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初心者必見!これさえわかれば参加できるボランティア案内

 台風15号、台風19号で被害を受けた多くの被災地でボランティアが不足していると報道されています。ところが、支援したいけど、どのように参加すれば良いかわからない。そんな声をよく聞きます。
 時間が経ってニュースも減り、そして、これから被災地は冬になり、ますますボランティアは減っていくと予想されます。宮城県丸森町では復旧が進まず、来春までボランティアが必要になるのではという話もあります。

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写真①、②:2011年11月17日に宮城県丸森町にてボランティア活動に参加した時の様子です。まだまだ土砂や瓦礫がいたるところにありました。


 今こそ、ボランティアに行って欲しい。そんな思いで、初心者のために、”これさえ分かっていれば参加できる”ボランティア案内をまとめてみました。

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明日は我が身!被災者を支援しながら防災スキルも学べる

言わずもがな災害ボランティアは被災者を支援するものです。主に浸水などで被災した住宅の土砂をかいたり、瓦礫の撤去などを行います。
ボランティアが来ないと被災者はすべて自分でやらないといけません。
例えば床上浸水したら、まずは家具屋家電類などをすべて自宅から運び出して土砂をかく。泥を取り除いたら、畳や床を剥がし、床下のどろを撤去。などなど途方もない作業です。
しかも、高齢化のため老夫婦が作業していることが多く、とても自分たちではできません。そこで災害ボランティアが被災者のお手伝いをします。

ただし、ボランティアの価値は被災者支援だけではありません。
ボランティアをすることは自身の防災スキルも得られます。これだけ多くの災害が起きている日本で、自身の住む場所が安全とは言い切れません。
明日は我が身です。ボランティアをすることは自分が被災した時、どのように復旧すれば良いか、というシミュレーションにもなります。
なので、被災者を支援する気持ちを大事にしつつも、自身の防災スキルも学べてしまう。そのような気持ちで災害ボランティアをしてみるのはどうでしょうか。


それでは、具体的なボランティアへの参加方法を説明します。


1.まずは情報収集

情報収集

いざボランティアをしてみようと思っても、どのサイトをみていいかわからない、というのが実情だとおもいます。

災害ボランティアの募集は以下のサイトをご覧ください。

ボランティアの参加希望者は被災した自治体にそれぞれ設けられているボランティアセンター(通称:VC)で受付をします。上記のサイトはVCを運営する社会福祉協議会のサイトです。


2.行きたいところを選ぶ

行きたいところを選ぶ

現状では多くの場所でボランティアが行われていますが、どこに行ったら良いか悩むかと思います。

ベストは一番困っているところです。
ニュースを見て、よりボランティアが必要なところを選びましょう。

もちろん、自分の家から近いところ、思い入れがあるところ、行ってみたかったところ、などなど自分が良い思うところで大丈夫です。
私の場合は温泉宿が近くにあるところを選びます(理由は後述)。

場所を決めたらボランティアセンターの住所を調べます。
正直に言ってボランティアセンターの場所はかなりわかりづらいです。
事前にサイトやSNSをしっかり確認しましょう。
わからない場合は電話で確認しても良いと思います。


3.できることでOK!自分に合った作業を探す

自分にあった作業

合わせて大事なのは作業内容。事前にボランティアセンターのSNSなどで作業内容を確認するのも良いかと思います。
ボランティアとなると土砂かきや瓦礫撤去など大変な作業と思いがちかと思います。ただ、それだけではありません。枝や小さなゴミを撤去したり、荷物の整理や搬出をしたり、家の掃除をしたり、色々な作業があります。体力に自信がない方や女性でもやれることはたくさんあります。大変な作業と思っている方も多いかと思いますが、意外にやれることはあるので、自分にあった作業を見つけましょう。


4.行き方を決める

行き方を選ぶ

被災地の多くは公共交通機関で行けない場合が多いです。
近くの大きな都市まで飛行機、新幹線や電車などで行き、その後はレンタカーを使っていきます。
※場所によってはボランティアの方専用のバスもあるので、
 訪問するボランティアセンターに問い合わせしましょう。

レンタカーは早めの予約を
被災地では様々な業者さんも入っており、レンタカーが足りていない場合が多いです。訪問する1週間前には予約するのが良いです。

「ボランティア活動応援」切符を利用しよう

期間限定で復路の乗車券が半額になる切符を販売しております。
※発売・利用期間は2019年11月15日(金)~2019年12月15日(日)


5.多くの人を連れて行こう

多くの人を

一人で行くのももちろん良いですが、せっかくなら友達や同僚などを連れて行きましょう。ボランティアしたいと思っているけど、いけない人が多いのが現状です。是非周りに声をかけて見てください。人が多ければ多いほど支援の力が強くなります。

もしよければ、SNSで一緒に行く人を募集するのも良いかと思います。
その際はこちらがおすすめです。

SNSを使ったカンタン募集サービス「bosyu」

こちらで日時、場所、内容を書いて一緒に行く人を投稿すると、
色々な人から連絡が来る可能性が高いです。


6.泊まってお金を落とそう

お金を落とそう

ボランティアに参加する際は、合わせて前泊、後泊することをお勧めします。被災地近くの観光地は風評被害で観光客が減っていることが多いです。
ただし、直接的な被害がないところも多いです。
そういった観光地を応援するためにも是非宿泊を考えてみてください。
また、宿泊できなくても道の駅などに立ち寄り、お土産を買うだけでももちろんOK。


7.必要な持ち物をチェック

必要な持ち物

場所と行く人を決めたら、持ち物です。

<事前に用意するもの>
・長袖シャツ、長ズボン(つなぎなどがあればベター)
 瓦礫などで怪我する場合があるので半袖半ズボンは避ける。
 泥などでかなり汚れることがあるので汚くなっても良い格好にすること。
 
