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第39回Book Fair読書会~つぶあんか、こしあんか、それが問題だ~

京都で和菓子屋巡りをしたいなあと思う、ふっかー復活委員長です。

今回のBook Fair読書会は、前回に続き新宿で開催しました。

それでは早速、本と帯の紹介をどうぞ!

※( )内の数字は、参加してくださった回数です。

クニちゃんさん(5)→ツイアビ、エーリッヒ・ショイルマン(岡崎照男:訳)『パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集』立風書房

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【皮肉?真実? ぼくらパパラギ】

◆本の紹介、帯の解説
➀Book Fairは半年ぶりの参加。その間に色々読んでいたけれど、結局は昔も読んだこの本を紹介したい。知らない人は是非この機会に読んでほしい。
②「丸い金属」や「重たい紙」なしでは生きられない。「まやかしの暮らし」を求め暗い小屋に集まる。サモア島の村長ツイアビから見た、ヨーロッパの白人=パパラギの奇妙な生活。
文明を外から見た人が指摘する「おかしさ」に、私たちは反論できるだろうか。物語に夢中になって、本当の生活から目を背けていないか…と考えさせられる。

◆雑談、こぼれ話
・ツイアビたち南国の人々は「分け与える」けれど、文明人は「もらえるものはもらう」「でも自分のものはあげない」生き方。
・先住民のものが文明に流れていき、こうやって侵略は進んでいくんだな、と思わされた。

KENさん(8)→阿刀田高『シェイクスピアを楽しむために』新潮文庫

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【賽(さい)は投げられた】

◆本の紹介、帯の解説
➀イギリスを代表する劇作家、ウィリアム・シェイクスピアをより深く知るための解説書。
②個人的には、人間の嫉妬をメインに表現した点が、今でも読み継がれている理由だと感じる。人の心にある「見たくない部分」の描写が、時代を越え、共感を呼んでいるのではないか。
③帯の「賽は投げられた」とは、『ジュリアス・シーザー』の台詞。ローマに反逆するべく、ルビコン川を渡る決意が込められている。
他にも「来た、見た、勝った」「ブルータス、お前もか」など、短く力強い言葉もシェイクスピアの魅力である。

◆雑談、こぼれ話
・シェイクスピアが劇作家として活躍した時期、日本では徳川家康が将軍の座に登りつめ、江戸幕府を開いていた。ちなみに2人の没年は同じ1616年。

やすあきさん(2)→さくらももこ『ももこの世界あっちこっちめぐり』集英社文庫

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【疑似海外旅行 クスッと笑える旅行記】

◆本の紹介、帯の解説
➀さくらももこさんが雑誌に連載していた、1996~7年の海外旅行エッセイ。けっこう昔の話なのに、クスクス笑える。
②月イチの旅に同行するのは、さくらさんの旦那さん。お腹が痛いのにワインを飲み過ぎて動けなくなるなど、トホホなエピソードも…
③最初は「なんでこんな企画を私なんかで組んだんだろう。若いモデルさんとかの方が需要あるんじゃないの」的なことを言いながらも、旅先では色々な趣味にのめりこんで楽しそう!

◆雑談、こぼれ話
いい意味でストッパーがなく、ズケズケ言ってしまうところが面白い!
・声優のTARACOさんが、本作の冒頭部分を朗読した動画を見つけました。これだけで何度も笑ってしまう!
(さくらももこさんは『ちびまる子ちゃん』の作者。TARACOさんはアニメ『ちびまる子ちゃん』の主演)

かなさん(9)→さくらももこ『たいのおかしら』集英社文庫

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【おもしろきこともなき世をおもしろく】

◆本の紹介、帯の解説
➀『もものかんづめ』『さるのこしかけ』に続く、さくらももこさんのエッセイシリーズ3作目。最近、中学生以来に読み「やっぱ面白い!」
ドカベンを読み耽り、台所に寝そべって床の冷えた感触を楽しむ夏休み。しかし、朝から晩まで怠けたせいで、母には泣いて怒られる。そして、二階の窓からドカベン数十冊を投げ捨てられる悲劇が…
英会話教材の登場人物(ジョンとアン)に、ツッコミを入れ続けるくだりも最高。ちなみに、テープを流してはいるものの、思いっきり日本語訳を読んでます…

◆雑談、こぼれ話
・なんと、さくらももこさんのエッセイが連続で紹介!
・不良になっても暴力をふるってもいないのに、「何もしてない」から怒られてしまう違和感。この辺り、ちょっと『コジコジ』に通じるかも(byふっかー)。
・『もものかんづめ』の睡眠学習枕といい、さくらさんと「勉強」「英語」の組み合わせは爆笑を生みますね。

ゆいさん(4)→松平節『所得倍増の男 池田勇人総理と妻・満枝の物語』朝日出版社

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【初代ファーストレディ】

◆本の紹介、帯の解説
➀第58・59・60代内閣総理大臣を務めた池田勇人の政治人生を、妻の視点から描く小説(まだ読み途中!)
池田総理と言えば「所得倍増計画」。夢のようなワードであるこの経済政策は、いかに実行されたのか。フィクションだが、歴史の勉強にもなる。
ボロボロな状態からスタートした池田氏を支えた妻・満枝さんの強さに注目。朝ドラにもなりそう。

◆雑談、こぼれ話
・池田総理の在任期間は、岸信介氏の後、佐藤栄作氏の前。
・同じ広島出身である、現首相の岸田文雄氏が帯コメントを寄せた。

せいやさん(3)→飯田結太『浅草かっぱ橋商店街リアル店舗の奇蹟』プレジデント社

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【店長の熱意を込めた料理道具】

◆本の紹介、帯の解説
➀著者は浅草かっぱ橋商店街にある料理道具店の店長。実際にお店へ行き、本にサインもいただいてきました。
②かつて、店は経営を見直して安売り競争に挑むも、失敗。その窮地を救ったのは、ある日訪れた神様(のようなお客さん)の「もっと、ふわっとした大根おろしができるおろし金がいいんだよ」の一言だった。
③それ以来、仕入れた道具はスタッフが全て試し、お客さんに合う専門的な商品を提案するスタイルで生き残っていく。
その過程で「三つ又フライパン」などユニークな調理器具も紹介される。ビジネス書としても、料理道具の本としても面白い。

◆雑談、こぼれ話
・失敗を次に活かし、愛されるお店になっていくところがマーケティングの面でも興味深い。実演販売のプロである店主さんも「キャラ立ち」している(byせいやさん)。
・せいやさんは浅草かっぱ橋のお店で、「絶対に垂れない醤油差し」を購入!

ふっかー復活委員長(39)→姜尚美『あんこの本 何度でも食べたい。』文春文庫

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【あずきの”旬”はいつでしょう? こしつぶ論争を終わらせる平和の書】

◆本の紹介、帯の解説
➀著者は京都在住のライター。和菓子店の取材をきっかけに、それまで苦手だったあんこにハマると、「あんこを知る旅」を開始。
②あんこの歴史やお店のこだわり、そして美味しそうな写真が満載。「朝食は一家全員小倉トースト」「釜に聴診器を当て、あんが炊ける音を聴く」など、作り手の個性も光る。
ページが二段となり、更にあんこへの愛(執念?)が溢れだす「続・あんこへの道」は圧巻。もう、つぶあん派かこしあん派かで争ってる場合じゃねえ!

◆雑談、こぼれ話
・でもやっぱり、「つぶあん派か、こしあん派か」で盛り上がりました。

参加してくださった皆さん、楽しい時間をありがとうございました!!

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