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2024年4月 活動報告

新年"度"明けましておめでとうございます。福島です。早いもので大槌に移住してから1年が経ちました。
2年目最初の活動報告です。1年分の成長をお見せできるよう頑張ってまいります。
(写真は吉里吉里のあづまやさん)


祝・協働型緩衝帯整備事業 官民連携協定締結

冒頭から漢字の羅列で申し訳ないです。中国語じゃなくて日本語です。
実はこの事業の実現に向けて、昨秋くらいから水面下で色々と動いておりました。「荒れ地の草刈りは誰が実施すべきか?」はクマ出没で出動する度に考えていたテーマであり(昨年9月の月報)、今回の「協働型緩衝帯整備事業」は私(と役場の方)が出した1つの答えです。

名前の通り「複数の事業者が協定を結び、協働して緩衝帯を整備(≒ヤブ払い)する」という事業なのですが、なんでこんな大掛かりなことになったかということについて「昨年9月の月報で書いた自分の考え」に対して回答する形式で説明してみます。公開されている過去の自分と対話する機会なんて中々無いので。長くなります。

私としては「放置することで生じる危険性」「管理で恩恵を被る人数」「管理する費用」あたりのバランスを考慮して、荒れ地ごとに草刈りの優先度を設定すると良いのではないかと考えています。

9月の月報より

結論から言えば、概ねこの方式になりました。具体的には「学校周辺にある」「クマ出没の要因になっている」「整備に専門的な技術が必要」といった荒れ地を優先して整備することにしました。そのために、荒れ地ごとの優先度を評価するための評価基準を設定しました。このような評価基準が無いと整備の優先度に不公平感が生じてしまう(たとえ実際は公平であったとしても)ため、より多くの方が納得できるような評価基準となるよう注力しました。

今回の計画案は、予算の都合もあり学校周辺にある特に重要度の高いヤブに限定されています。次回以降の計画案ではより安全なまちづくりになるよう今回の整備計画を発展させてまいります。

多くの子供が通る通学路沿いの荒れ地を巡って「草を刈りなさい!」と揉めるのは簡単ですが、揉めてる間にクマが出るんだったら第三者でさっさと刈ってしまった方が安心ですし。

9月の月報より

実際に地域の方にお話を伺うと、「是非刈ってくれ!」といったご意向の方はいらっしゃいましたが、「刈るな!」という方はいらっしゃいませんでした。「刈るな!」という状況は稀有だろうと予想はしておりましたが、仮にそうだった場合はそもそも実施できなくなるため第一関門突破といった感覚です。
しかしながら「(隣の荒れ地を)是非刈ってくれ!(所有者はどこかに引っ越していないけど)」という状況が少なからずあり、所有者確認は引き続き重要です。覆水盆に返らず、切った柿の木は戻らずということでトラブルが起きぬよう丁寧な確認の実施を事業者の方と共有しました。

そして「第三者でさっさと刈ってしまった方が安心」、この点を解決する上で今回の協働型が非常に重要になってきます。
従来の緩衝帯整備事業は、「どこそこにあるヤブをいついつまでに刈ってください」という仕事を引き受ける事業者を募る公募型の事業でした。これについては行政の事業としては至極当然の形態であり、恐らく日本中の緩衝帯整備はこの手続きを経ています。しかし「クマが出たから今日明日で刈ってほしい」といったスピード感のある対応は弱点となっており、「クマ騒動が落ち着いてから草刈りが始まる」といったこともありました。複数の事業者が連携している本事業では募集から実際に草刈りに着手するまでの期間を大幅に短縮することが可能になり、より迅速に対応できるようになります。

また、連携することで別の利点もあります。
竹を切るなら6月と9月、雑木を切るなら繁茂していない時期、のように緩衝帯整備には「実施に適した時期」があります(勿論、緊急性が無い場合ですが)。これは言い換えれば「その時期であれば、いつ実施しても良い」という非常に高い柔軟性を意味しています。公募型だとどうしても納期が短くなるため繁忙期と被った事業者は申込みが難しくなりますが、期間にゆとりがあるためより多くの事業者が参加できるようになり、より広い範囲を整備できるようになります。何より、繁忙期が異なる事業者が手を結ぶことで通年での整備が可能になり、隙のない体制の構築に繋がります。

その費用はどうするんだという避けては通れぬ大きな問題があるわけですが、そこも含めてより良いアイデアを提案できればなと模索する日々です。

9月の月報より

大変ありがたい話ですが、この度事業としてスタートする運びとなりました。何分特殊な事業であるためスムーズにはいきませんでしたが(特に企画当初)、整備事業の必要性や特殊性を説明する機会を幾度も設けて頂きました。特に他部署の方からは鋭いご指摘や参考になるご助言を頂き、より良い計画の立案に繋がりました。

