから 反証を得る練習を始めることも。
たとえば日々の生活にいつもと違うことを取り入れるのもいい。思いがけず 自説を否定することになるようになったり、楽しんでやってきたことや 信じてやってきたことが意外とこだわる必要がないことだったと判明するかもしれない。 
存在すら知らなかった 生花店・八百屋・バーを発見するようになると、自分はかなり限定された生活を送っていて他の選択肢を模索してこなかったのだと気がついたり。 
食堂で食事をする時に無作為に1品を選んでみると、新たな お気に入りの料理が見つかるかもしれない。通勤の際、いつもと違うルートを使ってみる、 友達と買い物へ行った時に友達に選んでもらった服を買うとかも。
人生は可能性にあふれている、いくつ見つけられるかはあなた次第。

「ただやってみる」も 効果的。ヘリコプターはなぜ飛ぶかをわかっていたとしても 実際に説明してみると簡単にできなかったりする。自分で自分に フィードバックするわけだから、過信していることに気づく。さらに説明を求めるとその先に進めないことを客観視できるから。

家のリフォームをする時も含めて、何事も 見積もりする時は 50%増しで考えた方がいい。 不測の事態が生じてしまうものだから。だいたい 思い浮かばない 障害が不測の事態。当初から想定できないもの。 

原因はこれだと信じてしまう「思い込み」。小さな原因であったとしても、原因がかけ離れていると思われるほど小さいと、受け容れられない。昔の細菌であったり。コロナ 感染も最初は自分はかからないと豪語する人がいたり。小さな原因も大きく影響する。日常生活の中でも、笑顔は幸運になるための小さな要因の一つだ。

他の原因を除外してしまうことも ある。新人俳優がドラマで活躍したとして、その後 その新人俳優が有名な俳優の子供と判明すると、コネで入ったのねと。当初 実力があるとみなされたりみなされかけたのに、コネが原因であると思われてしまう。
真に迫るエピソードも影響が大きい。それがレアケース であったとしても。 データなどの数字を理解するよりも影響を受ける。それを避けるためには、大数の法則を利用したり、平均への回帰を思い起こそう。大体の人は最初のデートで結婚を決めることはまず ないですしね。


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