・長靴、安全靴などの靴
 汚れて良い硬めの靴が良い。アウトドア用なども可。

・レインコート
 泥が多いところにいったり、雨が降ることもあるので持っておくと良い。

・フリースやダウンなどの防寒具
 これから冬になり寒くなるので、あったかくなれる防寒具を用意。
 ただし、作業すると暑くなるので、脱ぎ着ができるものがベター。

・ゴム手袋
 がれきなどで危ないこと、すべることなどがあるので、普通の軍手ではなくゴム手袋が良い。
 軍手の掌側がゴム加工されているもの(ぶつぶつのものではなく、ベタでゴム加工された手袋)、または水周り用のゴム手袋など。

・マスク3〜5枚
 土埃がまったり、ウィルスが空気中に漂っている可能性もあるのでマスクはマスト。汚れたらこまめに変えるため3〜5枚を持って行く。

・ゴーグル
 同様に土埃が舞うため、目を覆うゴーグルを用意。メガネを持っていない人はマスト。
 メガネの人もメガネをかけながら装着できるゴーグルがあるので買うのがベター。

・ヘルメット
 建物などに頭部をぶつける可能性があるので、あるとベター。
 ない場合はタオルを巻くか、アウトドア用の帽子などをかぶると良い。

・タオル2〜4枚
 汗を拭いたり、頭に巻いたり、何かと使えるので作業用に2〜4枚あったらベター。

・ティッシュ・ウエットティッシュ
 泥などでかなり汚れます。ウィルスなどが付着する可能性があるので、こまめに手や顔などをふくためマストです。

・ビニール袋
 作業でよごれた手袋やマスクを入れたり、食べ物のゴミを捨てるためにビニール袋を用意。その他何かと使えるので大小複数枚あるとベター。

・汚れてもよいバックパック
 荷物を置く場所が必ずしもあるわけではなく、地面などにも置いて良いような汚れて良いバックが良い。

※タオルやマスク、手袋などはボランティアセンターにも用意してあることがありますが、基本は持って行きましょう。

<当日朝コンビニで買うもの>
・昼食
 食べやすいおにぎりやパン、ゼリー飲料などをお勧めします。
・飲み物
 水やスポーツ飲料などを2Lくらいを目安に持って行きましょう。
・チョコ、塩飴など
 ボランティアはかなりの肉体労働です。
 こまめに塩分や糖分を補給すべく、お菓子などを持ってきましょう。

その他、以下サイトなどご覧ください。


8.ボランティア保険に入ろう

ボランティア保険

ようやく現地入りです。ボランティアセンターを訪れ、受付で所定の手続きを行います。ここで大事なのが、ボランティア保険です。
社会福祉協議会が運営しているボランティアセンターでは、ボランティア保険に加入することができます。

※本当は、ご自身が住む自治体の社会福祉協議会で加入するものです。
※事前にWebサイトで申し込むこともできます。


先ほどからお話しているようにウイルスなどが多いため、作業中、瓦礫などで怪我して、破傷風(とても痛い)などになる可能性があります。
それ以外にも様々なリスクがあるので加入することをお勧めします。

ただし、ボランティアは社会福祉協議会以外が運営しているものもあります。その場合は現状ボランティア保険はありません。
あったにこしたことはありませんが、保険がないからやらないとなってしまうとなかなか支援はひろがりません。
なので、保険に入らなければボランティアやってはいけないというものではないことだけご理解ください。


9.”させていただく”心構えを持つ

心構えを持つ

ボランティアセンターで受付をしたら準備万端です。
大体は作業内容に合わせて10名程度のグループになり、被災者のお宅に伺います。チームごとにリーダーがいるので、指示に従って作業をしましょう。

あとはひたすら被災者の気持ちに寄り添うことです。
被災者は避難所で生活したり、被害の受けた自宅で在宅避難していたり、かなりの疲労感やストレスのある中で生活しています。支援するという上から目線ではなく、被災者に寄り添い、家に入ってボランティアさせていただくという気持ちで作業しましょう。


10.見て話して感じる

見て話して感じる

被災者の状況によりますが、被害の状況を見させてもらいましょう。
目に焼き付けることで、思いも強くなり、次なる支援につながります。
そして、お話できるようなら被災者に声をかけてみましょう。
お話することで色々なことを知ることができます。
ただし、無理に聞くことは被災者の感情を傷つけることになるので、くれぐれも慎重に。


11.SNSで発信しよう

SNSで発信

被災地に行ったこと、ボランティアをしたことをSNSで発信しましょう。
あくまで状況によってですが、迷惑にならない範囲で写真や動画を撮って発信するのも良いです。
SNSでボランティアなどの投稿をすることを嫌がる方もいるかと思います。
ただ、現状はボランティアがかなり不足しております。
被災地の今を伝え、ボランティアが少しでも多く参加するためにSNSで発信しましょう。
ただし、写真については必ず家主やボランティアをしている人の確認を取った上で撮影しましょう。撮影することを嫌がる方もいます。なので、現状をしってもらいたいという思いを伝えて撮影することが大事です。

#台風19号、#台風15号、#ボランティア などのハッシュタグを付けて投稿し拡散するようにすると良いです。


以上です。こちらに書いたことがすべてではありませんので、他の情報なども参考にしてください。

今年は多くの自然災害が起きましたが、被害が広範囲のため、現状のボランティアでは絶対量として数が足りません。
まだボランティアに行ったことがない初心者も是非ボランティアに行ってみましょう。


木村充慶(TBWA\HAKUHODO)

佐々木晶二(元内閣府防災担当官房審議官)

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