『かりん』2022年4月号掲載作品
あたたかな場所を探したバラ園で花は光に首を伸ばして
いつの日も空を映した海の色ほんとの青は宇宙のかなた *
過去は過去、未来はいまの積みかさね、溶けた氷がくるんとまわる
さわれないお金のほうが好まれて変わりはじめる世界のつづき **
ひとりきり貴方の写真をながめてもあなたは私を思い出さない
背伸びしてたぶん告げない恋がある最上段の全集そろえて
* : かりん6月号「オンライン歌会雑記」にて齋藤芳生氏のコメントをいただいた。
** : かりん5月号「前月号作品鑑賞 Ⅲ欄」にて貝澤駿一氏のコメントをいただいた。
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