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『かりん』2023年1月号掲載作品

霜降りの垂れるフードを目で追って右手のなかの鉛筆まわす

墨色のアスファルト踏みかよう道 覚めない夢の残響に揺れ

憧れたあなたに逢った夏のあと響く旋律 私の名を呼ぶ

守らねばならないほどに敵がいた貴方の世界にわたしは行けず

君がいて感じた言葉を書きつづる私の側の気ままな記憶

好きになる君のかたちが滅びても響いた言葉は私のなかで


*この月に投稿した10首は日常とは別の追想を描いたものでした。

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