イベント登壇の「飽きさせない話し方」 はじまりから終わりまでの3万文字ガイド
富家(ふけ)と申します。
いつもお世話になっているみなさん、ありがとうございます。
突然ですが、みなさんはイベントやセミナー、なんらかの動画収録等で人前で話す機会はありますか?
『めちゃくちゃやってます!』って人にも、『増えてきました…』って人にも聞きたいんですが。
スピーカー(登壇者)として人前で話すのって、めちゃくちゃむずかしくないですか?
緊張うんぬんはもちろん、イベントやセミナーでの登壇となると掲げられたテーマにふさわしい内容を話さないといけません。かつ、できるだけおもしろい話をしないと聞いてくださっている人を飽きさせてしまうし、呼んでくれた企業(人)に申し訳ない…。
ただ、ふと隣に目を向ければ歴戦の猛者たちがチラチラと目につき、始まる前からお腹が痛い・・なんてこともザラですよね。
僕もえらそうに言える立場ではまったくないのですが、BtoBマーケターとしてお仕事をさせていただく中で、ありがたいことにさまざまなイベントやセミナー/ウェビナー、展示会、勉強会・・・など、お話をする機会をいただいてきました。
単独で基調講演に臨みテーマに沿ったお話をすることもあれば、モデレーターとして進行したり、パネルディスカッションのスピーカーとして自分の意見やアイデアをお伝えしたり、時には、たくさんのカメラに囲まれながら浴衣を着てキャリアについてお話をすることもしました。コロナ禍が明け始めた最初のリアルとオンラインのハイブリッド配信のイベントで、150人くらい入る会場に3人くらいしかいなかったこともあります。
聞いてくださる方の時間をいただくので、お役に立てる話をしよう!というのはもちろん、『どうせならたのしんでほしい!』と、飽きずに最後まで聞いてもらえるように準備して臨んできました。
このnoteは、イベントやセミナーにおける「飽きさせない話し方」を実現するための「実践に使える考え方と具体的なTipsを掴む」ことを目的に書きました。これまでの登壇の中で経験してきたことを踏まえ、”飽きさせない話し方”とはなにか、を「4つの要素」と「6つのポイント」に分けて解説します。
ご自身が話す方/話せるようになりたい方はもちろん、イベントを企画するマーケターの方や、インサイドセールス/営業の方にも参考にしていただけると思います!
拙い文章なのはご容赦いただきつつ、これから登壇やイベント/セミナーに関わる方に読んでいただけるとうれしいです。
自己紹介
1990年生まれ、大阪出身の2児のパパです。
コニカミノルタジャパンでマーケティング組織の立ち上げに関わらせていただきました。2023年9月より、株式会社EVeMのマーケターとして仕事をしています。
EVeMは、スタートアップ/ベンチャーマネジメントという領域を徹底的に言語化し、知識とトレーニングを提供することで、あらゆる企業のチャレンジが、マネジメントの力によってカタチになり、豊かな社会になることを実現しようとしています。
イベントやセミナーの活動や取り上げていただいた記事はこちらにまとまっています。
個人事業主としてもBtoBマーケティングの支援をさせていただいてます。お仕事のご相談がありましたら、遠慮なくご連絡ください!
それでは、さっそく本編です。
なぜ、たのしくないとダメなのか
おそらく、みなさんの頭に浮かぶのは『そもそも、イベントやセミナーにおいて、話がおもしろい必要があるのか?』という疑問、だと思います。役に立つ話ができればそれでいいじゃないか?ということですね。
もちろん、間違ってないです。おっしゃるとおりです。
ただ、ご自身の胸に手をあてて考えてほしいのですが、「役に立つかもしれないけれど、とてもじゃないけど最後まで聞いてられない話」ってありますよね。ゆったりとしたテンポで抑揚もなく淡々と続く…とか、小難しい話を聞いたこともない横文字だらけで、かつアッチャコッチャに話が飛ぶ…とか。
『これは聞いてられないな‥』と思ったことは1度や2度じゃないはずです。
これを、マーケティング施策やセールスの活動として実施するイベントやセミナーであることを前提に、もう少し具体的にイメージしましょう。
イベントやセミナーを実施する目的は、「リードを獲得したい」「商談機会をいただきたい」「会社/サービスを知ってほしい」…などですよね。極端な話、「リード獲得」が目的であれば、申込みが完了した時点で目的達成と言えなくもないです。
ただ、その申し込んでくれた人が『申し込んでみたはいいが、聞き始めてみるとなんとも退屈だ。たしかに役には立ちそうだ、でもとてもじゃないけど最後まで聞いてられない…』と離脱してしまったとします。
この方は果たして自社の取引につながるでしょうか。
長期で見れば結果は変わるかもしれませんが、少なくとも短期的には取引には繋がりません。なんならイベントを開催した企業に対して、損をさせられたような…期待を裏切られたような…そんな体験から、ネガティブ印象を持ってしまうことも十分に考えられます。
ここまでを踏まえて、なぜ、たのしくないといけないのかと言うと。
最後まで聞いてもらわないと、伝えたいことが届きません。
ポジティブな印象を持ってもらわないと、(最終的に)取引に繋がらないので実施する意味がありません。
伝えたいことを届けるために、そしてポジティブな印象を持ってもらいなんらかの取引につなげていくために、最後までたのしく聞いてもらうための「飽きさせない話し方」が大事、ということですね。
スピーカーに求められる責任は、とても大きいです。
では、「飽きさせない話し方」っていったいなんでしょうか?どんなことを意識すれば、それができるようになるのでしょうか?
それは…聞いてくださる人に…
”不快”を感じさせないこと、”快感”を感じてもらうこと、です。
”不快”を感じさせない、”快感”を感じてもらう・・とはいったいどういう意味かを、飽きさせない話し方に必要な「要素」から解説していきます。
”不快”を感じさせないための「理解」
”不快”を感じさせないこと、とはつまり「理解」することにストレスを感じさせないことです。論理的に理解できる内容であること、理解が追いついている状態をつくり、維持することです。
「理解」することにパワーが必要な話は、やっぱり、最後まで聞くのはむずかしいです。小難しい横文字が並ぶと途端に頭に入ってこなくなって眠くなるのは、まさにコレです。
”不快”を感じさせないためにスッと理解できる”構成”で話す内容をつくり、聞いている人と歩みをそろえながら”進行”することで、”不快”を感じさせないことが大事です。
”快感”を感じてもらうための「共感」
”快感”を感じてもらうこと、とはつまり「共感」を通じてたのしい!と感じてもらうことです。共感にはたくさんの意味や解釈がありますが、このnoteでは「スピーカーの感情に触れて、その感情を擬似体験すること」という意味で使っています。
スピーカーの感情が伝わるような”ストーリー”やそれらを真摯な”スタンス”で伝えることで、”快感”を感じてもらうことが大事です。
話す内容
どれだけスピーカーが優れていたとしても、実際に話す内容が良くないと聞いている人を飽きさせてしまいます。
もっとも重要な「話す内容」は、4つの要素で構成されています。
“伝えたいこと”をコアに、”具体的なTips”や”抽象的なノウハウ”、スピーカーの”感情”がそれらを包んでいるようなイメージです。後述しますが、どれが欠けても「役に立っておもしろい話」にはなりません。4つすべてがバランスよく構成されていることが大事です。
その人らしさが現れる「考え方」
『話す内容が大事!』という話をしましたが、みなさんはどういう話をおもしろいと感じますか?
