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”3人モノ”について(相馬 光)

 映画やドラマなどで2人組で事件や困難に立ち向かう話を”バディモノ”なんて呼び方をする。

 よく見るパターンとして、片方が真面目で、もう片方がふざけているor当人は無意識のうちにふざけた状況に陥っているor両方ともめちゃくちゃ真面目な場合がある。
(パッと思いつくのだと、『ブルースブラザーズ』、『ホット・ファズ〜俺たちスーパーポリスメン〜』、『ナイス・ガイズ!』、『キングスマン』、『21ジャンプストリート』『デンジャラス・バディ』などっていうか全部コメディ映画で自分で勝手にびっくりした)

 これが4人以上になると”チームモノ”になる。チームになると、さらにキャラクターはバラエティに富む。生真面目、おバカ、臆病、過激派、ひねくれ者、トラブルメーカー……。
 完璧に見えるチームモノでも外部からの横槍や、内部のエゴでチームワークが崩れ、それぞれの人間的な面(上記したそれぞれのキャラクター)が見え始める。
 そして度重なる困難を経ながらも、そこからそれぞれの個性を発揮して再起を図るor目も当てられないくらいに崩壊していく。
(パッと思いつくのだと、『七人の侍』、『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』、『現金に体を張れ』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『レザボア・ドッグス』、『ベテラン』、『その土曜日、7時58分』、『ベイビードライバー』など)

 そんな中、バディともチームとも言い難い人数がある。それが”3人”だ。
 この”3人”というのが好きだ。多数決をしても引き分けにならない。
 バディにしては1人多い、チームにしては少ない。だけどどちらにもない独特のグルーヴがある。真面目とおバカにプラスしてエキセントリックなキャラがいることが多い。このキャラクターは真面目でありおバカであり、そのどちらにも無い独自の考えを持って行動する。いわばトリックスター的な側面もあるのだ。

 そういえば、私にはしょっちゅう飲みに行く友人が2人いて、いつも大体私とその友人2人の計3人で夜の町を(たまに昼の町)を酔っ払いながら歩く。ただ飲み屋にいるだけならいいのだが、なぜかきまって歩くのだ。コンビニを見つける度に酒やつまみを買い、フラッフラになりながら次の駅へ次の駅へと歩いていく。多分ちょっと世界線がズレて、死者が蘇って人類を襲ってる世界に迷い込んだら間違いなく”死者側”にカウントされて撃ち抜かれている。

 ちなみにこの”歩き飲み”をしている間は記憶がある。しかし、帰ってくる時の記憶は大体ない。
 そして一旦バタンと倒れて寝た後、はたと起きてスマホの電源を入れ、「どうか他所様にだけはご迷惑をおかけしてませんように」と祈りながらLINEを見返し、歩き飲みをした友人たちのグループに「今日はありがとう」の意味を込めて横山光輝版『三国志』の周瑜が吐血するLINEスタンプを送ったりしている。毎度毎度怪我もなく帰ってきている事は本当に奇跡だと思う。神様、本当にありがとう。これからも頑張って飲み歩くね。 
 あと何年か前に『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!』という景気の良いタイトルの映画(内容も「おっさん5人がキャッキャしながら12店のビアパブ巡りをしている間に世界の破滅が近づいてくる」という景気の良さ)が公開される時、映画になぞらえて、”期間内に渋谷にある12軒のビアパブを巡ってスタンプを集めて映画グッズと交換しよう!”という中々パンチの効いたスタンプラリーをやっていた

 私と映画好きの友人で「やってやろうじゃないか」と盛り上がって、一晩かけて渋谷のビアパブを巡った。思えばその時も”3人”だった。途中から何がおかしいのか「エヘヘへ」と笑いながら道を歩いたり、全く見も知らない客から「本田圭佑が使ってる香水の匂い嗅ぐ?」って匂いの染み付いた付箋みたいな紙を渡されたりした(あの紙どこから持ってきたんだろう)。
 結局10店目で終電&限界が訪れて帰路についた。翌日は二日酔い、というか全く酒が抜けず引き続きただただ同じように酔ってた。その更に翌日に映画が公開となり、脳が溶けてフルーチェみたいになってんじゃないかってくらいにガンガンに響く二日酔いを引きずって映画館に行って、集めたスタンプをグッズと交換しようとしたら、「映画関連グッズは全て配布終了となりました」と言われガックリした。そしたらスタッフさんが申し訳なさそうに「こちらでしたらまだございますので……」と言って瓶ビールを3本持ってきた。「散々ビール飲む映画のキャンペーンでしこたまビール飲んだ挙句、プレゼントでビール貰うってなんなんだよ」って思いが頭を駆け巡ったけど、結局「エヘヘへ」と笑いながらビールを受け取って映画を見た、ってとこまで一気に書いて、今「あれ、なんの話だっけ?」ってなったんだけど、まじでなんの話をしてるんだろう。”3人モノ”の話はどうした?

 なんかね、もっと在宅でも見られる楽しい映画をご紹介!みたいなことやりたかったの。”3人モノ”とかの括りまで作ったのにさ。なのになんでこんなことになっちゃったんだろう。でもまぁ、いいか。でもさ、早く落ち着いたらまたこんな思い出を作りたいなぁと毎日思っているよ。みんなで映画見て、お酒飲んで、楽しい時間を過ごしたい。

 最後に下記に私の好きな”3人モノ”映画を載せます。明るく笑える映画多めです。上記にて挙げた”バディもの”と”チームもの”映画も、よろしければご覧くださいませ。

私の好きな”3人モノ映画”
宇宙人ポール
スーパーバッド 童貞ウォーズ
アイリッシュマン
ニュータウンの青春
ドリーム(原題:Hidden Figures)』
東京ゴッドファーザーズ
ペイン&ゲイン 史上最低の一獲千金
音楽
サボテンブラザーズ
きっと、うまくいく

 あ、つい最近までテレビでやっていた『映像研には手を出すな!』も3人だ。大好きなアニメだ。

 もし他にも「こんなのあるよ〜」っていうのがあったら教えてください。

 以下、映画館&飲食店を支援できるサイトを載せます。

新型コロナの影響で苦境に立っている映画館を支援できるサイトです。

『京阪神の映画館をTシャツを買って支援する「Save our local cinemas」始動』

『未来へつなごう!!多様な映画文化を育んできた全国のミニシアターをみんなで応援 ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金』

こちらは飲食店の食券を先払いできるサービスです。
営業再開後に是非。

『「みらいの食券」は飲食店の食券(回数券)をスマホで事前に購入できるサービスです。』

『未来の売上を“今”お店に オートリザーブ』



相馬 光(そうま ひかる)
文芸をやっている。特に脚本を書く。
脚本『新米姉妹のふたりごはん(4月16日から再放送始まります!)』
脚本協力『グッド・ドクター(4月9日から再放送始まっています!)』、『ストロベリーナイト・サーガ』など
第29回フジテレビヤングシナリオ大賞佳作『サヨナラニッポン!』
第28回フジテレビヤングシナリオ大賞最終選考『余命60秒』
インターネットウミウシ名義で『書き出し小説大賞』と『文芸ヌー』にも書いている。


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