無事に協定が締結されましたが、実際の整備はこれからが本番です。
今年の実施の進行、そして来年の計画策定を見据えて引き続き注力します。

立派な締結式を開催して頂きました

福島"隊員"、出動

人生初の出猟でシカを捕まえた(3月月報)私ですが、この度鳥獣被害対策実施隊隊員を拝命しました。これにより猟期以外でもシカ(とかハクビシンとか)を獲れるようになりました。契約ハンターになったからにはドシドシ獲りたい!(更に言えばお世話になっている農家さんにちょっと良いところ見せたい!)ということで「役場の業務」と並行して捕獲に勤しむことになりました。

猟期では鉄砲の都合もあり山側の地域で捕獲していましたが、今回は住宅地の中にある農地で捕獲を行うことにしました。なぜなら、昨年からお借りしている畑の近くには大量のシカが出没しており、前々からずっと捕獲を狙っていたからです。
例によって小林式誘引法で捕獲を狙います(クマが来ないよう葉物野菜をエサにして)。シカの挙動を見るためにセンサーカメラ(動物が前を通ると動画を撮ってくれるカメラ)の購入手続きを進め、いざ開始!!!

前回と打って変わって小さいメス

1日で獲れた。びっくり。センサーカメラまだ届いてないんだけど。
シカからすれば「ずっと安全だった場所に罠があった」という完全に不意打ちなわけで、いささかズルいなと思わなくはないですが捕獲は捕獲。今回はちゃんと車に積んで自力で搬入することができました。

残念ながら自分の準備不足もあり「食肉」ではなく「廃棄」として処分しました。反省。装備を整え直したので、次回こそは食肉として搬入して「プロハンターデビュー」ができるよう引き続き頑張ります。

遅れてやってきた秘密兵器ことセンサーカメラ

動き出す動物たち

春。それは別れと出会い、そしてクマが目覚める季節。
今年初めてのクマによる物損被害が発生しました。人がすぐ近くを通る場所に連日出没していたため、捕獲の手配をしました。

そして後日、別の方から「子グマがうずくまっています!」という通報を受け、現場に出動しました。子グマと言えば一番怖い存在です。万全を期し装備を整えます。
電話で聞いた情報に違和感を覚えながら現場に到着、警察とともに子グマを確認しました。

かわいい

「キツネ……ですね……」
どうやら近くの巣穴に住んでいたのに、偶然親と離れてしまったようです。巣穴の前まで運び、後は親の回収に期待します。

それとは別に今月もイノシシも出没しました。
ハクビシンによる被害の相談もあり、動物たちが動き出しているのを感じます。

銃検査

4月24日(水)、中央公民館で銃砲の検査を受けてきました。いわゆる「一斉検査」と呼ばれるもので、「ちゃんと登録した銃を使ってますよ、もちろん違法改造なんてしていませんよ」ということを年に1回警察官にチェックしてもらう会です。昨年度に銃砲を持った私は初めての検査なのでドキドキです。
今回初めて中央公民館に入ったため会場が合っているか不安でしたが、駐車場に停まっている車が軽トラ、軽トラ、オフロード車、軽トラ、オフロード車、そしてパトカーという明らかに偏った車種だったため一安心。「書類に不備無いよな……?」とソワソワしながら検査が始まりました。
一人落ち着かない私とは対照的に、他の皆さんは流石慣れていらっしゃるため落ち着いています。銃砲所持者全員が対象である都合上、町内ハンターの会合といった様子を呈していました。
私を担当した警察官もどうやら新人さんだったようでお互いにあたふたする場面もありましたが、特に大きな問題も無く検査を終えることができました。
引き続き安全第一で丁寧に管理してまいります。

農業×コミュニケーション~Season 2~

昨年同様に今年も畑の一部をお借りしてミニ農業を始めました。
野菜の収穫は当然目的ではありますが、今年はすぐ近くでシカの捕獲をしているため昨年とは一味違います。具体的には周囲の景色が違って見えます。シカはどの程度来ているのか、歩いているルートはどこか……。そういったことを考えるためには現地に行くのが一番ということもあり、畑作業と非常に相性が良いです。シカの捕獲は農家さんにとっても非常に関心の高いテーマであるため、コミュニケーションの幅も広がります。

勿論畑作業もマイペースで楽しみます。目指せ収穫。そのためにシカを獲り野菜を護りたい。昨年とはちょっと視点が違う畑作業が今から楽しみです。

昨年より少しだけ開墾しました

以上で4月の報告を終わります。最後までお読み頂きありがとうございました。

出張リスト

4月24日(水)@中央公民館。銃砲検査のため。

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