正しいコンテンツがおもしろいか、と言われたら違和感が残ります。では、オリジナリティのある話がおもしろいかと言われたら、それはもちろんそうですが、世の中にあるコンテンツはどこかで見たような”正解らしき”コンテンツが溢れており、オリジナリティの塊のようなコンテンツはごくごく稀です。
私はおもしろいおもしろくないを分けるものは、人と内容がうまくミックスされているかどうかだと思っています。
中身そのものよりも、その中身を導き出した「考え方」にその人らしさが表現され、それに共感する時におもしろいと感じる、と思っています。
また、それらを導き出した「考え方」に触れた時、スピーカーを”ひとりの人”として認知します。「テーマについて話す人」から「◯◯さん」という認識に変わる瞬間は、まさにそうした瞬間ではないでしょうか?
他にも、例えば偉業を成し遂げられた方の話がおもしろいのは、独自性の高いコンテンツであることとは別に、生き様からくる「考え方」に魅力が詰まっているからだと思っています。仮に、話し方が上手でなくても飽きずに聞けるのはそうした理由も背景にあると思います。
その人らしさは「考え方」に現れるからこそ、飽きさせない話し方に必要な要素のひとつとしてとても大事だと思っています。
”飽きさせない話し方”に必要な4つの要素
ここまでの話を整理し、図解すると下記のようになります。
4つの要素それぞれに対してアプローチをすることで、飽きさせない話し方の実現を目指します。ここからは、より具体的なTipsを6つのポイントに絞ってお伝えします!
”飽きさせない話し方”に必要な6つのポイント
「4つの要素」に「6つのポイント」を加えたものを先に図解します。
一気に図がうるさくなってしまってすみません・・・。
”飽きさせない話し方”の全体図は下記になります!
イベントやセミナーが図の左端からスタートし、終わりに向かって右へ右へと移っていきます。
その過程の中で、「第一印象の壁を突破」することでようやくスタートラインに立ちます。そこから、話を「理解」してもらう段階に入ったあとに、少しずつ「共感」に向かっていき、最後まで飽きずに聞いてもらえる・・・という構図になります。
なので、飽きさせない話し方に必要な6つのポイントは、それぞれ「①第一印象の壁突破」「②構成」「③進行」「④ストーリー」「⑤スタンス」「⑥トーク」です。
それぞれの概要は下記です。
前置きが長くなってしまってごめんなさい。
ここから、それぞれのポイントを具体的に解説していきます。
ポイント①:”第一印象の壁”を突破する
みなさんも経験があると思いますが、スピーカーの第一印象で「おおよそのアタリ」をつけませんか?おおよそのアタリとは「自分の大切な時間をこの人の話を聞く時間につかってもいいのかを判断すること」です。
みなさんはどうでしょうか?
すごくシビアに判断されているんじゃないかな、と思います。時間を確保して足を運んだリアルなイベントであれば、『なにかを持って帰るぞ!!』とイスに座りなおすかもしれませんが、ウェビナーであれば、閉じるボタンを押すか、もはや聞いていないこともザラだと思います。
聴講者、視聴者の時の厳しい目を自分自身に再度インストールしなおしてみていただいて…その目で見て「おおよそのアタリ」で合格点をもらうことが大事になります。
そしてそこで合格点をもらうためには、快活さと安心感、そして期待感を持ってもらうことが重要です。
快活な印象を持ってもらう
まずは、快活※な印象を持ってもらうことがとにかく重要です。そのためには、背筋を伸ばして堂々と、ハキハキ元気よく!が大切です。
だれも、わざわざどんよりとしている人の話を聞こうとは思いません。その人のキャラクターや好みの問題はありますが、テンションは高すぎるくらいでちょうどいいです。
背筋をのばす・・はリアルな会場ではもちろん、自宅から配信するウェビナーの場合でも同様です。背もたれに背中を預けないようにしてください。
快活な印象を持ってもらうためには、以下の3つの要素を押さえましょう。
見た目
相手に与えたい印象で服装を選ぶ
清潔感がとにかく大事
カメラや照明に気を使う
態度
ニコニコするけど、でへでへしない
背筋を伸ばして、背中を預けない
キョロキョロしない、下を向かない、よそ見しない
腕組みしない
手遊びしない
声色
元気よく、ハキハキと
お腹から声を出す
テンションなんて高いくらいでちょうどいい(2回目)
僕も経験があるのですが、緊張のあまりついつい手遊びをしてしまったり、フラフラしてしまったりはあると思います。それは仕方のないことなので落ち込まないでください。次、がんばりましょう!
おおよそのアタリで合格点をもらう
おおよそのアタリで合格点をもらうためには、「不安にさせない」+「安心感を与える」ことでこれから投資する時間に見合う価値を感じてもらうことが大事です。
みなさんが視聴する立場として、どういう時に不安になるでしょうか?
たとえば・・
緊張はわかりやすい例ですが、冒頭から余計な話が多く、なかなか本題に入っていかない時も不安に感じてしまいますよね。自分自身のこれまでの経験から、不安に感じてしまった冒頭の一瞬を見逃さずに感じ取り、自分はやらようにすることが大切です。
次に安心感を与えるために必要なことですが、これはひとことで言えます。
それは、「ハッタリでもいいので、場馴れ感を演出する」です。つまり『あー、この人は人前で話すことに慣れてるんだろうな』と思ってもらうことです。
そのために大事なことは2つあります。
1つ目は、すべってもいいので「最初に場を和ませる冗談を言う」ことです。おもしろい冗談まで用意しないといけないの?と思うかもしれませんが、冗談はおもしろくなくてもいいです。(そりゃあ、おもしろいほうがいいのは言うまでもありませんが…)
冗談がおもしろいかどうかは重要ではなく、このスピーカーは冗談を言う人であり、この場は笑ってもいい場であることをこちらから伝えることが大事です。特にリアルイベントだと顕著ですが、冒頭で「笑ってもいいよの合意形成」をしていないのに、途中で急に冗談を言っても笑いのリアクションは返ってきません。むしろ変な緊張感が視聴者側に走ります。
なので、最初に冗談を言うことで「場馴れ感の演出」と「笑ってもいいよの合意形成」を行うようにしましょう!
2つ目は、冗談を言ったあとは、しっかりちょっとウケても、仮に大スベリしても「サッと身を引いて本題にはいる」です。ウケたからといって欲をかかない、大スベりしても動揺しないことがなによりの「場馴れ感の演出」に繋がります。あらかじめ絶対にそうすると決めておけば、案外ダメージも少ないです。夜寝る前に思い出してちょっと『うぅ・・』ってなるだけです。
ぜひ、やってみてください。
続いて、少し耳の痛い話をします。覚悟してくださいね?
自己紹介なんてなくてもいい、くらいでちょうどいい
つい勘違いしてしまうのですが、イベントやセミナーに集まってくれた人や聞いてくれている人は「あなたが話す内容に興味がある」のであって、基本的にだれも「あなたには興味がない」です。
にもかかわらず、テーマには関係のない趣味の話や、必要以上の会社情報、これまでのキャリア…みたいな話をされても、基本的にはどうでもいいわけです。それが話すメインテーマに関わるのであればもちろん話すべきですが、そうでないなら話すべきではありません。
改めて理解しないといけないのは、「自己紹介で話すべきこと」は「話すテーマ」と「自己紹介で伝えられること」が重なっている部分だけ、ということです。
このnoteでは、これまでの登壇実績を先にお伝えしたうえで必要最低限の内容に絞って自己紹介しました。登壇実績をお伝えしたのは、話すテーマと被っているからというのと、信ぴょう性を伝えるためです。飽きさせない話し方!というテーマのnoteを書いてる人が登壇したことなければ、『なんの話やねん!』ですしね。
もし仮に、僕の趣味であるキャンプの話をnoteの冒頭で3,000文字に渡って書いていたとしたら、みなさんどうされていたでしょうか?
