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ここではないどこか 韓国ドラマの世界 第四回「韓国ドラマな少女マンガ」(せともも)

 今クールのドラマはなかなか本編が放送にならないため、ずっと予告ばかり見ていますが、繰り返し流れている『未満警察』のティーザーをみていて、あれ、これってパク・ソジュンの映画『青年警察』に似てる、と思っていたら、普通にリメイクなんですね。
肉体派パク・ソジュンが平野紫耀で、頭脳派カン・ハヌルが中島健人。
韓国版の主演の二人は、どちらも最近のドラマ『梨泰院クラス』と『椿の花咲く頃』の評価が高く、百想芸術大賞の主演男優賞にノミネートされています。
二つとも、韓国では視聴率も高く、日本でもNetflixで観れて話題です。

それにしても、パク・ソジュンの勢い、すごい!
ここではできるだけ、俳優以外の視点からと銘打ってはいますが、もちろん嫌いなわけではありません。韓国の俳優はどうしても入隊という空白期間が出来てしまうため、キャリアの設計が難しいところもあるようですが、彼はデビューした時にはすでに除隊していたパターンで(最近だと『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』のチョン・ヘインとかもそうみたいです)『魔女の恋愛』あたりで注目されるようになってから、次々に作品ごと違う面をみせてくれています。
『ビューティーインサイド』『パラサイト』で見せる顔がよく優しいキャラクターと、『青年警察』『梨泰院クラス』のスポーツ刈り肉体派。正反対がどちらもしっくりくるのがすごいと思います。個人的にはその中間、『サム、マイウェイ』が好きでした。


 外出自粛期間になって、観る読む聴く時間が増えました。私は、漫画も好きなのですが、今回は、読みながら韓国ドラマっぽいな・・・と感じる(少女)漫画を、その要素と一緒に紹介したいと思います。

韓国ドラマ的要素
・過去のトラウマの共有
・運命的な幼き日の出会い、出来事→再会
・どちらか(主にヒロイン側)のどん底状態
・障害、純真無垢なヒロイン

僕に花のメランコリー/小森みっこ(マーガレットコミックス)
雨宮花は、幼い頃、短いけれど濃密な時間をともに過ごした幼馴染、弓弦と高2になって再会する。しかし初恋だった彼は別人のようになっていて。そこには悲しい過去があった。
・過去のトラウマの共有
・運命となる幼い日の出会い→再会
の王道パターン。プラス喧嘩に明け暮れる(血、痛そう)も韓国っぽいです。
読みながら、わ、韓国ドラマだ!となりました。
そう、前回の違和感の話になりますが、韓国ドラマを見始めた頃すごい多いなと感じたのが、怪我の手当てをしてあげる、というシーン。かならずといっていいほど出てきていました。
再会ものでいうと、『アオハライド』もそうですが、より幼い子供の頃に純粋でキラキラした日々があったこと、親との確執、ヒロインも(物理的に)傷つく、血を流す、というところがより韓国ドラマです。
さらに韓国ドラマっぽさをたすなら、弓弦の親との確執の行方をもう少し描く、でしょうか。
韓国ドラマはラブストーリーでも自分たちだけでは終わりません、だいたい、親、家という背景も重要な要素になります。

プロミスシンデレラ/橘オレコ(マンガワン)
専業主婦の早梅(27)は、平凡ながらも幸せな日々を送っていたが、ある日突然夫に離婚を切り出され、家を出るとスリにあい・・・無一文どん底状態の早梅の前に現れたのは、性格の悪い金持ち高校生、壱成だった。
・どん底状態のヒロインに金持ちの男
というこれも典型パターンですが、10歳の年の差(バツイチアラサー女性と男子高校生)、壱成の性格が最悪というところが特徴的で、暴力シーンが多いところが韓国っぽいです。
さらに同居ものでもあり、途中からは「超鈍感なヒロインだけが気づいてないどっから見ても男はベタ惚れ」状態になりコメディ感が強くなったかと思うと、サスペンス的な要素も・・・連載は第2章に入ったところですが、新しい展開も楽しみです。

ゆびさきと恋々/森下suu(デザート)
聴覚障害のある大学生、雪は、ある日電車の中で助けてもらった同じ大学の逸臣が気になるように。耳の聞こえない自分にも自然に接してくれる逸臣の存在はどんどん大きくなっていく。
でも彼には、何か、恋愛しない理由があるようで・・・
・障害、純真無垢なヒロイン
ある意味古典的な、障害があって純粋なヒロイン、ですが、逸臣のルックスがすごく今っぽく韓国っぽい!
これでもし、逸臣の恋愛しない理由が、過去の何かトラウマ的な事件だった。二人は子供の頃会っていた。雪の障害は後天的で、そのきっかけを、実は逸臣と共有していた!
とかになると、一気に韓国ドラマが加速しそうです。


今週末からNHKで放送が始まる『100日の郎君様』を2周目みています。
スウィング・キッズも素晴らしかった、D.O主演で、わかってはいる展開(過去のトラウマの共有+運命的な幼き日の出会い、出来事→再会)ですが、のめり込んでしまいます。


韓国映画のリメイクドラマ、「未満警察」のことを書きましたが、
次回は「日本から韓国、のリメイクドラマ」について紹介したいと思います。


せともも
ラジオを中心に、脚本などを書いています。
韓国ドラマを、できるだけ、俳優以外の視点で紹介します。
http://www.setomomo.net

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