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指定難病紹介 全333疾患の紹介

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NPO法人「希少難病ネットつながる」の理事長・香取久之が難病について紹介。 現在指定難病になっているものをここにすべてまとめようと思います。 RDneTページ→https://…
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#COGY

難病についてのまとめ、希少難病ネットつながるのニュースなど

塚地です。

ここ数年来難病についての情報提供を手伝っております。

この記事では「希少象難病ネットつながる」の最新情報をお届け致します。

ただいま、クラウドファンディングを行なっております。

自分の力で一歩前へ。足こぎ車いすCOGY(コギー)を届けたい!

本人の目標は500万円だそうですが、
塚地的には1000万円が目標です。

フジテレビ『ザ・ノンフィクション』(2020年8月16日放送

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難病紹介 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(指定難病45)

気管支喘息やアレルギー性鼻炎をもっている患者で、白血球の一種である好酸球が異常に増加して体の様々な場所の細い血管に炎症(血管炎)を起こし血液の流れが悪くなって種々の臓器の障害を生じる病気。早期に炎症をとる治療を行うことで血管炎が抑えられて症状も改善するが、末梢神経の障害によるしびれは長く残ることがある。また、治療を弱めたり中止したりすると、しばしば再発するので慎重な観察が必要である。日本で現在医療

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難病紹介 多発血管炎性肉芽腫症(指定難病44)

多発血管炎性肉芽腫症は以前はウェゲナー肉芽腫症と称されていた疾患で、1939年に鼻と肺の肉芽腫および全身の血管炎と壊死性半月体形成性糸球体腎炎を示した3症例がはじめて報告された。発熱、全身倦怠感、食欲不振などの炎症を思わせる症状と鼻、眼、耳、咽喉頭などの上気道および肺、腎の3つの臓器の炎症による症状が一度にあるいは次々に起こってくる。その原因は今のところわかっていないが、全身の血管の炎症による病気

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難病紹介 顕微鏡的多発血管炎(指定難病43)

顕微鏡的多発血管炎は、腎臓、肺、皮膚、神経などの臓器に分布する小型血管(顕微鏡で観察できる太さの細小動・静脈や毛細血管)の血管壁に炎症をおこし、出血したり血栓を形成したりするために、臓器・組織に血流障害や壊死がおこり臓器機能が損なわれる病気。とくに、腎臓の糸球体と呼ばれる毛細血管および肺の肺胞を取り囲む毛細血管の壊死をともなう炎症が特徴的。全国の年間発生数は約1,400人と推定されている。欧米に比

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難病紹介 巨細胞性動脈炎(指定難病41)

巨細胞性動脈炎は、血管炎と呼ばれる病気のグループに含まれ、高齢の方に起こり、主に頭部の動脈がつまって症状を起こす、珍しい病気。血管を顕微鏡で観察すると巨細胞という核をたくさん持つ巨大な細胞がみられるため、巨細胞動脈炎と名づけられた。別名として側頭動脈炎があるが、現在の正式病名は「巨細胞性動脈炎」。
2015年より厚生労働省の定める指定難病に認定された。1998年の厚生省による調査では、日本の患者数

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難病紹介 高安動脈炎(指定難病40)

高安動脈炎は大動脈やそこから分かれている大きな血管に炎症が生じ、血管が狭窄したり閉塞したりして、脳、心臓、腎臓といった重要な臓器に障害を与えたり、手足が疲れやすくなったりする原因不明の血管炎。炎症が生じた血管の部位によって様々な症状がでる。
わが国の高安右人教授が1908年に初めて報告したので高安動脈炎と呼ばれている。かつて大動脈炎症候群とも言われたが、病変は大動脈以外の全身に生ずることがあるため

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難病紹介 中毒性表皮壊死症(指定難病39)

中毒性表皮壊死症(TEN)はライエル症候群とも呼ばれ、高熱や全身倦怠感などの症状を伴って、口唇・口腔、眼、外陰部などを含む全身に紅斑(赤い斑点)や水疱(水ぶくれ)、びらん(ただれ)が広範囲に出現する重篤な疾患。中毒性表皮壊死症とスティーブンス・ジョンソン症候群は重症多形滲出性紅斑と呼ばれる1つの疾患群に含まれ、大部分の中毒性表皮壊死症はスティーブンス・ジョンソン症候群から進展して生じる。
本邦では