おそらく即離脱しているか、高速スクロールで読み飛ばしたと思います。リアルタイムのイベントやセミナーは、読み飛ばせないからこそタチが悪いのでほんとうに注意が必要です。
それでは、第一印象の壁を突破する!のまとめです。
<まとめ>第一印象の壁を突破する
まずは、自信を持ってください。大丈夫です。堂々と胸を張って、臨んでください。
そして、自分を伝えるための言葉はそんなに必要ありません。あくまでも話すテーマに真摯に向き合って、一生懸命伝えようとする姿勢を見せてください。最後まで飽きずに聞いてもらえることができれば、自己紹介でだらだらと自分の話をするよりももっと、あなたのことが伝わっています。
第一印象の壁を突破したら、続いて「構成」です。
ポイント②:”不快”を感じさせない「構成」
みなさんも、スピーカーの話を聞いていて感じたことありますよね?
『ん?』と、なにかが引っかかる瞬間には”不快”を感じているはずです。不快を感じた瞬間に、聞く意欲は大きく削がれてしまいますよね。
話を聞くというのはすごくパワーがいることです。だからこそスピーカーは自分が話す内容は「論理的に理解できるという土台の上にすべてが成り立っている必要がある」、ということを強く自覚しないといけません。(自戒)
というわけで、自分が伝えたいことを論理的に伝える/理解してもらうための「構成」が重要になってきます。この場合の「構成」とは、話す内容の組み立て方です。イベント/セミナーですので、多くの場合は=登壇資料、なります。
元も子もないことを言いますが、”飽きさせない話し方”には、飽きさせないコンテンツが必要です。役に立つかどうかとおもしろいかどうかの4象限で切ってみると、以下のように整理できます。
左下の「具体性に欠ける抽象的なノウハウ」ばかりで、スピーカーの感情もノッていないとなると『聞いてられない』となります。左上に行くと、具体的なTipsが話されるので役に立つかもしれませんが、スピーカーの考え方は見えてこず、訴えかけてくるなにかは感じません。そうなると『勉強になるけど、ねむくなってしまう』ということになってしまいます。
続いてで右下です。感情も伝えたいこともはっきりと伝わってはくるので、たしかにおもしろいかもしれません。ですが、なにも残らずあまり役には立ちません。
やはり理想は右上です。役に立つノウハウやTipsが散りばめられており、なぜそう考えるかの感情や芯となる伝えたいことが明確な場合『役に立つし、おもしろい』が実現できるようになります。
そのためには話す内容の構成が非常に重要になってきます。
私がいつも使っている構成をご紹介します。
理解を促す構成
ずばり、以下です。
今回のnoteもこの構成を意識しています。「第一印象の壁突破」に当てはめてみると下記のようになります。
”飽きさせない話し方”とはなにか?という問に対して、「”不快”を感じさせないこと、”快感”を感じてもらうこと」という抽象的なノウハウを伝えています。
これを「4つの要素」と「6つのポイント」に構造化して伝え、『では、①第一印象の壁突破から…』と、具体的なTipsに落とし込みながら解説を進めていきました。
途中で、セルフツッコミ(自己紹介なんていらない…)を入れながら、まとめではまたやや抽象度を高めて「つまり、第一印象の壁突破を一言で言うと、自信を持って堂々と…」というメッセージを伝えています。
もちろんコレは完璧な構成ではありませんが、はじめて登壇される方や、まだまだ慣れていない…という方は、まずはこれにはめてみて自分の思考を整理いただくのが良いと思います。
続いて、構成を練る際の注意事項を3つお伝えします。
それぞれ、解説します。
注意事項①:もったいぶらずに、サビは最初に持ってくる
渾身のサビ・・もったいぶってませんか?
やめましょう。
サビは最初に持ってきましょう!袋とじにしたいコンテンツこそいちばん最初に開けてしまいましょう!
この場合のサビや袋とじ部分とは、タイトルや問の回収です。
このnoteでも、袋とじを最初にあけています。
「飽きさせない話し方とは?」という問に対して、結論と内容を説明していますが、この部分ですね。
これらにピンとこなかった方はおそらくすでに離脱されており、これらに興味を持っていただいたからこそ、いまここのパートを読んでくださっているのではないでしょうか。
なかなか本題に入っていかないイベント/セミナーは不快に感じて離脱に繋がってしまいますが、サビで興味を惹ければ最後まで聞いてもらえます。サビがいまいち刺さらなかった結果、離脱されてしまうことは防げませんが、時間を無駄にしないのでお互いにとっていいこととも言えます。
もったいぶることにメリットはないので『サビと袋とじはいちばん最初に!』を合言葉に、構成を練ってみてください。
続いて2つ目の注意事項です。
注意事項②:いきなり具体的なTipsから入らない
構造化もせずに、いきなり粒度の細かい具体的なTipsを話してしまうと、『ん?』という違和感を持つことにつながってしまいます。
例えば、「飽きさせない話し方とはなにか?」という問に対して、「ハキハキ話すことで不安に感じさせないことです」と言われると、「それだけじゃなくない?」「ほかにあるのでは?」と思わせる余地をうんでしまいます。
そう感じさせないためには、構造化して全体感を見せながら個別に入っていく、個別からまた全体に戻って、再び個別に入っていく・・・という流れで説明していくことが大切です。
実際のイベントやセミナーであれば、パワーポイント等で投影すると思います。その際はタイトルスライドで全体感や現在地を見せられるようにするといいですね。
注意事項③:「想像は超えるが、理解はできる」ラインを意識する
抽象的なノウハウを伝える際の、注意事項は「想像は超えるが、理解はできる」ラインを意識することです。
飽きさせない話し方とはなにか?という問に対して、今回は「”不快”を感じさせないこと、”快感”を感じてもらうこと」という抽象的なノウハウで表現しました。
みなさんのリアクションを知るすべはありませんが、一旦、『ほうほう、なるほどね』と思っていただいたとしたら、「想像は超えるが理解はできるライン」の中だったのではないでしょうか。(そうじゃなかったらほんとうにすいません。許してください。)
では、それ以外の表現をしていたらどう感じられていたかを考えてみたいと思います。
「それはずばり、飽きさせないことです!」と表現した場合は、『なんやそれ、そのままやないか』というリアクションになったはずです。理解はできるが想像は超えてないということですね。
最後に、「無限に広がるコスモを感じてもらうことです」と表現したらどうでしょうか?想像のラインも理解できるラインも超えてしまっているので、『ん?どういうこと?』と、頭の中に「?」をたくさん浮かべさせてしまうことになってしまったと思います。
やはり惹きとなる部分なので、できるだけキャッチーな表現の方で注目や盛り上がりを作りたいところですが、言葉だけがインパクトがあって中身が伴っていないと元も子もないので気をつけてください。
注意事項を3つお伝えしてきました。
ここからは、スライドについて言及していきたいとおもいます。
準備するスライドの種類とポイント
登壇経験のある方は全員が共感してくださると思うのですが、スライドの準備はほんっっっっっとうに大変ですよね。話すのはいいけどつくる時間をどうにかしたい・・と頭を抱えてしまうのはあるあるだと思います。資料作りに時間ばかりを取られてしまうのは全力で避けたいですが、満足度に直結するのもまた事実です。
このnoteでは時短テクニックはお伝えしませんが、スライドごとに目的と特徴をかけあわせながらつくっていく方法をお伝えします。
私は、スライドの種類は下記のように分けています。
図にすると、下記のイメージです。
「タイトルスライド」と「まとめスライド」の間に、それぞれのスライドを入れ込んでつくっていきましょう。
基本の役割は上述の通りですが、1枚のスライドが複数の役割を担うこともあります。例えば、「動きスライド」と「まとめスライド」は一緒の方がよりイメージして伝えられやすくなりますし、「構造化スライド」は「キラースライド」になりやすいです。(キラースライドはパッと見て思わずスクショしたくなるやつです。ご経験あると思います!)
