見出し画像

『かりん』2022年5月号掲載作品

恋してた時のメールを見つけ出し冷めた紅茶のぬくもり僅か

透明でかたいところが似ていると言われてもらったクレーの絵葉書 *

連れられて通った桜並木でも別方向を見てたねふたり

曖昧に毎週会って合わせてた別れるときははっきりしていた

始まりも終わりもスマホで決まる恋片手の上でやがて冷えゆく

北風に輝きを増す月の夜 心に残る影をさらって

*:  かりん6月号「前月号の十首 Ⅲ欄」にて米川千嘉子氏の選をいただいた。


この記事が参加している募集

私の作品紹介

今日の短歌

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?