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イラストレーターとして海外に暮らして大変なこと3選

こんにちは、前回は海外でイラストレーターとして活躍するにはについてお話ししました。まずはそちらも読んでくださいね!

そして今回はイラストレーターが海外で活動するのに大変なことベスト3を上げていきたいと思います。

今回も爽やかなオアハカの風景とともにYouTubeでも同じ内容を聴き流し出来ますのでぜひ両方ともチェックしてくださいね。

https://youtu.be/fme_aauyCmk


その1:画材が手に入らない

まず、アナログ制作を主にしているイラストレーターさんについてお話しすると、海外では売っていない画材もあるので普段使っている絵の具、筆、用紙などは持参した方がいいです。僕の住むメキシコのアクリル絵の具に関していえば色の種類は充実していて値段も日本円で換算するとかなりお得です。でも質、発色、耐久性を考えると日本のそれには及びません。海外から輸入されてくる絵の具も大都市部では手に入るかもしれませんが、日本と比べても割高です。

筆はどうでしょうか?筆に関しても僕の知るところでは日本の100円ショップで5本まとめ売りされているよなナイロン筆が一本数百円したりすることもあります。日本でもいい筆はお高いですがこちらでは筆自体が高めの設定のような気がします。

紙に関してですが、こちらもほぼ輸入に頼っており日本に比べると質が下がりますし特にメキシコ産の紙となると相当選択肢が減ります。(その代わり個性的な紙もあります。)
なので日本のように白い紙だけで何通りも豊富にバリエーションがあるということ自体が珍しいです。

その2:展示会を開こうとする時に日本とのギャップにびっくり

僕はこちら、メキシコは首都メキシコシティーの日本大使館ギャラリー、日本食レストラン、オアハカのカフェ、自身が運営するカフェと展示を経験しているんですが、この展示準備で驚きの連続でした。

まず展示のお知らせを印刷所に頼んで、納期の日に取りに行くのですが今まで結構な確率で締め切りを守られていません。

その言い訳もさまざまで例えば:

『ストライキがあって道が塞がれていてものが届かない』
『上司がパソコンを持っていってしまって確認できない。』
そして、今まで最もびっくりした言い訳が
『上司が印刷所の倉庫の鍵を持っていってしまって開けられないからまた来てくれ』でした。。。

なのでこちらで何とか納期を守ってもらいたい場合大切なのは、こちらが必要期日より余裕を持って発注する必要があります。
例えば10日納期のお知らせ印刷注文して

納期1週間前に一度SNSのWhat’s APPで進行状況を確認

納期3日前に一度店に出向く(おそらくここから制作が始まる)

当日朝What’s APP で連絡を取る(この返事の反応で大体出来ているか判断できる)

出来てなかったら、どうしても3日後には必要で、それを過ぎたら全額は払いかねると伝える。
注意したいのは、『明日までにくれ!』
などと急かすと印刷が乾かないうちに焦って印刷物を重ねてセットするもんだからインクがこびりついた状態で出来上がってきたりするので現実的ではありません。

僕も海外に出て本当にびっくりしたのですが、海外では物のバリエーションが日本のように多くありません。これは日本に住むアルゼンチン人の友達も言っていたのですが、たとえばトマトソースにしてもいくつもの企業から多種多様なものが出されているのがとっても面白いと言っていました。

その3:言葉の壁

さて、海外で画材を手に入れようとするとまず言葉の壁で大変かと思います。
特に専門的な画材となるとGoogle訳でも訳せない場合もあり
厄介なのがたとえばスペイン語でいえば、物によってはスペイン本土の呼び名と他のスペイン語圏の国々で呼び名が違い通じないいこともあります。
そして、僕自身も一つ一つの画材の名前をスペイン語で話せるかというとそんなことはありません。

例えば、下地材『ジェッソ』という言葉が現地語で思い浮かばないとします。
その場合、『ベースとなる絵の具を探してる』と言ったように基本的な言葉で伝えれば、向こうが何個か『これのこと?』提案してくれることもあるし、普段自身が使っている画材ならそれを持参して『これと同じ物を探しているんですが?』といえば大体は通じると思います。

実は言葉の上達という面では、アナログイラストレーターはとても有利です。
なぜならこのように嫌でも現地の画材屋さんに出向いて自分が欲しいものの名前を調べたり、店員に質問したりして現地の言葉を覚える必要があるからです。
これは大きなモチベーションになります。

実際に僕もこのように現地で外出の機会を得て、画材の単語のみならず、お出かけの道すがら寄った屋台で、駅の構内で、お店で出会った日本好きの現地の方とコミュニケーションをしながら言葉を覚えていきました。

海外で大変に思うことは、実は日本では当たり前だったことが多い気がします。
海外に出た際は是非その不便さをも楽しんで、自分の力や経験に変えるメンタルを養って欲しいと思います。

きっともっと、作品も人としても幅が広がると思いますうよ。



終わりに・・・

今回はアナログでも描くイラストレーターの僕が海外で大変だった例を挙げましたが、例えばあなたがデジタルツールで制作しているならば、今の時代安定したWiFi環境さえ整えば問題ありません。電子機器についてさらに触れると、ほんの10年ほど前までは日本から持ち込む機器は日本と海外の電圧の違いがありそのままでは動かず、ごつい変圧器を持参しなくてはなりませんでした。
今は変圧器自体が本体に搭載されている機器が多く、唯一気をつけなくてはいけないのはコンセントのプラグの形状です。こちらは各国のコンセントに合うように変換プラグセットが売ってますのでそちらを持参すれば問題ありません。

また、これからイラストやデザインについて学びたいという方の中には、今回の話で画材や紙にも興味が湧いてきた方もいるかもしれません。
そんな方は是非、海外のイラストレーターにも人気な新宿の世界堂本店や、紙に関しての百科事典、東京の神保町にある竹尾見本帳などを訪れてみることをお勧めします。
イラストレーターやアーティストを目指す人なら、遠方からこれらの専門店を訪れに東京旅行を計画するのもいいですね。
僕も帰国の際知ってる限りの『アートスポット』をご案内したいぐらいです。

ぜひ日本の画材のバリエーションも研究してみましょう!

最後にYouTubeの動画でおさらいもお忘れずに!

https://youtu.be/fme_aauyCmk

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