あるあるなのは、「説明スライド」ばかりで「動きスライド」がなく単調とか、「まとめスライド」や「キラースライド」がなく持ち帰ってもらいたいメッセージがぼやけている、などです。
また、準備するスライドは、読めばわかるスライドを目指します。
デザイン的に見栄えがいいかどうか、はここではそっと横に置いておいてください…。
大事なのは問に対する回答を明確にして、読めばわかるようにすることです。そして、最後まで一定のルールに従ってつくることで、聞いてくださる方の理解のための負荷を減らすことが大事です。
実際のスライドイメージは下記です。
スライドタイトルの部分が”問””になっており、それに対する回答を”メッセージライン”に書きます。図解や画像、表などはあくまでも”回答の補足”として使ってください。
"問"と”メッセージライン”が対となっていて、それだけでこのスライドが成立していることを目指すだけでも、かなりわかりやすくなります。実際にやるのはとてもむずかしいですが、ぜひ意識してみてください。
ちなみに、メッセージラインが下の方にあります!という方も、最後までそのルールなのであればまったく問題ないです。
続いて、個人的にとても大事にしている「動きスライド」についてです。
動きスライドで実現したいこと
動きスライドの価値は、「伝えたいことをイメージで伝えられること」です。
もちろん、単純に画面に動きを加えることで飽きさせないことも目的ですが、伝えたいことをビジュアルでも伝えることで、バシッとメッセージを届けることが目的であり、価値です。
例えば、「◯◯はやらないでください!」というメッセージを伝えたい時は、左上の”制止”をイメージした動きスライドで伝えると伝わりやすくなります。他にも、マーケティング部門とセールス部門の対立をイメージしてもらうために、左下のこども達のケンカのイメージを入れる、などですね。
自分がつくったセミナー資料を見返してみて、ちょっと動きが足りないかな?と思ったら、何枚か追加してみるようにしてください。それだけでもクオリティがあがります。
それでは、まとめです。
<まとめ>”不快”を感じさせない「構成」
小手先のテクニックに傾倒するまえに、まずは論理的に理解できる話を準備することが大事です。”不快”を感じさせないためには、「構成」をしっかりと練る必要があります。とても大変ですが、がんばりどころです。
構成を練るプロセスをしっかりと経ることで、自分が伝えたかったことが研ぎ澄まされていきます。その際、大切なのは相手です。相手が受け取りやすく、理解のためのピースをはめ込みやすいようにしてあげるやさしさと工夫が大切です。
「構成」の次は「進行」の解説です。
ポイント③:”不快”を感じさせない「進行」
”不快”を感じさせない「進行」とはなんでしょうか。
それはズバリ…「歩調を合わせること」です。
みなさんは、話を聞いている中で『なんだかついていけないな…』と感じた経験はありませんか?主張や価値観が合うとか合わないとかそういう意味ではなく、内容の”理解”が追いつかない時ってありますよね。
聞いてくださっている方に、そういった「置いていかれてる感」を感じさせてしまうと”不快”に繋がってしまいます。
それらを避けるためには、話している自分ではなく、聞いてくださっている人のペースに合わせて話をしていくことが大事です。
歩調を合わせるために意識するべきポイントは下記の5つです。
それぞれ、解説していきますね。
まずは、「前提条件を揃える」からです!
なにかを伝えるためには、その前後も含めて伝える必要がある
例えばですが、私が「アンパンマンのために、顔が濡れないスプレーを開発したい!」と言い始めた時、みなさんは瞬時に私の意図を理解してくれると思います。もちろん、賛成か反対かは抜きですし、100人中100人ではないながらも、大多数の人にわかってもらえると思います。
こうした事象が発生する理由から、前提条件を揃える重要性を解説したいと思います。
本来、「アンパンマンのために顔が濡れないスプレーを開発したい」というメッセージを相手にきちんと伝えるためには、それの前後にあることも伝えなければ絶対に伝わりません。
前後にあることとは、そもそものアンパンマンの存在はもちろん、アンパンマンの弱点は顔が濡れることであり、敵であるバイキンマンがそれを逆手に取って攻めてくる、という、情報や知識に基づく前提条件です。
みなさんはそれらを知っているからこそ、「顔が濡れないスプレーを開発したい」というメッセージの意図をすんなり理解できたと思います。
アンパンマンは例え話ですが、では「マーケティングにおける◯◯」だったらどうでしょうか?おそらく丁寧にすり合わせないと私の主張は伝わりません。
スピーカーの方が理解する必要があるのは、伝えたいことの前後にある知識や前提条件が擦り合っていないと自分の伝えたいことは伝わらないという事実です。
ただ、だからといって聞いてくれている人すべてと前提条件を揃えることは不可能です。ゆえに、全員を満足させることも不可能です。どうしたって置いていってしまう人が出るのは仕方がないことでもあると思います。
だからこそスピーカーの方(あるいは企画する人も)どこまでの人に寄り添うのか、という「想定視聴者」を決めることが大切です。
「想定視聴者」とは、例えば業界歴の長さや、担当者なのか責任者なのか、どういう悩みを持っている方なのか、などから具体的に想像して決めるといいですね。なにか具体的なツールについての説明をする、などであれば初心者なのか上級者なのかで伝えるべき前提条件に差がでるのはイメージがつきやすいのではないでしょうか?
伝えたいことの前後にある前提条件の中で、埋めきれない部分は素直に認めつつ、どこまでを埋めるのか?埋める努力をするのか、を明確にして臨むことがとても大事です。
余談ですが、飲み会の時に自分が知らない人の内輪話で盛り上がっていて、ついていけないなーって思ってたら、すかさず「◯◯さんっていうのは✕✕で、△△なんだよ」ってフォロー入れてくれる人は進行が上手な人だと思います。
アクションを促す
行動してほしいことは、こちらからきちんと伝えましょう!
『みなさんならどうしますか?』『みなさんも考えてみてください!』という投げかけはもちろん。『アンケートに回答してみてください!』や『質問をチャットに投稿してみてください!』などのお願いもそうです。
聞くという受動的な状態と、行動するという能動的な状態の間には、とても大きな壁があります。
聞いている方は意識しないとモードは変えられないので、行動してほしいことと、そのきっかけはこちらから明示するほうが親切です。
また行動を誘発することで、受動的な状態から無関心状態にいってしまうのを防ぐ狙いもあります。みなさんも経験があると思いますが、退屈な話は、次第に自分の中の声に耳を傾けはじめ、気がついたら全然別のことを考えたり、なんなら仕事をしはじめたりしますよね。
アクションを促すのは申し訳ない・・ではなく、むしろ積極的に、真摯に、正直に、やってほしいことをお願いするほうが親切だと思います。もちろん、頻度とお願いの仕方には注意が必要です。
理解を待つ
話すこと自体が得意な方ほど要注意ですが、どんどん前に前に・・と進んでいってしまうことで、聞いている人を置いてけぼりにしてしまうことがあります。これはよくないですね。
話されている内容は、スピーカーは事前に考えていたことですし、あたりまえですが、前提条件も擦り合わせるまでもない状態です。でも、聞く方はそうではありません。基本的には、はじめて聞く話ですし、聞きながら理解するのはすごくパワーが必要です。
なので、聞いている人の「理解を待つ間」を持つことが必要です。
特に、構造化スライドを見せた時などは、意識的に間をあけるようにしましょう。「説明しなきゃ!!」と言葉を重ねるのではなく、『少し時間を取りますので、みなさんゆっくりご覧になってください!』とお願いをしてみるのもおすすめです。(なにも言わずに間をあけるのはこわいですしね)
また、それとは別に、あえて水を飲むようにするなどもよいですね。自分自身も一呼吸おけますし、聞いている方も間を持てるようになるので、なかなか間を持てない方はそれからはじめてもいいかもしれませんね。(私はこれが本当に苦手なので、実際に水を飲むようにしています。)
”お茶の間目線”でつまづきをケアする
みなさんは、自分が話をしている様子をどの目線で見ていますか?あるいは見ようとしていますか?