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難病紹介 スティーヴンス・ジョンソン症候群(指定難病38)

スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)は皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれ、口唇・口腔、眼、鼻、外陰部などの粘膜にびらん(ただれ)が生じ、全身の皮膚に紅斑(赤い斑点)、水疱(水ぶくれ)、びらんなどが多発する病気。発熱や全身倦怠感などの全身症状も出現する。スティーヴンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症は重症多形滲出性紅斑といわれる同じ疾患群に含まれ、びらんや水疱など皮膚の剥がれた面積が全体表面積の1

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難病紹介 膿疱性乾癬(汎発型)(指定難病37)

「乾癬(かんせん)」という皮膚病のうち発熱や皮膚の発赤とともに「膿疱(のうほう~皮膚に膿がたまったもの)」がたくさん出現する病型を「膿疱性乾癬」と呼び、尋常性(じんじょうせい)乾癬(最も多いタイプの乾癬)と区別している。膿疱は血液中の白血球が集まったものだが、細菌感染ではない(無菌性膿疱)ので、他人に伝染する心配はない。膿疱性乾癬はさらにいくつかの病型に区別される。膿疱性乾癬の皮疹が体の一部だけ(

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難病紹介 表皮水疱症(指定難病36)

表皮水疱症は、表皮~基底膜~真皮の接着を担っている接着構造分子が生まれつき少ないか消失しているため、日常生活で皮膚に加わる力に耐えることができずに表皮が真皮から剥がれて水ぶくれ(水疱)や皮膚潰瘍を生じてしまう疾患。そのうち、表皮が千切れて水疱ができる病型を単純型表皮水疱症、表皮と基底膜の間で剥がれて水疱ができる病型を接合部型表皮水疱症、基底膜と真皮の間で剥がれる病型を栄養障害型表皮水疱症と呼ぶ。尚

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難病紹介 天疱瘡(指定難病35)

天疱瘡は自分の上皮細胞を接着させる分子に対する抗体により皮膚や粘膜に水疱(みずぶくれ)やびらんを生じる自己免疫性水疱症。厚生労働省の衛生行政報告例の統計によれば、天疱瘡で特定疾患医療受給者証を交付されている患者は日本全国で5500人ほど(平成25年度)となっている。 世界での報告を見ると年間発生率が100万人あたり1人から100人までと人種および地域による差は大きい。南米やアフリカの一部には落葉状

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難病紹介 神経線維腫症(指定難病34)

神経線維腫症Ⅰ型 (NF-1 エヌエフワン)はカフェ・オ・レ斑、神経線維腫という皮膚の病変を特徴とし、そのほか骨、眼、神経系などに様々な病変を生じる遺伝性の疾患。第17番めの染色体17qにあるNF1という遺伝子の変異でneurofibrominという蛋白が正常に働かなくなって起こる。NF1は1882年にドイツの病理学者レックリングハウゼン氏によりはじめて報告されたためレックリングハウゼン病とも呼ば

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難病紹介 シュワルツ・ヤンペル症候群(指定難病33)

Schwartz-Jampel(シュワルツーヤンペル)症候群は筋肉の硬直と骨・軟骨等の異常により動きにくくなる症状がでる疾患。世界で100人以上報告があるが、日本での患者数は把握されていない。パールカンという遺伝子の異常が原因であり、常染色体劣性という形式で遺伝する疾患で世界では血族結婚の多い地域で患者が報告されている。筋肉がこわばったり骨の異常が起こり上手に動けなくなったり、目や口の周りの筋肉も

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難病紹介 自己貪食空胞性ミオパチー(指定難病32)

全身の骨格筋の筋細胞の中に特異な空胞(自己貪食空胞)が出現するきわめてまれな遺伝性の筋肉の疾患(ミオパチー)で、現在のところ、発症のメカニズムは不明、治療方法も確立していない。
代表的な疾患に、1)ダノン病、と2)過剰自己貪食を伴うミオパチー(XMEA)があるが、この他に十分わかっていないタイプが複数ある。
ダノン病は重症の心筋症と進行性の四肢の筋力低下・筋萎縮を来す予後不良な病気。
一方のXME

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