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『かりん』2022年6月号掲載作品

人生の何割くらいを片付けに充てているかと夜更けに思う

いつの日もひとり暮らしは旅に似て出かけなくとも心をいやす

戦争も越えた時代の上野リチ描きし色のあかるい愛しさ

自らに作ったものは全部食べ使ったお皿もひとりで洗う

朝きいて素直な脳に染みついたリフレインするニュースの言葉

背表紙に亡き人の名が微笑んで返本をする右手が止まる

友が逝きいまも私は生きていて彼女の望んだ朝を見ている


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