これはほんとうに難しいことなのですが、自分の目線でも、相手の目線でもなく、聞いている人のさらにうしろから見るような目線が理想です。
自分と相手とその周辺の空間をそれぞれを客観視することではじめて『あれ、なんか聞いてくれてる人を置いてけぼりにしてないか?』という空気を感じることができるようになります。
名前はなんでもいいのですが、ここでは「お茶の間目線」と表現しておきます。
お茶の間目線でなければ、『あ、なんかいま空気変わったな・・』とか『あ、ややこしいこと言ったぞ!』とか、『ペースが早すぎてついていけてないかも…』という気づきを、敏感に感じ取ることはできません。
歩調をあわせるには、俯瞰した目線で全体を眺め、小さなつまづきにも目を配ってその都度手を差し伸べる気遣いが必要です。
私もまだまだできていないですが、こればかりは意識と経験の為せる技だと思います。いっしょにがんばりましょう!
セルフツッコミで奥行きを出す
セルフツッコミとは「相手目線で感じる疑問を代弁し、自分で自分にツッコミをいれること」です。セルフツッコミを入れることで、自分の話に展開と中立さをもたらし、聞いている人や話の中身に信頼の土台が形成されます。
セルフツッコミの例は下記です。
実際の話し方としては、下記のような感じです。太字の部分がセルフツッコミにあたる部分です。
上記のとおり、話の展開につなげるようにセルフツッコミを入れるとうまく組み込みやすいと思います。
セルフツッコミの効能は、リズムがうまれるだけではありません。スピーカーが視聴している人の目線を入れることで、①一方的に話をしている状況の中でも双方向感が生まれること、②疑問の解消につながれば満足度向上に貢献すること、③視聴者の目線で話をしていることが伝わり、親近感を感じてもらえることです。
セルフツッコミ以外にも、セルフ質問もとても有効です。まとめますので、意識してみて、自分で自分に質問してください。構成をつくる時も役に立ちます。
お茶の間目線で感じた違和感や疑問をそのままにせずに、セルフツッコミとして進行に組むこんでしまいましょう。『「◯◯」という単語の説明、わかりづらかったですよね?もう一度説明すると・・・』などであれば、すぐに使えると思います。セルフツッコミ、おすすめです!
では、まとめです!
<まとめ>”不快”を感じさせない「進行」
登壇される方は、スピーカーでもありながら進行をリードするモデレーターでもあります。自分以外にモデレーターがいるシーンでも、自分も進行を担っているという自覚を持って臨んでください。
そして、そんな自分を聞いてくれている人の更にうしろから全体を俯瞰するように見ながらきいてみてください。それが歩調を合わせるための極意に繋がります。
ここまで”不快”を感じさせないための「理解」のポイントを伝えてきました。ここからは”快感”を感じてもらうためのポイントです。
忘れてしまった人のために、図解を再掲しておきます。右側にはいっていきますよ。
ポイント④:”快感”を感じてもらう「ストーリー」
そもそも、共感とは?
共感という言葉は解釈により定義が異なりますので、ここでは「他者が抱いている”感情”を感じ取り、同じような感情を”体験”すること」と定義します。
みなさんも生活の中で、共感して感情が動かされることがありますよね。個人的におもしろいと思っているのは、自分自身にまったく同じ経験がなくても、自分がこれまでに経験してきたものの中で近いものをベースにすることでその感情を疑似体験して共感する、ということをやれていることです。
でなければ、甲子園球児の最終打席の緊張感は、多くの人にとって想像の外にある無縁の感情になるはず。(もちろん想像力があってのことですが)
スピーカーとして向き合うべきことは、感情が伝わってくるきっかけがあれば人には「共感」してもらえるという事実だと思っています。
”飽きさせない話し方”には、スピーカーの感情を疑似体験することでうまれる「共感」が必要不可欠であり、それらの感情を伝えるため「ストーリー」が重要になってきます。
では、どうすれば感情が伝えられるのか、を解説していきます。
まず、「感情は主観でなければ表現できないもの」ですよね。
たとえば、いまこの瞬間、雨が降っていたとして、雨が降っているという客観的な事実だけを伝えるのではなく、「ゆううつだ」とか「たのしい」などの、主観で感じていることを伝えます。なぜたのしいと感じるのかの「考え方」を話すなかで「感情」が伝わり、「共感」ができるようになると思っています。
大事なのは、感情を伝えることです。
登壇されたことがある人は思い返してみてほしいのですが、「書かれていることは話せていても、自分の感情は伝えていなかったかも」と思う方は多いと思います。(あえてそうしてた方も含めて)
多くの方は会社の看板を背負っての活動だと思います。
そうである以上、どこまで個人の色を出すか、どのように出すかの線引きは非常にむずかしい問題ですが、緊張感を持ちながらもどんどん話をしたほうがいい、というのが私の意見です。
続いて、台本にまつわる話です。
追体験を意識して感情を載せて話す台本を考える
「台本は用意されていますか?」と質問をいただくことがありますが、私は台本は用意していますし、程度の差こそあれ準備したほうがいいと思っています。
また、なれないうちは、話の筋となるストーリーに感情がしっかりとのせられるような台本を作ることで、気持ちもラクになると思います。
今回は、実際に私が「マーケティング組織の立ち上げ経験から、KGI・KPIの立て方について説明する」ために準備した台本を用意しました。
ぜひ、見比べてみてください。
■ストーリー×感情なし
■ストーリー×感情あり
※太字部分が感情が出るように加筆した部分です
台本だけだとわかりにくいかもしれませんが、事実に対して自分がどう思っていたのか、を入れ込んでいます。
だからといってアドリブで入れるのはおすすめしません。冗長になってしまう可能性がありますし、感情を表現しようとするあまり、配慮に欠けた発言になってしまう可能性が高いです。(超絶自戒)
話すことすべてを文字起こしするほどの台本は用意しなくてもよいと思いますが、どういった感情をどのように伝えるか、はメモしたうえで臨んでください!
