文化人類学カフェ便り2013年8月号


「サイボーグだらけの日本?」

 7月25日の人類学カフェのお題は『サイボーグだらけの日本?』でした。SFアニメや特撮ヒーローで有名なサイボーグですが、辞書的な意味は「身体の機能を電子機器をはじめとした人工物に入れ替えるコトで身体機能の補助や強化を行った人間」のことです。

 考えてみると、私たちの日常はサイボーグであふれています。車椅子利用者もそうですし、人工関節、人工臓器利用者もそうです。目が悪くてメガネやコンタクトレンズに頼るぼくだってサイボーグです。話を広げると、長距離移動のために車や飛行機を利用することもサイボーグなのかもしれません。

 「よりよい生活のために物理的な自然環境、特に『肉体という自然』を機械でコントロールすること」。広い意味でサイボーグとはそう定義づけできそうです。人間自身を含む自然環境を徹底的に考え、生活を満足させる。サイボーグとは自然と社会の二つの側面の交差点なのかもしれません。

 次回は8月28日(水)。お題は「リング(輪、円)」です。

※特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづる発行の『ぐれいす村便り(2013年8月号)』掲載分を加筆修正しています。

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