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分析と予測の違いが分かりますか?

みなさん、こんにちは
ふくだです。

今日は「分析」と「予測」について、最近気になっていることを記事化しておきます。どうも意味をちゃんと理解しないまま、混在して使われるケースが少なくとも私の周りには多いです。

分析と予測の言葉の意味

Wikipediaで調べるとそれぞれ下記のような意味です。まあ、概ねイメージ通りです。

分析
1.ある物事を分解して、それらを成立させている成分・要素・側面を明らかにすること。
2.物質の鑑識・検出、また化学的組成を定性的・定量的に鑑別すること。記事 分析化学に詳しい。
3.概念の内容を構成する諸徴表を各個別に分けて明らかにすること。
4.証明するべき命題から、それを成立させる条件へ次々に遡っていくやり方。
予測(ヒットしなかったので予測で代替)
1.未来のことについて、あらかじめ見当をつけること。
2.まだわからないことを想像すること。

分析と予測のつながり

企業の経営企画や事業企画部門にいると、「市場や競合の分析」とか「未来予測」という言葉が頻繁に出てきます。現状の自社や他社の事業売上や競合動向などを分析して、自社が攻めていくプランを考えるというのは、当然の行為です。一般的な経営企画部門の業務はこれになります。

このような業務に関しては、「分析」→「予測」という流れは、直近のある程度見えている未来を推定するには非常に有効な考え方です。データの解析には、テキストマイニングやビックデータ解析など色々なツールが出てきているので、うまく活用すれば多くの知見が得られます。

ただ、COVID-19のような想定外の事態や顧客も想定していなかった変化に対しては、ほとんど意味を持たないです。例えば、ここまでSNSとか動画配信はちょっと前の世代には誰も実現するとはイメージを持っていなかったはずです。そういった内容を過去の事例をベースにどんなに整理しても、予測できません。

もちろん、「分析」自体に意味がないと言っている訳ではありません。しっかりと「分析」をして、自分たちの進むべき方向性をロジカルに決めることは非常に重要です。ただ、不測の事態に備えて、違った視点で「未来を予測」しておくことが大事です。そうすれば、不測の事態が起こっても、対処しやすくなります。

未来を予測するとは?

一つの根が深い問題は、会社内で想定している全ての事象に「分析」→「予測」と同じ土俵で行おうとするケースが多いということです。会社の中では、既存事業の成長だけでなく、新しい市場の創や研究所での新しいテーマを設定するときなど「過去の分析」が全く役立たないことがあるというのが認識されていなかったりします。「これまでの市場」を分析したら、「未来の市場」を予測できるよね、と言われたりします。これはちょっと乱暴な論理展開です。

過去の情報から分析するだけであれば、費用や人員の問題はありますが、全ての会社で同じような「予測」がでています。市場調査本を購入したり、コンサルタントを雇ったりしても似たような内容になってしまいます。やはり、未来の創造にはこういった取り組みは適していないので、同じ価値観で判断してはダメだと思っています。

本人の意思による未来創造を目指したい

現在のように予測困難な時代には、外部に依頼して事業を組み立てても追いつかないです。特に、社内のメンバーの内発的動機を大事にしたい。「どういった製品を作って」、「誰に使ってもらって」、「どんな社会を実現したいのか」という点を過去の市場だけでなく、本人の意思で考えてもらいたいです。

なかなか難しい部分がありますが、「自分がこれをやりたいと思っているから」という理由で新事業を産み出しても良い訳です。もちろん、社内の説得が困難であることは否めないですが・・・

そういったアイデアを「想定顧客に聴く」、「テストユーザーになってもらう」、「販売して使ってもらう」などを繰り返して、自分の内発的動機から創出した未来像をブラッシュアップしていきたいです。そういった活動が分析による過去のデータを使った事業創造ではなくて、未来の事業を創出するということに繋がります。

その結果、「ユーザーについて何が価値なのか」、「提供施策がユーザー価値を実現できているか」などを何度もぐるぐる考えていきます。一見するとずっと同じところに立ち止まっていて、既存事業をやっている人からすると何もやっていないように思われたりします。実はそうではなくて、らせん状にぐるぐる回りながらビジネスアイデアをブラッシュアッ

そういった経験をしたことがない人だと、「何をのんびりしているのか?」とか「もっと市場規模などを調べないのか?」と思われがちですが、そもそものロジックが違います。そういったところを理解していない人たちが議論をすると、全くかみ合わなくて、社内で上の地位の人の意見だけで方針が決まったりします。

そうならないように、色々と考えているのですが、実態としてはなかなか難しい部分が多いのも事実です。そんな日常を少しでも変えていこうと頑張っていこうと思います。

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