ここからは台本にいろいろと肉付けしていきます。
見えていた景色を伝えながら臨場感やリズム、メリハリをつける
先程の台本の中で、当時、実際に見えていた景色を伝えることで臨場感をうもうとしていた部分があります。
以下の2つの部分ですね。
当事者だからこそ話せる「当時見えていた情景をできるだけ具体的に伝える」ことで話に臨場感がうまれます。当時見えていた景色は自分にしか話せませんので、意識して台本に盛り込んでください。
また、具体的なエピソードを話す時は、”あるある”で信頼を得られるとなおよしです。たとえばもともとの台本にあった…
を下記のように、台本を書き換えたとします。
なにかあたらしい仕事をすることになって、THE名著!の分厚い本に手を出して5分でうとうと・・という経験は、私だけじゃないはずです。聞いている人たちも同じような経験があり、『あるある』とつい頷いてしまうことを自分の主観で話せることができれば、親近感を感じてもらうことができます。
こうした親近感は、相手が“自分と似た感覚や境遇である”と感じることで信頼につながっていきます。ただ、あるあるを意識するあまり話を盛らないように気をつけてください。あくまでも当時の自分が見えていた景色をありのまま伝えるようにしてみてください。
この台本の中でもうひとつ、細かいテクニックが入っています。それは「一瞬緊張させるようなワード」を入れている点です。
先程の台本で言えば「先にこれだけ言わせてください」です。
こうした一瞬緊張させるワードをうまくつかうことで、盛り上がりポイントを作ります。瞬間的な視聴率や注目度をグッと引き上げる工夫でメリハリをつくっていきます。
さらに、一瞬緊張させるワードを言った後は「ゆっくりテンポで強調するように話す」とさらに良くなります。この場合だと「受注にコミットする覚悟が重要です」の部分ですね。そうすることで話の展開にメリハリが生まれます。
一瞬緊張させるワードは、次のフリにもなるのでうまく活用してください。
その他のワード例もご紹介しておきますね。
意識すればすぐにできるようになりますので、ぜひ実践してみてください!
続いては、100人中100人がやっている「例え話」についてです。
例え話はあくまでも理解度の底上げに使う
安易な例え話は身を滅ぼします。いいですか?
安易な例え話は、身を、滅ぼします。
ちょっと言葉が荒くなってしまいましたが、みなさんのまわりにも「例え話」を多用される方はいらっしゃると思います。
二言目には『たとえば・・・』と、話しだされる方。もちろん悪いことではありません。ただ、例え話は相手の理解度をあげるためにとても有効ですが、例え話がないと理解ができないのであれば、そもそもの話す内容に問題があります。
下記の図を見てみてください。
左は、そもそも話がわかりづらかったが例え話によってなんとか50%ほどが理解できた状態です。右は、ある程度理解できていたが、例え話によってさらに理解度があがった状態です。
理解できない話は結局のところ”不快”を感じさせてしまう、というのはこのnoteでもお伝えしてきました。例え話によって理解度があがったとしても、理解度が50%程度なのであれば、疑問が残り”不快”に感じてしまいます。
一方で、例え話によって理解度が底上げされた場合は、『なるほどねー!』と快感を感じる事ができます。70%→90%はとても大きな快感になります。
ごくごく稀に、例え話によって、20%から一気に80%まで引き上がることもありますが、それはたまたまなので『自分は例え話が上手!』などと勘違いしないようにしましょうね。(自戒)
イベントやセミナーだけでなく、やたらと例え話を話してしまっている人は、これを機に、例え話の使い方とタイミングは考え直してみても良いかもしれませんね。例え話は、理解させるためのものではなく、理解度の底上げを狙うものとして、用法用量をまもって正しく使いましょう。
続いて、快感を感じるターンを入れ込もう!という話をします。
快感のターンを入れる
話しの展開の中に、意識的に「快感のターン」を入れ込むことで飽きさせないための共感を誘います。
みなさんはどういう時に快感を感じるでしょうか。例えば下記のような瞬間かと思います。
これまで解説してきた「構成」や「進行」、「ストーリー」の中の工夫で意識的に入れ込んでいくことが可能なものばかりだと思います。
大事なのは視聴体験の設計です。
わかりやすいのは視聴前と視聴後でどういう感情の違いが起きてほしいのか、あるいは、持ち帰ってなにをしてみたくなるのか、を考えることですね。
飽きさせないためには、視聴体験も含めて設計することが重要になります。これまであまり意識してなかったという方は、まずはすこし意識してみることからはじめてみてください!
<まとめ>”快感”を感じてもらう「ストーリー」
飽きさせない話し方には、感情を伝えることが必要です。主観で大丈夫です。配慮はもちろん、看板を背負っている責任と緊張感も感じつつ、しっかりと主観で伝えましょう!思わずハイタッチしたくなるような衝動を感じてもらえれば言うまでもなく100点ですね。
当時、あなたが見えていた景色、感じたことはあなたにしか話せません。あなたの話を聞く理由は、そこにもあると思いますよ。
続いて、スピーカーとしての「スタンス」をお伝えします。
ポイント⑤:”快感”を感じてもらう「スタンス」
よく見せようとしない、かっこつけない
人前で話すとなれば、かっこつけたくなるのが人のサガだと思いますが、自分を大きく見せようとすると、いいことはひとつもありません。
私自身、偉そうなことはまったく言えないですし、最初のころはやはりそういった気持ちもしっかりとありました。その結果、覚えたての横文字を乱発したり、ヘンに強めの言葉をつかって大きく見せようとしたりしました。話すことに気持ちよくなってしまって、聞いている人を置いてけぼりにしたり、相手が聞きたいことではなく、自分が言いたいことを言ってしまっていたこともありました。(書いているだけつらいですねこれ)
表現の世界でもあるので、ある程度のお化粧が必要なこともあると思います。でも、必要以上にかっこつけないこと、それを意識し続けることが大事だと思っています。
自分の主張を明確にする
スピーカーとして話す場以外でもそうですが、自分の主張を明確にして伝えることが大切です。自分の主張を明確にすることではじめて、意見として捉えることができ、議論が生まれたり、共感できたりするからです。言ってしまえば、主張を明確にしないと始まらない、とも言えます。
もちろん、この世の中は断言できることの方がはるかに少ないですが、それでもできるだけスピーカーとしての自分の主張を明確にすることが必要です。
たとえば、『あなたの好きな色は白と黒、どちらですか?』という問に対しての回答を例に考えたいと思います。
この場合は『白も黒もどちらもありますが、私は白だと思っています。』だと回答する感じです。これを『いやー、どっちもあるのでなんとも言えませんね』なんて言われたら『そんなん言い出したら始まらんやろ!』ってなります。
主張を明確にしないメリットもあるので、この主張を明確にするという行為にも注意事項があります。4つにまとめてきましたので、ひとつずつ解説します。
1:他者の考えを否定しない、あくまでも意見の相違として捉える
自分の意見を主張する時に、他者の意見や考え方を否定するようなスタンスは避けましょう。あくまでも意見の相違であり、そこには尊重する気持ちがないといけません。
なにかを意見することは、同時になにかを否定するニュアンスが含まれてしまうものですが、リスペクトの気持ちだけはしっかりと持つ。そして、人と意見は切り分けて、安易に他者の意見まで否定しないようにしましょう。
2:なにかを引き合いに出して、主張を際立たせない
自分の「白だと思う」という意見を主張するために、『そもそも黒って、センスないと思うんですよね。』などと、言う必要はありません。自分が白がいいと思う理由や、白のいいところを伝えればいいんです。
趣味の話だともっとわかりやすいですね、例えば私は、キャンプもゲームも大好きですが、キャンプが好きということを伝えるために「ゲームは家でじっとしてるだけで意味分からないですよね、その点キャンプって・・・」なんて言う必要はありません、ってことです。なにかを引き合いに出して、自分の主張を際立たせないように気をつけましょう。
3:言葉や口調まで強める必要はまったくない
白であることを伝えるのに、言葉や口調を強める必要はありません。『白以外なんてありません!白以外を選ぶ人は終わってます!考え直したほうがいいです!!!!!!』・・みたいな、言い方ですね。
あくまでも、主張を強くするのは根拠です。根拠となる部分を、冷静におもしろく伝えれば伝わります。言葉を強めることで主張を強くしようとするのは、思慮が浅く、テクニックが乏しい証拠です。(自戒)
4:前置きや枕詞、補足はとてもだいじ
主張するという行為自体が、どうしてもなにかを否定するニュアンスが含まれてしまい圧が出てしまうので、前置きや枕詞はとても大切だと思います。
白を主張する時に「白だ!という人も、黒だ!という人もいらっしゃいますし、そのどちらの方の気持ちもわかるのですが・・私は白だと思っています」のような感じです。
伝え方、言い方の工夫と配慮の話ではあるのですが、主張は明確にしつつも、その伝え方は最大限配慮することが大切です。
4つの注意事項をお伝えしましたが、続いて、これらのスタンスは細かな表現にこそあらわれるというお話をします。
細かな表現にこそ、スタンスがあらわれる
たとえばですが、下記の2つを比べてみて、どのような印象の違いを感じますか?
まずはAパターン
次にBパターン
どちらも似たようなことを言っていますし、どちらかが正解と言うわけではありません。ただ、受け取るニュアンスは大きく異なったと思います。
Aパターンは聞いていただく方に対して丁寧な表現で書かれています。最後までたのしく聞いてもらうためには・・という言い方はまさにそれを表現している書き方と言えます。
一方でBパターンは、「最後まで聞かせないと…」「印象を与えないと…」「心を掴み、振り向かせる…」という表現になっていますね。こちらがリードしていくような印象を持ちます。丁寧さというよりは力強さを感じさせるような表現ですね。
これら2つを見比べてみると、どういったスタンスこのメッセージを書いているかがわかると思います。こうした細かな表現にこそスタンスはあらわれるので、伝えたいメッセージが伝わるか、あるいは意図と違ったニュアンスを伝えてしまっていないか?には注意しましょう。
その他にも、お客様のことをなんと表現するか、も日頃のスタンスが出やすいと思います。「顧客」「得意先」「お客様」「お客」「客」…などですね。TPOに合わせて適切なものを使うという前提の中で、どのように表現したらどんな印象を与えるのかを考えることが大事です。
また、これらの細かな表現にあらわれるスタンスはふとした時に出ます。あるいはふとした時に出る表現にこそ、普段の思考やスタンスがあらわれてしまうとも言えます。ごまかせるものではないので、日頃の立ち振る舞いから意識して臨みましょう。
自分に酔わない
人になにかを話す、教えるというのは、勘違いをしてしまいやすい状況を作っているとも言えます。なんだか自分がすごい人になったんじゃないか、という気持ちにさせてくれます。もちろん、そういったものがポジティブに働くこともありますが、ネガティブに作用することもあります。
うまく言葉にできないのですが、みなさんも「この人、話す自分に酔ってるな…」と感じた経験がありませんか?伝えたいというよりも、自分が話したい!という気持ちが勝っているんだろうな、とか、あるいは「話をしている自分を見てくれ!」という下心が透けた瞬間に、そんな感情を抱くと思います。
つまり、主役が自分であることを感じさせてくる感じのあの瞬間です。(結局うまく言えてない)
そうならないためには、あくまでも聞いてくださっている人に話すんだ!と強く心を保ち、話をしている自分に酔わないようにすることが求められます。聞いてくださる方は、わざわざ貴重な時間を割いてくださっているので、謙虚に、誠実にお話しましょう。
ふだんから考える練習をする
元も子もないことを言ってしまうのですが、やはり、ふだんから考える練習をしていないとパッとは出てきません。私が尊敬している諸先輩方は、普段から考えているからこそ、ふいの質問でも的確に自分の意見を伝えられるんだと確信しています。
経験によるアドリブ力もあるとは思いますが、考えていたことを引き出しから取り出しているだけのような感覚です。
となると、ふだんから考えましょう!という話になりますが、おすすめは下記の3つです。
1:自分に質問して、意見を引き出す
2:とにかく3つの要素に分けてみる構造化の練習
3:つまり一言でいうと?という抽象化の練習
たとえば、「飽きさせない話し方」に必要なことってなんだと思う?と自分に質問してみます。そこで出てきた回答を3つの要素に分けてみて解説します。最後に、つまりひとことでいうと?と聞いてみて完了です。
どうせなら書いて発信しよう!ということで、noteやXで発信してみるのがいいと思います。人の目にふれる緊張感と経験や学びがあるので、おすすめです。
ちなみに、私のアカウントはこちらです。よければフォローしてください!
ということで、まとめです。
<まとめ>”快感”を感じてもらう「スタンス」
決して読まないでください、伝えてください!
あなたの朗読を聞くくらいなら、自分で黙読したほうが早いですし、確実です。結果的に読むこともあると思いますが、あくまでも伝えるために読んでください。
うだうだ言いましたが、結局は一生懸命に伝えることこそが大切です。そのことに集中すれば、必要以上に自分を良く見せようとしないですし、自分に酔うこともありません。
これで、”快感”を感じてもらうための「ストーリー」と「スタンス」の解説が終わりました。
最後は、すべてをつなぐ「トーク」の解説です。
ポイント⑥:感情を込めて話すことで「理解」と「共感」に訴えかける「トーク」
<要注意>書けないことは話せない
最初から注意喚起ではじまりますが、これは本当に大事なことですし、「自分は話すのがうまい」と思っている人ほど、要注意だと思います。
大半の方は、書けないことは話せません。自分では話せたつもりでも、相手には伝わっていません。ごまかせたつもりでも、見破られています。というよりも、意識して練習をしないと、自分の考えを話して伝えることはできないと思ったほうがいいと思っています。
「じゃあ書いてみるか」とペンを持った時に気がつくのは、驚くほど書けないという事実です。自分の考えを整理し、言葉に変えて書くという行為ができません。情けなすぎて『まぁ、自分は話すことが得意だしな。へへへ。』と誤魔化してしまうくらいには書けません。
書けないことは話せませんし、書けないということは話せません。これは紛れもない事実だと思います。
イベントやセミナー、商談やミーティングなどのビジネスの場においては、論理的に伝えることが求められるので、このテーマに向き合わざるを得なくなります。じっくりと腰を据えて、落ち着いて考えながら言葉に落とし込んでいったとして、無駄に長い文章になってしまったり、前後で破綻してしまっていたり、主張と根拠に乖離があったりします。
そんな状態で、『話しはじめれば大丈夫!いけるいける!』なんてありえないのですが、話すのが得意な人ほどこれで押し切ろうとしてしまうことがあります。なので、得意な自覚がある人ほど要注意です。
資料や台本を準備する中で、自分の話したいことを文字に起こしていき、当日はそれを読まずに伝える、というのが「トーク」においてもっとも重要です。
そして、「書けないことは話せない」と強く自覚することがトークを磨くスタートラインです。
とにかくテンポを大事にする
「トーク」はとにかくテンポが大事です。命です。
あらためて考え直してほしいのは、聞いてくださる方は、NetflixやAmazonPrimeなどの良質な映像コンテンツに触れ、お笑い芸人やYoutubeのハイテンポのトークに慣れきっている人たちです。みなさんもきっとそうですよね?
みなさんを含むそんな方々が、淡々として抑揚もない、間延びしまくったトークに耐えられる時間は長くないです。というよりも、耐えられません。
ゆったりとしたテンポの方が聞き取りやすい、好きだ、とかはもちろんあります。ハイテンポだと「進行」上、置いていきやすいようなテーマであれば、少しテンポを落とす必要もあります。ですが、基本的にはハイテンポでサクサクとトントントンと進むようなトークを目指しましょう。
テンポは速さだけではありません。ノイズを減らすことでも大きく改善します。ノイズを減らすとは、フィラーを減らすこと、丁寧すぎる表現を減らすことです。
フィラーは「あー」とか「えー」「えっとー」とかです。丁寧すぎる表現というのは、文字通り「よろしくお願いします!」で済むことを「どうぞ、よろしく、お願い、申し上げます。」と言う感じです。
上記を踏まえて、よくあるダメな話し方は下記のような感じですね。特にセミナーがはじまった最初にこのダメな話し方をすると「おおよそのアタリ」で不合格をもらいやすいです。
フィラーは意識と練習で確実に減らしていくことができます。今日からやれますね。
一方で、丁寧すぎる表現になってしまう背景には、行き過ぎたリスクヘッジの結果である可能性があります。関係者、視聴者への敬意や、失礼だと思われないようにしたいという保身、あるいはクセ、間が怖い、等です。言われてみればたしかに!とすぐに治せる方がいる一方で、理由があってそうされている方は、その理由も含めて、見直しをしてもらえるとよいと思います。
上記の例文を、もっとシンプルにすることで、テンポよくスタートすることができます。
サクサク本題に入っていく方が、絶対に満足度はあがります。ぜひ、意識してみてください。
口ぐせ、語尾、ワンパターン
口ぐせ、語尾、ワンパターンの3つは、録画を見返すか、誰かに指摘をしてもらう以外に気がつくことはできません。絶対に。自分ではうまくいったな、と思っていたセミナーを見返してみたらボロボロだった・・なんてことはザラにあります。
特に口ぐせは厄介です。口ぐせになりやすいものもまとめました。ぜひ、録画を見返しながら厳しくチェックしてみてください。
繰り返しますが、自分では絶対に気がつけません。
アンケートのコメントを見て一喜一憂せずに、関係者にフィードバックをもらい、自分でも録画をチェックすることが大切です。
ひとつひとつを置くようにはなす
すこし感覚的な話になってしまいますが、ひとつひとつを置くように話すことを心がけると、とても聞き取りやすくなります。
ついつい次に話すことを考えながら話をしてしまいそうになりますが、それをやめましょうということです。
今、話していることの先を見据えながら話をしてしまうと、話すことと話すことの間を「、」でつないでしまいます。
その結果、一文が長くなることでわかりづらくなってしまったり、聞いている方の理解が追いつかなくなってしまったり、早口になってしまったりしてしまいます。
今、話していることを「。」でつなぐために、ひとつひとつを置くように話すことをこころがけて見てください。解説をした、「理解を待つ間を持つ」という意味でも有効です。焦らずにひとつひとつを置くように話をして「。」でつなぐことを意識してみてください。
言葉は配慮に配慮を重ねて選ぶ
これ以上でも以下でもないのですが、他者を傷つけうるような表現はしないように気をつけてください。
大半の人が会社の看板を背負っての登壇だと思います。「そんなつもりじゃなかった」は通用しません。これらはオフレコと銘打たれたイベントであっても同様です。言葉にしたことは取り返しがつかないので、この点については常に恐怖と緊張感を持って臨むべきテーマだと思います。
いちばん危険なのは、ある程度こなれてきた時に、「よかれと思って」とか、「盛り上げたいと思って」という気持ちが強くなってきた時です。
つまりウケを狙って言葉を選ぼうとしている時がもっとも危険な状態です。
もし、ハッとした方がいらっしゃるのであれば、改めて気を引き締めて貰えればと思います。
また繊細な話題に触れうる表現も避けた方が良いです。政治にからむ話や時事ネタも傷つく方がいるようなものであれば、避けるのが無難です。
たとえば、このnoteは2023年9月に書いたnoteですが、阪神タイガースがアレした話は、それでしか表現できない場合をのぞき避けた方が無難です、という話ですね。
『じゃあ、なにも言えなくなるじゃないか!!!』と思われると思いますが、それくらいの緊張感を持てる方が正常だと思います。その緊張感の中で言葉を選べているうちは、きっと大丈夫だと思います。
さぁ、練習だ!!!
これまで解説してきた、「4つの要素」と「6つのポイント」を意識して、練習してください!
トークの部分をセンスや才能と片付けずに、凡事徹底することが何よりも重要です!練習です。練習できるかどうかにすべてがかかっています!!
というわけで、練習の際は以下の順番で進めてみてください!
場数や経験は必要です。それらがあるからこそ磨かれていくものはあります。ただ、経験は多いに越したことありませんが、あくまでも最後の要素だと思っています。
ただただ経験を積むのではなく、意識して、なりきって、準備して、イメトレして・・・を愚直に積み重ねることでできるようになっていきます。
がんばりましょう!
<まとめ>「トーク」はたのしそうに話す、が最強
ここまで盛大にうだうだ言ってきましたが、結局のところたのしそうに話すのが最強です。たのしそうに話をしている姿を見せるだけで、これまで解説してきたことすべてを吹き飛ばすパワーがあります。文字通り”最強”です。
たのしそうに話している方をみていると、こっちもたのしくなってきますよね。感情も伝えたいことも考え方もしっかりと詰まっていることが多く、「理解」する「共感」するという意味でも「たのしそうに話す」というのは最強です。
小手先のテクニックを磨くくらいなら、たのしそうに話せるテーマでたのしそうに話せるようになってください。『それが一番むずかしいやろ!』というセルフツッコミを入れつつ、全体のまとめに入らせていただきます。
”飽きさせない話し方”のまとめ
飽きさせない話し方に必要な「4つの要素」と「6つのポイント」をそれぞれ解説してきました。
おそらくみなさんが「トーク」のスキルやセンスと思われていたものが、トークではなく別のカテゴリーにはいっていたんじゃないかな、と思います。
私自身、とてもありがたいことに『話すのが上手ですね』と言っていただける機会が多かったのですが、純粋なトークの要素って少ないのではないか?と思っていました。
そして、純粋なトーク部分が少ないのであれば、これは再現性を高められるはず、と思ったのが、4つの要素と6つのポイントに分けようと思ったきっかけでした。
これならできるかも?と思ってもらえたことがひとつでもあれば、このnoteを書いた目的が果たせたことになるので、そうだったらうれしいですね。
まとめ、ということで最後に。
みなさんに「飽きさせない話し方を実現する魔法の一言」を授けて、このnoteを終えます。
このセルフツッコミを入れつづけられる強い精神(もうひとりの自分)を持つことができれば、飽きさせない話し方は身に付けられたも同然です。
さいごに
約3万文字ということで、とてもとても長いnoteになってしまいましたが、「飽きさせない話し方」を実現するための「実践に使える考え方と具体的なTipsを掴む」という目的は果たせていただけたのではないでしょうか。
このnoteは、私にたくさんの登壇機会をくださったみなさんのおかげで書くことができました。このような形になってしまいましたが、お世話になっている恩を少しでもお返しできてよかったです。(これからもなかよくさせてください‥!)
また、「飽きさせない話し方講座」のセミナーを開催する機会をくれたコニカミノルタジャパンのマーケチームのみなさん、企画や内容のブラッシュアップに付き合ってくれた林さんには、この場を借りてお礼を伝えさせていただきます。
最後までお読みいただいた方はもちろん、一部だけでも読んでいただいた方、ほんとうにありがとうございました!
すこしでもお役に立てれたのであれば、スキやシェアをしていただけると泣いてよろこびます!!!
ご感想あれば、お気軽にご連絡ください!
あらためまして、ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?